◆福田幸博君 当然、いろんな仕組みがございますから、何でも簡単にできると思いませんけれども、今のお話では、
まちづくり協議会とか連合会とかが、例えば高校生に、3年に1回くらいは地域に参加してほしいと、学年に分けて来てほしいとか、具体論がいろいろあると思うんですけれども、地域の皆さんと防災について集まってほしいというようなことを、
まちづくり協議会なんかが要望してもよいという意味で言われたんですか。
◎市民部長(大﨑信一君) それぞれの地域の学校長とか校長先生のところに、主催者が、こういうふうな趣旨で、こういうふうな内容を、こういう形でやりたいということを通して、一体的な防災訓練としてのお願いを直接されていただいて結構と思っております。
◆福田幸博君 ありがとうございました。今からの防災訓練について、大変、力強い援助をいただいたというふうに思います。吉見地区では、水産大学校の学生が消防団に入っているということもありまして、割と水産大学校との結びつきがうまくいっているということでありましたけれども、安岡には工科高校、それから安岡工業高校があるんですけれども、今までそういうような地域の訓練に参加したことがないものですから、学校自体でやっているかもしれませんけども、地域の皆さんとの接点が余りないということもありまして、遠方から来られる方も多いこともありまして、そういうことがなかったものですから、今からはぜひ年に1度、ある程度の人数で参加してほしいということを要望していきたいというふうに思います。ありがとうございました。 それでは、次の問題に移りたいと思います。私は、以前申しましたけれども、
安岡沖風力発電事業について反対ということを述べて市会議員にとおった人間でありますので、
安岡風力発電事業反対ということだけで、多くの時間をとらせていただきました。 先般も聞き取り調査の中で、低周波の問題は大したことはないんですよというふうに答えられましたけど、私自身は、1999年に初めて風力発電に規制がかかり、1万キロワット以上はやってはいかんと変わり、そして2013年に音やその他、地域の環境を守るようにという結果で、そして、ことしの11月30日に環境省の発表で、低周波の影響は少ないけれども、低周波の存在を認めてもらいました。 環境部の皆さんから見れば、環境省が認めてないということであると思いますけれども、我々から見れば、ようやく低周波の存在を認めてもらえたというふうに思っております。反対の多くの理由は、さまざまなテーマがありますけれども、病院の医師たちにとってみれば、低周波の存在ということは以前から世界のいろんな論文の中で知っておりまして、カナダやオーストラリア、それからヨーロッパ、デンマーク、
スウェーデンあたりの論文の中に、低周波の問題というのは、精神的な問題がある、眠れない問題があるというようなことが指摘されておりまして、ようやく日本もそれを理解し始めたというふうに思っております。 その中で、具体的に私どものように、日本で初めて4,000キロワットの風力発電が安岡沖に15基つくられる計画がございます。カナダやオーストラリアで問題が出たのは、1,500キロワットでございます。サイズが違う、大きさが違うという問題で、大きくなることでどのような問題があるかということも、さまざまな理論的なものが発表されておりますけれども、大きくなればなるほど、低周波の影響というのは大きくなるということだけは間違いなく示されています。
県立和歌山医科大学においての研究では、いわゆる低周波の問題についてかなり突っ込んだ議論がなされ、そして
副腎皮質スライドホルモンというのがたくさん出て、つまりたくさん長い時間低周波を浴びるとそういうものが出て、そしてストレスが続くというようなデータも最近は発表されております。 今、日本国自身は、電源の安定ということでかなりもめている中で、なぜ風力発電を急ぐのかという思いが私にはあります。地元に住む者として、どうなんだということを今まで訴えてまいりました。 きょうは、3つの観点から市長にお聞きをしたい。まず、風力発電を推進する企業の立場とそこに住む住民への影響、これらについてどのようなお考えをお持ちなのか、お答えをいただきたいと思います。
◎環境部長(小野雅弘君) それでは、企業の立場と住民への影響というところでお答えいたします。 事業者におきましては、当該事業の実施によりまして、風力発電施設の供用開始後20年にわたりまして、国の
再生可能エネルギー固定価格買取制度による売電収入を得ることができるものと考えております。 また、地元企業によりましては、風力発電施設の工事期間中においては、海上工事、陸上工事、資機材等、それから供用期間中、この期間におきましては、メンテナンスによる維持管理、それから供用期間の終了後におきましては、解体撤去工事、これらのもので受注機会の増大が見込まれるところであります。 さらに、工事期間中におきましては、市外の企業からも多くの工事関係者が市内に滞在するということで、市内での買い物、飲食、住宅借り上げ等のさまざまな消費が拡大するものと考えております。 一方、住民への影響ということでございますが、これは事業の実施に対しまして住民の方々が景観、あるいは健康への影響等について懸念されているということにつきましては、十分に認識をいたしております。
仮称安岡沖洋上風力発電事業につきましては、本市の環境保全についての住民の方々が懸念されている事業でございますことから、この平成28年11月30日に下関市環境審議会に諮問しておるところであります。 下関市環境審議会では、
環境影響評価準備書の内容や、住民から事業者へ今提出されつつあります意見書、これをもとに審議が行われ、答申がされる予定でございます。以上でございます。
◆福田幸博君 私が伺った、質問したかったことは、実はこういうことなんです。推進する企業さんは、商売です。金もうけ。また、それに参加する企業は、1つの商売、仕事です。下関の市内の下関市についての入札についても、企業としては入札で負けることがあります。しかし、それによって会社が倒産することはありません。 ところが、迷惑をこうむる地元の住民は、逃げることができません。もちろん引っ越しは可能ですけれども、大変なお金がかかります。企業は、たくさんの仕事の中の1つのことでしょう。しかし、我々住民はそこに住んでいますから、よそに行くわけにいかないんです。そして、全く問題ないという発言があればいいんですけれども、環境省の言い方は、低周波の問題は大したことないと。しかし、影響のある人もいるかもしれないというような書き方です。以前はこういう書き方もありませんでした。音の問題は解決できるというような書き方です。それから、サイズが小さければいいというような書き方でした。 それが1999年と2013年と、さらにことしと徐々に厳しくなっております。世界的な趨勢でもあるからです。まして日本は、電源をよその国から頼ることができません。だから、電源について本気で考えるのはわかります。太陽光の問題もそうです。太陽光も20年前に比べると、今は生産効率は20倍になっています。大変よくなっています。ところが、日本の産業はどんどん低下して、高齢化するために、電気の使用量は減っております。そして政府は、原子力発電所も再開させようとしています。そういう中で、なぜ地元が嫌がることを、わざわざ安岡でするのか。それも、日本に例のない4,000キロワットです。 前にも申しましたが、住民たちは逃げることができません。引っ越しするには大きな金がかかります。35年のローンを組んでいる人は、絶対逃げられません。しかし企業は、たくさんの仕事の中の1回でしかないんです。 先般、道路に立ってみんなで反対活動しておりましたら、若松から人が来られました。この前、風力発電の羽をかえたという人でした。5年もたんよ、海だと。幾らくらいかかったのかと聞いたら、5,000万くらいかかったんやないかなと。あれ1,500ワットですよ。1,500ワット。安岡は4,000キロワットですよ。 そして、東西で2キロ、南北で3キロの中に15も直径55メートルのセメントをひいて、そしてその上で風力発電を回して20年後に撤去するといいます。下は残すんですよ。漁師も近くにある病院も、我々地元の者にとってみても、我々にとっては何のメリットもないです。そして彼らは、国の政策によって大きなお金を得ます。これは、私どもにとってはとても許せないことです。それで、企業の立場と住民への影響という質問をいたしました。 聞き取りの段階で、私の言い方が悪かったかもしれませんけれども、そういうことで、我々は怒っているということを御理解いただきたいというふうに思います。 それでは、2番目に入ります。これも非常に大切な質問です。今まで、私は市長に対しての質問は避けておりました。私はあなたの応援者でした。一生懸命、頑張っています。それで、市民起点の意味、これを聞きたいんです。市民起点とは、どういうことであるんでしょうか。これは、ほかの方ではなくて、できれば市長に答えていただきたいというふうに思います。
◎市長(中尾友昭君) 市民起点ということで、福田議員から御質問いただきました。私を8年前に市長に就任いたしましたが、そのときから市民起点、市役所の役割は市民サービス、市民あっての下関市役所、市政でありますんで、そのことを忘れたことは一度もありません。市民のために政治をする、市民生活の向上を目指す、また、まちが元気になる仕組みを取り込む、こういうことについては常に、心がけてやってきました。
◆福田幸博君 実は、私も中尾市長のこの姿勢は、市長としてすばらしいというふうに思いまして、理事会の中、我々反対する理事の中でも私ともう1人の人、中尾市長の支持側でいろいろな話をしました。さまざまな意見が中では出てまいります。 その中で、一生懸命私たちが弁解をしたのは、市長が一度も会ってくれなかったということです。来年の春で丸3年になります。反対活動のみんな、賛成の皆さんもそうですが、賛成の人たちが2回、我々が20回、さまざまな形で市長に面談を求めました。 市役所の本庁の庁という字は、もともとは聞くという意味でしょう。物事を聞くという意味なんです。今、庁と書いてありますが、昔の字は、あそこの中に聞くということが書いてあります。つまり、福祉の問題でも、生活保護の問題でもみんな、困った者は必ず市役所に聞いて、話をするわけです。それを職員はみんな聞くんです。いいも悪いもない、関係なく聞くんです。逃げるわけにはいかないです。ところが、地域の要望で我々がお願いするときに、自治会とは会っても、反対の会の者とは会わない。なぜ、会わなかったんですか。市民起点ではないんですか。
◎市長(中尾友昭君) 今までに一度も会ってないという御指摘ですけども、これまでは、公務の割り振り等でお会いすることがかないませんでしたが、私が対応できなかったことについては、副市長が対応して事後に必ず内容、詳細な報告を受けております。市長が仮に会えなくても、市役所は1つ、一体でありますので、それにかわるしかるべき人間が対応してありますので、私には全てその情報は届いております。 先ほどから、福田議員が言われるさまざまな危惧、不安、これについては私も大変その重要性を認識いたしております。また、それ以外にもさまざまな場面、機会において、そういう関係者の方、住民の方の意見をたくさん聞かせていただきました。そういうことはありますんで、全く無視とか、例えばですよ、そういうことではないんです。以上です。
◆福田幸博君 私も反対の会の理事会で、いつも同じことを言いました。ところが、多くの皆さんは1回、2回ならわかる。しかし、20回も会わないというのはおかしいんじゃないか、避けとるんじゃないか、逃げとるんじゃないかと、我々は責められました。それで、一般質問が来年の選挙までに最後のチャンスになりますので、真意を聞きたかったわけです。 私の話していることは、多分、反対をしてる皆さんは見ていると思います。ここに来なくてもユーチューブ等々で見ているというふうに思います。市長がどうお答えになるかということで、皆さんの気持ちも決まると思います。それで、しっかりお答えを願いたいわけでございます。つまり、私が皆さんに申し上げたように、市長は大変忙しい、だから会えなかったんだということでいいんですか。会わなかったということですね、忙しいから。でしょう。
○議長(関谷博君) ちょっと、質問は立ってから。答弁は、市長。
◎市長(中尾友昭君) 一問一答方式ですから、そういうふうにかけ合いをしながらやるのもわかりますけど、そうでなくて、一番福田議員が言われるのは、市民が不安を抱えているということについて、市長はどう考えているかということが問題の核心だと思うんですね。その点から改めて質問をまとめて聞いていただけませんか。
◆福田幸博君 わかりました。それではまとめて聞きましょう。今、県の環境影響調査評価条例、これは御存じと思います。どこまできているかというと、ちょうど真ん中まできています。真ん中まできている。真ん中というのは、環境影響評価基準準備書。ようやくその作成が終わったところです。 そして、現在は公告が行われ、縦覧、説明会が行われているところです。知事、市長に対する書面は既に送付してあると思います。そして、縦覧期間は今月の16日までで、あと4日あります。この間に、住民の意見ということが出されます。そして、その後、前田建設は2週間かけまして意見をまとめて、県に提出いたします。その期日は、1月1日です。それ以降、彼らは出すでしょうから、県知事は市長に対しての照会も含めまして、120日間の余裕を持っています。120日間ということは、4カ月です。 少なくとも前田建設工業の提出する時期によりますけれども、4月の末か、5月の半ばぐらいになろうということが想定をされます。そのときには、中尾市長が3選をしているのか、ほかの人がなっているのかわかりませんけれども、その時点で県に答えなければなりません。市長のところに既に書面はいっていると思いますので、市長としてこの問題に対して、県にどのようにお答えになるのか、お話をいただきたいと思います。見解を述べてください。
◎環境部長(小野雅弘君) 先ほどの福田議員の御質問の中で言われましたスケジュール、ちょっと訂正をさせていただきます。縦覧期間におきましては、12月2日で一旦、縦覧としての法律上の期間は終わっております。12月16日までに市民、住民の意見を受けるというのが16日であります。それをもちまして、前田建設工業が、住民意見等を取りまとめて見解を出す作業が残っています。 これを今、議員が2週間とおっしゃいましたが、2週間という決まりはございません。今、たくさん集まっているというお話は聞いております。事業者はこれにつきまして、ただ集めるのではなく、その一つ一つの意見に対して、どういう見解を持っているかという、見解までまとめまして、国・県・市に届け出、提出がなされます。 ですから、2週間で今のところは、ちょっと無理ではないかなと思いますので、1カ月以上は要するのではないかと。これはもう、皆さん御案内のとおり、第1回の環境審議会を11月30日に開催いたしました。その場で第2回環境審議会、下関市環境審議会、これを、来年1月31日ということで全て御案内しております。ですから、前田建設工業といたしましては、今度はその住民意見の取りまとめ、それから事業者としての見解、これを整理いたしまして、この1月31日の第2回環境審議会、これに間に合うように提出をされます。 第2回環境審議会におきまして、これらの住民意見、あるいは意見の事業者の見解、こういうものを材料としていたしまして、また、各審議会委員の専門的な分野、それぞれの立場から、いろいろ審議がなされてくるというような流れになってまいります。 先ほど、県知事から意見照会が市長に来るといいますのは、この前田建設工業が事業者が事業者見解を住民意見、事業者見解をそろえまして、市・県・国に提出した後に、県知事から下関市長にいついつまでに意見を提出しなさい、という流れになってまいります。以上でございます。
◆福田幸博君 今のは、私の解釈の仕方が違っていた、もう少し時間がかかるという意味でありましょう。それはそれでいいんでありますけど、私は、市長としては、これに対してどういうお答えをするかということを聞いたんです。環境部長が答えられるのですか。お願いします。
◎環境部長(小野雅弘君) 今、先ほどから申されております市長意見であります。これはあくまで、今、市長が11月30日に環境審議会に意見を諮問しております。知事意見、知事からの意見照会が求められますので、これから開かれます環境審議会の2回目、3回目、そういうものがあって審議会としてどういう答申が出るか、まだはっきりわかりませんけれども、その答申を踏まえる。 それから今、住民の皆様から寄せられておるいろんな御意見、そういうものを踏まえて、総合的に市長意見というのが形成されてくると思いますので、今段階でどういう意見が出るというところは、ちょっとはっきり断言はできないところであります。以上です。
◆福田幸博君 今は市長の御意見というか、環境部の意見ですか。どちらなんですか。市長の御意見ですか。市長の御意見を聞いたんです。
◎環境部長(小野雅弘君) これは、市長の意見というか、環境部、これは市の意見で、下関市としてこういう方針でこの事務を進めております。ですから、私が環境部長として答えたのは、あくまでもこういう流れの中で、今まで説明したとおりの、これまで何回もずっと説明したとおりの流れでこういう意見が、今から形成されていくということを申し上げたところであります。
◆福田幸博君 それではまだ、意見が決まってないということでようございますかね。環境審議会の意見を聞いて、それから決めると。こういうことでいいんですかね。
◎環境部長(小野雅弘君) これも福田議員さんが先ほど申された、環境省がつくりました検討会、風力発電施設というのは今いろいろこれからどんどん伸びていくエネルギー、再生エネルギーではあるが、とはいえ、それに伴ういろんな問題といいますか、影響点も出ていると。そういうところで環境省がこの風力発電施設から発生する騒音等への対応というものを、この11月の末にようやく数年かけまして、まとめ上げたところであります。 ですから、そういうものでありますので、我々も一事業に対しては、どういう対応をするかというのは、この審議会による専門員さん、そういうところの委員の意見というものは、非常に重要なファクターとなってまいりますので、それを踏まえての意見が今から形成していくというようなふうに考えております。以上です。
◆福田幸博君 私は、市民起点という中尾市長の見解を今も信じておりますので、今回の商売を逃したら潰れるという会社ではなくて、その会社たちではなくて、逃げることのできない住民のほうに軸足を置いていただきたいというふうに望むところです。 決断が、どれだけ市長の決断はつらいかということを、私は同僚の亀田議員から聞いております。日韓高速艇というものを下関はしでかしてしまいました。それも当時議会が全員が賛成をして、日韓高速艇をやりました。ところが失敗をしました。亀田さんが市長になられてすぐそれをやめました。ところが、相手が、釜山がありましたので、簡単にできませんで、大変大きな穴があいてしまいまして、片がなかなかつきませんでした。それで大きな金額の損失が出ました。 そしてそれをどう処理するかという段階になって、市長の念書が出てまいりました。8億円の念書、それが、一時は賛成した議員から訴えられて、関係者から訴えられて、裁判になりました。12年かかりました。裁判費用は6,000万かかりました。訴えた側は、裁判費用が払えないということで、亀田氏はそのときの市議会に援助してもらえないかという提案をしました。市が出したお金は、198万円でした。残りは、5,800万何がしか残りました。弁護士にお願いして、半額まで値切ったそうです。3,000万になった。まだ払っておられます。 これが市長の責任というものです。今は、その後、市長が個人的な負担をしなくてもよくなりました。しかし、私の隣にはその3,000万円をまだ払っている元市長がいるということで、中尾市長にもきちんとした決断をしていただきたいというふうに思います。 企業は、潰れません。再生可能です。それこそ、我々は、別に風力発電をやることを反対しているわけでありません。近すぎると言っているんです。寒いときには有用なストーブでも、あの小さなストーブでも、近づきすぎると熱くなります。ちょっと離れれば寒いかもしれませんけど。全ての物には距離というのがあります。その距離ということを、このような構築物についてのルールがどんどん、後追いできているという状況を、ぜひ理解をしていただきたい。 今や、反対署名は10万筆を超えました。中尾市長に申しましたが、一度は8月に10万筆超えたよと申しました。ところが、その後、精査しましたら6,000筆は重なっていました。それでそれをのけました。8月から、また3カ月以上の日にちが過ぎてしまいました。行くところがないんです。お願いするところがないんです。安岡は1万5,000人、現物をいうともっと少ないです。川中地区全部集めても、3万3,000人しかいません。そこで10万集めるのがどれだけ難儀かというのは、なかなかわかってもらえんと思います。 以前も申しましたけど、私は原発をつくるのは反対だから、風力発電くらい我慢しろと言った人もおられました。そういう問題ではないんです。我々は地域の問題としてこれを捉えているんです。ぜひ、理解をしていただきたい。この難儀な中で我々は、今までやってきたんです。 役所は役所として、また国は国としての見解があるでしょう。しかし、我々は、地元で生きているわけです。東京の業者が何て言おうと、我々には関係ありません。税金だって、多分こちらに払わないでしょう。だから、関連会社をつくるでしょう。でも、流れからいくと、その関連会社は小さな会社です。さまざまな税金の問題とか、さまざまな問題が今から生まれると思いますけれども、我々にとってはメリットが全くありません。やる業者はいいかもしれません。しかし、やる業者にとってみても、下関でやっている業者にとってみても、1回やったらそれで終わります。継続的に管理、これはプロでなきゃできません。大きな船も必要です。大きなお金がかかります。簡単ではありません。 20年でやめるというのは、20年もたてば、新しいさまざまな再生エネルギーができるんで、採算が合わなくなると思うからでしょう。政府の固定買取価格、FITというのも多分変わると思います。それで、間合いを見て20年としたんだと思います。 そういう東京の企業による地元企業を使っての地域のいじめということは、我々は我慢できません。交換条件をとここで申しましたら、9月13日にこの前も申しましたが、安岡に道の駅をつくってやるという条件を出してまいりました。個別的には金を出すという話もあるようです。しかしそんなことで、我々は、気持ちを変えるはずはありません。道の駅をつくるのがどれだけ大変かは、我々は議員として知っています。そんなうそみたいな話を地元の者は信じません。 31ある自治会のうち、最初は29が反対して、現在は31全員が反対に変わりました。それくらい本気です。今は、川中の一部も、きっちりと我々を応援してくれております。市長としての決断を、ぜひ、よろしくお願いします。亀田博ごときに負けないでいただきたい。3,000万の借金まだ払っている。すごいじゃないですか。これが市長というもんですよ。だから、私は市長にならん、金がないから。なれるはずもないけどね。ぜひとも、しっかりした決断をお願いいたします。 以上、終わります。ありがとうございました。
◎市長(中尾友昭君) 反問権でいいですか。
○議長(関谷博君) いいです。
◎市長(中尾友昭君) 今、貧乏市長の話がありましたが、私もその1人です。お金ありません。借金もありません。すっきりしている。それは、それとして、福田議員がるる述べられたことと、我々も答弁をさせていただきました。 福田議員指摘のように、市役所一体の中で、環境部長が答弁をしたことは、市の立場です。市の意見ということは、公職にある市長の意見でもあります。 ところが一方で、我々は政治家です。政治家、市長としても、一個の政治家ですね。それで、福田議員が言われるように、個人的な見解というか、市長としての公職もあるだろうけど実際はどうなんだと、自分の政治家としての。それを質問としては、私は答えるべきではないかと思いますんで、その点について、市役所の立場を含めながら、どのように考えているかを、少しまとめてお話をさせていただきたいです。よろしいですかね。(「お願いします」との声あり) この風力発電の事業ですが、市民の皆さんの関心は、とても高いと思います。私も、大変多くの方から、反対の方、また賛成の方、いろいろ御意見をいただいております。私が言うまでもありませんが、この事業は民間の事業です。公共で下関市が進めている、進めようとしている事業であれば、これは市長としては100%責任がある事業です。 ところがこれは民間の事業なんです。その中で民間の事業者は、電気事業法であるとか、環境影響評価法という法律に基づいて、必要な手続を経ながら現在、進めているわけです。先ほどから御指摘のあるように、環境アセスメントの手続の中で、事業者が
環境影響評価準備書を提出して、これに対する住民意見等をとりまとめている段階が現在です。 市としても先日、下関市環境審議会に諮問を行いまして、提出された準備書について環境保全の見地から、審議をいただいているところです。 そういうことで、現時点の話ですが、答申を待たずに――答申は市として責任を持って専門家に委ねている審議会、そこに審議をお願いしますという諮問を出しているのに、現時点で市長が仮に反対、賛成、それを言うのは、これはシステムに逆行するようなことで、政治家であってもそれは許されませんよ。 今、手続進行中で、委員会の諮問を見て、また意見書を出すのに、その手前で市長が個人的に賛成、反対と言ったら、システムのぶち壊しではないですか。議論になりませんよ、そんなことをしたら。 これは政治家の原点ですよね。そのことは、私は強調しておきたいと思います。むしろ、そのことを言うこと自体が、市政の混乱を招きますよ。それで、法律に基づいて適切に対応しているというのが現状です。 また一方で、市民起点という話がありましたが、市民の皆さんが不安を抱えている。安全に、安心して生活をしたいんだということについては、これは、市長として、市として、大変大きな責任といいますか、義務ですね、これがあると思うんですよ。その不安をできるだけ取り除いてくださいということは、市民生活をしっかり市として安全を担っているわけですから、これは当然のことです。その努力を今からどういうふうにできるかというのは、市長としても責任を持って考えて、対応はしようと思うんですね。 今回の事業は25年7月には、環境影響評価方法書に対して、9つの視点から15項目にも及ぶ市長の意見を述べました。また、本年の8月には、下関市景観審議会において、下関市景観計画への適合の観点から審議をいただき、これは事業者に対して意見を伝えております。これは、いろいろ検討してもらっていると思うんです。 今後は、この事業者に寄せられた住民の方々からの意見、さらには、いずれ出ますが、下関市環境審議会の答申、そしてまた、平成26年3月にこれまで決議された下関市議会の意見、これをしっかりお聞きして、市民の皆さんの声を尊重して、環境影響評価法に基づいて、私は山口県知事に対してしっかり意見を述べてまいりたいというのが現在の心境です。 だから、まだ環境審議会の方針が出ないのに、改めて思いますが、それを超えて市長が言うというのは、市長の越権的な行為です、これは。その点は、同じ政治家、また議会、それからシステムの中、法律に基づいて行動している我々でありますので、そこのところには、今、どうかと追及されても市長は、それ以上は言えません。 もう一回、繰り返しになりますが、市民の皆さんの不安、そういうのを取り除く努力をするというのは、市長として当然であります。以上です。
◆福田幸博君 姿勢は、以前からは変わってないということでございます。私もそのおっしゃる意味はよくわかります。しかし、私は政治家としての哲学はどうなのかと思って言っているだけにすぎません。法律違反をしろなんて言った覚えはありません。 先ほどもありました、なぜ20回で一度も会わなかったのか、副市長を我々は選挙で選んだわけではありません。中尾市長が選んだ方です。我々はそれを承認しました。我々が選んだのは、中尾市長です。公務員を選んだわけではありません。公務員は、政治家の方針、それらを実現しようと頑張ります。法的にあらゆることで頑張ろうとします。 しかし、政治家というのがそれをやらなかったら、戦前のように官選市長で、官選知事で役人の思うがままに日本国を操れます。しかし、あなたが言ったように、市民起点というのは、市民起点ということを市長が述べたということであります。それで、私はそういうふうに申しているわけで、反対を叫ぶだけであれば、旗を持ってきて、ここで大騒ぎすれば済むかもしれません。しかし、そうではありません。あくまで、ルール上で私は言っているんです。市長としてあなたの哲学がどうなんだと言っているわけです。 総務委員会で一度、補正予算の中で亀田博議員と財政部長が哲学問題をやられました。それが大変うれしかった。政治家が哲学を持たなかったら、みんなが役人にやってもらえればいい。この哲学とは何かというのは、中尾市長は、市民起点だったわけです。企業起点ではない。法律は、解釈はたくさんあります。それはよく御存じです。そのために裁判があります。 市長がどういうふうに振る舞うかということにつきまして、もちろん、私から言えば環境審議会の意見を聞かなきゃならん。環境審議会の方は専門家と申しても、中には一般の方もおられます。数人の専門家の方が言えば、大抵、その意見に流れます。そういう中で、環境審議会が行われます。市長の持っている気持ちも、環境審議会はしんしゃくします。市長の気持ちと全く逆の結果を出すことは普通ありません。それが政治というものです。それに対して、役所は動くものだと私は思っています。 それで、毎回このように理不尽と思われるかもしれませんが、質問をしました。今回は初めて市長宛てに質問を出したつもりです。市長の意見は、よくわかりました。我々のほうも、私もまた、理事会の中でさまざまなことで話をしていきたいと思います。選挙が近うございますから、どうしても上滑りの話になりますけど、我々地元は本気なんです。政治家としての対応をぜひ、していただきたいと思います。
◎市長(中尾友昭君) 幾つかの点で、ちょっと違うんじゃないかと思います。今の審議会の話ですが、市長寄りの意見を出す審議会じゃないと思います。これは公正な第三者で構成された審議会ですから、そこ違いますよね。そんなことしたら、審議会いらないじゃないですか。 昔、こういうことがありました。第一別館、我々は一緒になって残す運動をしました。市は壊すと言って、どんどん手続していましたよ。文化財保護審議会にかけました。結論は「残せ」ですよ。ところが、執行部は壊そうとしましたんで、文審の委員は、全員やめてしまいましたよ。それでもまだ進めようとした。だけど、大きな運動の中で進んだが、そのとき専門家は、やはり適正な判断をするわけです。別に市長寄りの判断をするというような、それはちょっと違うと思います。 それから、市長の立場、市長の立場と言われますが、確かに選ばれたのは私1人です、このメンバーの中では。ただし、副市長は、私が選びましたので、間接的には、市民から負託を受けた私が任命しました。福田議員がもしここに立っていたら、経営者としてどういうポジションをとるか。反対だって、そんなに簡単に言えるものじゃないですよ。賛成だって、簡単に言えるものではないですよ。 やはり、大きな経営判断、全ての方に、市民の方に対し責任がある。反対派も賛成派もいる中で、法律に基づいてやって、できるだけ市民の不安を取り除くように、軽減するようにというのに、もう最大限の努力をしているわけですから、これからの進み方によっては、私が業者さんに会ったり、反対の方に会ったり。その調整をする機会があれば。ただし、今ではない、まだ。 まだ、審議会から意見が出ませんから。そういう努力は市長としては、していこうと思うんですね。そういうことを申し上げます。審議会は、市長寄りで結論を出すとは、到底思えません。そこは違いますよ。
◆福田幸博君 中尾市長の見解は聞きました。私はそうは思っていません。長い間やっていますので、確かに第一別館のことには協力してやりました。いろんな方がいろんな形でやりました。その問題とこれは基本的に違います。仕組みが違います。それだけ申し上げたい。 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)────────────────────────────────────────
○議長(関谷博君) 8番、田辺よし子議員。 〔田辺よし子君登壇〕
◆田辺よし子君 無所属市民派の田辺よし子でございます。文化財審議会の話が今、出ましたので、そのことで私もはたと思いましたので、一言申し上げます。 第一別館の件につきましては、先ほど市長がおっしゃいましたように、残す、残さないといういろいろな議論がありました。その中で、文化財審議会は残したほうがいいと、貴重な文化財であるというようなことでありましたが、当時の市長は壊すと言いました。それに対して、市民がいろいろな形で反対運動をし、裁判にもなったと思いますが、そういう経緯を経て、あれが立派な文化財として今現在、市民の文化的な財産として役に立っております。 それと同じ質問を今からいたします。旧第四港湾、旧四建ドックについてでございます。先日、11月25日から30日までにかけて、この旧内務省下関土木出張所下関機械工場乾船渠、これを今から埋め立てると市が方針決定したことにつきまして、最後のお披露目と言いますか、中を見学してくださいというようなことがございました。たったの5日間でございます。たった5日間で市民全員がこれを見に来られるのかというようなこともありますけれども、公開いたしました。 この一般公開の告知は、市民全員に対しての告知は、いつどのような形で、どのような方法で行ったかお示しください。
◎総務部長(守永賢治君) 一応、一般公開をするのは、マスコミを通じて、市民に11月25日から30日までの間、日曜日を除いた5日間で公開するということを周知いたしました。
◆田辺よし子君 それで、この公開をされましたけれども、どれぐらいの市民の方が見に来られたんでしょうか。
◎総務部長(守永賢治君) この見学者の延べ人数で申しますと、合計で522名の方が見学にいらっしゃいました。
◆田辺よし子君 それで、どういうふうな御意見を聴取しておられますか。
◎総務部長(守永賢治君) 見学に来られた方、全てに御意見を伺っているわけではございませんが、その中には、埋め土を惜しむ声もあれば、生活環境がよくなることに感謝をする声もございました。 ただ、埋め土を惜しまれる方の中には、ドックがなくなってしまうと勘違いされておられる方もおられましたので、今回の保存整備工事は壊したり、撤去したりして、ドック自体がなくなるものではないということを説明もいたしましたし、埋め土の後は、遺構表示を行って説明板も設置をすることなどを説明いたしました。
◆田辺よし子君 今、「埋め土」というふうにおっしゃいましたが、本日の議論は、ことし28年2月に株式会社修復技術システムから出されました旧四建ドック保存に係る文化財調査委託業務という、この報告書がございます。 これについて議論していきたいと思いますが、これの中に出てくる言葉は今、総務部長は埋め土とおっしゃいましたけれども、「埋め戻し」という言葉が出てくるんですね。どういうふうな形で業務委託したかというのが問題だと思うんですけれども、この埋め戻しという言葉が出てきますが、埋め戻しと埋め土というのは、方法的にどういうふうな違いがあるのか、お示しください。
◎総務部長(守永賢治君) 今、議員が言われた埋め戻しという言葉でございますが、これは設計の積算書の中に、埋め戻しという表現でありますが、これはGL、要は地面から土を上に盛る場合が盛り土、下に土を入れる場合には、埋め戻しという表現になって、これらから選択されたものと思います。図面や文書上にはまた、埋め立てであるとか、埋設という言葉も使っております。表現の違いだと思います。
◆田辺よし子君 よくわかりました。一般的には、埋め戻しというと地中文化財を調査のために発掘し、そしてそれをまた元にあったところに戻して、そして埋めていくと、そして保存するというのを、一般的に我々は考えがちです。 ところが、この書類の中に、埋め戻しという言葉が出てきます。これは、こういうふうな報告書を私に言わせれば、何かごまかしのような形に見えるんですが、そういうふうな出し方、これはやはり注意して見ていかなくちゃいけないんじゃないかなと、つまり、作成者の意図というか、依頼者の意図というか、そういうふうなものが、見てとれるような要素があるというふうに私は判断いたしました。 早速、本題に入りますけれども、この事業が、この旧四建ドックを埋め立てるという事業、これが、文化財を保護する上で、この方法しかないというような形で出てきております。これの経緯を考えないといけないと思うんです。 前回のときにも申し上げましたように、平成9年に、国から買い取った、これは有償移譲で買い取っております。記録によりますと、38億円で買い取ったということでありますが、この平成9年に国から買い取って、そして平成10年に文化財審議会に市のほうが諮問をかけているということです。そのときの文化財保護審議会のほうの御意見が、我が国及び本市の近代化遺産として希少な土木工事構造物で、極めて貴重な文化財であるという回答が来ました。 先ほどの田中絹代記念館もそうですが、大変歴史的に価値のある、そして先人の偉業を顕彰するものとして使ったらどうかというような形で、歴史的なものであるということで残したほうがいいんじゃないかというふうな意見が出ました。それと同じようにこの保護審議会は、非常に貴重な文化財であるというようなことが、回答がありまして、そして前も言いましたが、関門海峡が国際港として、また、この日本の近代化を牽引していくための大変重要な航路であった。その航路をつくったこの旧四建ドックであるということで、近代化遺産にも匹敵する、これから先将来国の重要文化財にもなり得るものであるというようなことが出ております。 そして、これを受けて、平成10年9月に政策会議において保存が決定されました。保存しようということになったんです。こういう文化財を市が保存する場合は、いわゆる文化財保護課に任せるんじゃないですかね。教育委員会のほうに任せるんだと思うんですけれども、なぜ、このとき、市の指定文化財に指定して、そして教育委員会に所管を移さなかったのか、その理由は何でしょうか。
◎総務部長(守永賢治君) この、現在旧四建ドックがある土地でございますが、もともと平成9年に唐戸市場の関連用地、要は駐車場用地として取得をいたしました。実際には、唐戸市場の駐車場は立体駐車場ということで、ドック周辺は未利用地になっておりました。 ただ、土地を取得したときに、国から購入したわけですから、当然、用地取得時の国の用途指定がかかっておりましたので、それまでは、他の転用ということは考えられませんでしたので、とりあえず未利用地として保有を続けたということです。
◆田辺よし子君 その未利用地のまま、私に言わせれば平成10年に保存しようという決定が下されて、平成27年に会議でこれを駐車場にしようというような話が出ておりますが、この間17年間、これは放置したとしか思えないような管理の仕方だったんですね。 つまり、何の手も加えないということです。そういうふうなものが、この昔の建築物が、何もせずにほったらかしておくというようなことによる損害、そういったことがあるということを考えられなかった。これは管理する側の大変な、私に言わせれば、このほったらかしてきたということは不作為であるというふうに思うんですけれども、そういうふうな形でほったらかしてきたという、この現実があるんですよね。 その間にいろいろな使い道を探そうとしたというふうに答えられましたけれども、この間、どういうふうな形で使っていこうというふうに思われたのか、もう一度、時系列的にお聞かせ願いたいと思います。
◎総務部長(守永賢治君) 平成21年に国の用途指定の期間が終了いたしましたので、平成21年には一旦、新消防庁舎の候補地として検討されたこともございました。 最終的には、平成22年6月に新消防庁舎は岬之町に移ることになりましたので、ここの候補地からも外れまして、平成22年8月からここの跡地利用についての検討会議を市の内部で立ち上げまして、ドックを含む利活用策というのを検討を開始いたしました。 この大正3年に建造された文化的価値の高いドック、これを将来にわたって保存し、かつ景観、生活環境、安全管理、土地利用等の課題もございますので、これらを解決するために、5年にわたって内部協議を重ねてまいりました。 その中には、現状のまま、野外音楽堂や親水公園としての施設整備を行うことなども検討いたしましたが、事業のそれぞれの部局の事業の優先度、あるいは財源調達の観点から事業化のめどが立つには至りませんでした。このため、まずはドックを将来にわたって保存を確実なものにするために、市の文化財に指定した上で、埋め土による保存を行うことにしたものでございます。 今回の、この旧四建ドック保存整備工事は、下関市文化財保護条例の規定による文化財現状変更許可を受けて実施をするものでありまして、実際に教育委員会の指示に従いましてこのたび一般公開も行いましたし、この後、埋め土後は遺構表示や説明板の設置もあわせて行う予定でございます。
◆田辺よし子君 要するに、所管が全然、違うんですよね。文化財なんですよ、これは。単なる未利用地ではなくて、今議論しているのは文化財です。 旧四建ドックという文化財を、誰がどのように管理していくかというお話をしたいと思うんですけれども、文化財というものは、教育委員会がするものじゃないんですか。それを審議会にかけて、ああするこうすると言う、埋め土にするとかなんとかというのは、教育委員会に対する執行部の越権行為じゃないですか、違いますか。
◎総務部長(守永賢治君) 今、総務部で所管をしている土地特別会計上の土地でございますので、総務部が所管しておりますが、実際には、文化財として指定をするというのは、下関市として行っておりますので、この間、教育委員会とは連携してこの旧四建ドックの保存については、連携して行ってまいりました。
◆田辺よし子君 違うでしょう。文化財に指定したのは、わずか去年ではないですか。私が言っているのは、平成10年に保存するという決定をしたんです。この時点で、文化財保護法にのっとって、こういうこと書いてあるんですよ。 所有者というのは、所有者の心得として文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存しなければならないと書いてあるんです。 そして、できるだけこれを公開するなど、その文化的活用に努めなければならないと書いてあるんです。これね。これに全く違反していると思いませんか、ほったらかしたのは。
◎総務部長(守永賢治君) ほったらかしにしたわけではなくて、先ほども申し上げましたが、平成9年に唐戸市場の関連用地、駐車場用地として購入をいたしましたので、平成21年までの間は、国の用途指定がかかっておりましたので、この期間が終了した後に市としてどのように活用するかを検討してきて、このたび埋め土による保存をするということで、今、工事が始まったところでございます。
◆田辺よし子君 それも違うでしょう。いいですか、下関市の文化財保護条例を申し上げます。保護条例には、こういうふうに書いてあるんです。文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な文化的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、教育委員会がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならないと書いてあります。 そしてもう1つ、教育委員会は市指定文化財の所有者に対し、市指定文化財の管理方法に関し、必要な助言、または勧告をすることができると書いてあります。なぜ、教育委員会はこのときに、助言や勧告をしなかったんですか。
◎教育部長(石津幸紀生君) 今、議員がおっしゃいましたように、市の文化財保護条例の第7条に、「教育委員会は、市指定文化財の所有者に対し、市指定文化財の管理方法に関し必要な助言又は勧告をすることができる」という規定がございます。指定文化財にしましたのは、昨年のことでございまして、平成10年の時点では、まだ指定文化財になっていないというところもございます。 それからもう1点、やはり所有者のほうで、先ほど、ほったらかしというお言葉がございましたけれども、所有者として適切な管理をしていたというところもございましたので、今のこの条例の第7条に基づくような行為というのは、特段やっていないということでございます。
◆田辺よし子君 適正な管理をしていたんだったら、先ほど総務部長がおっしゃったようににおいが臭いとか、汚いとか、草が生えているとか、そういう市民からの苦情があったから、埋め立てるというふうにおっしゃいましたけども、適正な管理をしていたんだったら、そんな苦情は出ないんじゃないですか。
◎総務部長(守永賢治君) 適正な管理、どこまでの頻度でやるかということはありますが、年に一、二度は水を抜いたり、管理に努めたところでございますが、当然、雨や水が湧くということがありますので、どうしてもそういった管理を行った後、幾らかの期間がたつとどうしても水がたまり、景観上よくない、状況によっては悪臭、異臭がするというような声があったのも事実でございますが、市としてできるだけの管理は行ってきたつもりでございます。
◆田辺よし子君 管理をしてなかったから、今埋め立てて、見えないようにするというようなことだと思いますけれども、それだったら、明らかに市として文化財保護法に違反しているんですよ。これは、文化財として大切な国民的財産であることを自覚して、大切に保存しなければならない。そして、これを公開すると、公開に努めなければならないと書いてある。 人に見せようとか、それに触れてもらおうと思えば、非常に高度なといいますか、きちんとした管理をして見せなくていけない。それを、今まで単なる未利用地として邪魔者扱いしてきたようなものですよ、これはね。非常に、私は、ここのところが皆さん方の、いわゆるこういうような文化財に対する見識のなさですよ。無知だと言いたい。だからこそ、ほったらかしてきたんですよ。 本当に大切なものであるならば、一生懸命管理してきたし、それを国民的財産として市民のみんながそれを享受できる、見に行ける、そしてそこを触れて見られる、近代化の流れを感じることができる、そういったもので利用できてきたんですよ。 ところが、単なる水たまり、草がぼうぼう生えている。あげくの果てには、近所の人から苦情が出たから埋め立てる。これ、どういうことですか、文化財を扱う者として。全然もう何といいますか、見識のなさを私は前回も言いましたけど、本当に日本中からこれを埋めたら笑われると思いますよ。だから、もう一度これが文化財であるということに立ち返って、一から考え直すべきであるというふうに私は思うんです。 それで、2番目の質問ですけれども、これが文化財保護法と文化財保護条例に照らして適正かというところですけれども、全く文化財保護法も遵守されていない、それから下関市の指定文化財保護条例も遵守されていない中で、このドックの埋め立てというのは決められてきたんですよ。ただ単にそれだけ。 それから、先ほどのこの報告書をよく読んでみますと、駐車場として利用するしかないと書いてあるんですよ。駐車場として利用するのが一番いいと書いてあります。この人たちも――この文化財の修復技術システムという会社みたいですけれども――なぜこんな意見になるんですかね。私はびっくりしました。これが貴重な文化財であるということが、平成10年にちゃんと決められて、当時の市長がこれを保存しましょうとおっしゃった。そしたら、ちゃんと保存するためにはどうしたらいいか、法にのっとってやるにはどうしたらいいかということで、考えてこなかったから、こういうことになっているんだと私は思うんですよね。 だから、やはりこのことに関しては、もう1回きちんと精査していってもらいたいというふうに思うんですけれども、報告書の中で、こういうふうに書いてあるんですよ。教育委員会の意見として、乾船渠を残すことで決定しており、その利活用については教育委員会は助言は行うが、所有者である市長部局で行うべきと考えるというふうに返事しています。 それから、民間の文化財所有者に精神的、経済的な負担を強いているのに、市みずからが文化財を壊すという理屈にはならないというふうに書いてあります。それから、埋め立てれば文化財ではなくなり、文化財の指定登録もあり得ないため、埋め立てる方向では教育委員会としては検討しないと、それには同意できないと書いてあります。それから、前田砲台との関係はないが、下関の近代港湾発展の歴史の原点であり、下関近代化のストーリーを構築する上で重要と考えております、というふうに、教育委員会のほうは返事をしております。 そして、その後に経営企画会議というものが、これは管財課が中心になってやったと思うんですけれども、こういうふうに書いてあります。いろんなことが書いてあるんですけれども、財政面でいいますと、本格活用となると土地取得特別会計からの所管がえが必要となるが、所管がえを行うと土地取得会計を圧迫することになる。また、現在財政が非常に厳しい中で取得価格での所管がえも難しく、得策ではないというようなことがあります。 そして、この用地には、38億円もの取得費を費やしており、本格的な活用を考える場合、市全体の財政面に及ぼす影響は大であり、次のステージに進んだとき、財源はどうするのかが問題になるため、土地会計においたままで整備し、暫定的な利活用を図ったほうがよい、というふうに書いてあるわけですね。 これは、38億円は、全体のものだと思います。乾ドックのところだけじゃないと思うんですけれども、その中の幾らかというのはこれは書いてありませんけれども、要するに所管がえが難しいというようなことを書いてありますが、このところでも全く、いわゆる文化財として、文化財保護法の精神は抜けているわけです。抜けていて、単なる事務処理というようなことで言っていると思います。あくまでも文化財をどうするかという考え方でいかないといけないと思いますけど、それが抜けているということを申し上げたいと思います。それが、やはり文化財に対する見識のなさだと思います。 それから、管財がおっしゃっているのは、駐車場として整備するのがよいと書いてあります。公園か駐車場しか利用はないように思われる。やりっぱなしにしていると思われるような状態なため、せめてバス駐車場にしたいというふうに、会議の中で書いてあります。その前の会議で、文化財保護課長さんが呼ばれて、意見を述べておりますが、こういうふうに述べておられます。 長年にわたって、市長部局で活用策を見出すことができず、今回の埋設に至ったことは、文化財保護課としては断腸の思いである。しかしながら、当該文化財の埋設については、あくまでも文化財としての価値を損なうことなく、市指定文化財として、保護措置を講じた上での行為であることから、地中で当該文化財を保存され、文化財を生かした適切な活用案が見出せたときには、再びその姿をあらわすこととなる。 つまり、指定文化財の活用を将来に委ねるという措置と考えたい、今はそう考えたい。この案は、市文化財保護審議会長の三浦大学院教授の意見によるところが大きいが、三浦会長も今回の措置を本来の文化財保護のあり方とするための最善の策とはしておりません。公共による文化財の破壊か、保存かの二者択一の中でひねり出された苦渋の選択であります。つまり、これを保存、埋め立てしなければ、破壊すると。最初は、これを地中に埋めてしまうとしたわけです。 ところが、それは、廃掃法の関係で環境省から待ったが入ったと。それをそのまま埋めたら廃掃法違反になりますよということで、それじゃいけないということで、慌てて市の指定文化財にしたというだけの話ですね。埋め立てるということが、文化財のあり方からすると、本来的なものではない、最善ではないということもこの三浦先生もおっしゃっております。 そして、この二者択一、破壊か保存かという二者択一を迫られた中で、苦渋の選択をしたというふうに書いてあります。これによって少なくとも今、破壊されることはなくなった。そして、それを将来に託すことになります。ただし、このような措置は全国的には例がないと、全国的に例はなく、保存を望む市民や有識者から本市及び教育委員会が、批判を浴びる可能性は高いというふうに書いてあります。 まさに今回、裁判にかけられようとしておりますので、批判を浴びることになりました。また、少なくとも保存運動は起こるでしょう、ということです。こういうふうなことを、当時の文化財保護課長が意見陳述として申し出ております。 それでもなおかつ、27年にはこれを駐車場にすると、埋めるというようなことで、埋めて保存をするという、私に言わせれば大変な詭弁だと思うんですが、埋めて将来、何かあったときには掘り出して、文化財としてすればいいじゃないかというようなことをおっしゃっているんですけれども、将来、埋め戻して、それこそ掘り出すということにするなら、今これを見える形で、残してくれという保存運動の方々もいらっしゃるし、文審の審議会の三浦先生も、こうやって埋めるというようなことは、世の中ありませんよと。でもあえてそれをするというのを認めるのは、市が壊すというから、駐車場にするというから、壊されたらいけないから、それに重々と従ったというような気持ちが見てとれます。この文章からですね。 なぜ、そういうふうなことを市として、総務としてやられるのか。これは本当に、今あれを、例えば埋めたりします。埋めたりしたら、文化財としては見えないんですから、中に埋まっちゃっているから、見えないんだから、文化的価値、文化財としての価値は減少せしめられるんじゃないですかね。文化財としての価値は、一般的に見て下がっていくんじゃないでしょうか、いかがですか。
◎総務部長(守永賢治君) 埋め立てによって、その後、田辺議員のほうから駐車場にするというお話がございましたが、過去の議論の過程の中で、利活用案の中の1つとして駐車場として整備をするというような、そういった絵もございました。 ただ、今、市がこのたび保存整備工事によって行おうとしている工事は、駐車場とするのではなくて、工事完了後は、通常時は車が進入できない措置を講じます。その上で、ドックの遺構表示、要はドックがあるところをカラー表示をして、説明板なども設置をいたしまして、市民の方や観光客の方が、この地中の中にドックの存在があることを忘れないような、そして少しでも身近に感じられるように、自由に散策するスペースとすることをまず考えております。 ただし、唐戸周辺が大渋滞となり、交通麻痺しているゴールデンウイークなどの特異日については、臨時的に乗用車の駐車場とすることも想定はしておりますが、これは年間で10日程度になると見込んでおります。ですから、大半はあそこに旧四建ドックがあったということが市民の方、あるいは観光客の方にわかるような整備をしようということでございます。 もう1点、埋めることがとても例がないというようなお話でございましたが、私は11月25日土曜日に一般公開の際に現場に行っておりました。そのときに見学者の方から、佐賀市にも地中に埋まったドックがありますよ、というお話を聞きました。調べますと、佐賀市の三重津という場所の海軍所跡で、世界遺産にも登録をされているということで、その中に、明治日本の産業革命遺産で日本で現存する国内に最古のドックがあるそうなんですが、これは地中に埋まっておって、現在は見えない世界遺産として話題になっているということでした。 また、明治35年に完成をした神戸市の川崎重工の第1ドック、これは、平成10年に登録有形文化財に指定をされて、平成19年に国の近代化産業遺産に登録をされておりますが、こちらのほうは、老朽化によって今後の維持管理が困難になったということで、平成26年に埋め戻されて、現在は地表から姿を消しているということでございます。
◆田辺よし子君 もともと埋め立てなければならなかった、埋め立てなければならなかった遺構というのは、それは埋め立てて保存するといいますか、土をかけて保存するということはあると思いますし、掘り出したものについては、またもう一遍調べて埋め戻すというようなことはあると思いますね。 では、この旧四建ドックが差し当たって埋めなければならないという、今、部長がおっしゃいましたように、最初は、この市の考え方は、管財の考え方は、全くこれを駐車場にしようと、駐車場が足りないから、駐車場にしようというところからスタートしているんですよ、これは。これは事実として残ってしまってますから、とても言いようがないと思いますよ。 最初から駐車場としてやろうとしていた。ところが、反対運動が起こった。反対運動が起こっていく中で、これは大変だということになって、今おっしゃったように、いやいや駐車場にはしませんよというようなことをおっしゃっているけど、この中には、大型バスをとめると書いてあるんですよ。 最初の計画は大型バスをとめる所になっていました。この中にはっきり書いてあります。市は最初から、大型バスをとめるために、ここを埋めて整備しようとしたんです。最初からそう、だけど、今はそれではちょっとまずいということになって、今いろいろ部長がおっしゃたように、普通はとめませんよと、ただ遺構表示をして、そしてそれをみんなに見てもらって、大変なときだけ乗用車をとめますよと、今度はそういうふうに変わってきていますね。使用方法が変わってきています。 そしたら、これだけ例えばいわゆる文化財保護法に違反する、それから下関市の文化財保護条例にも抵触するというような状況の中で、乗用車のところまで考え方が変わってきたんなら、これを今、ちゃんと見える形にして、このまま現存する見える形にして、そしてそれを整備してきれいにして、将来的に水がたまらないようにしたり、それから中をちゃんと入って見られるような形にして、市民の財産として公開していくというようなところまで考えには至りませんか。 それともう1つ、いつまでも総務においておくのではなくて、先ほど言いましたように教育委員会にこの利活用、保存については任せたらいいじゃないかと思うんですけれども、それはいかがですか。
◎教育部長(石津幸紀生君) まず、田辺議員の、今回の埋立保存は文化財保護法あるいは条例に照らして適正かどうかという、適正ではないんじゃないかという御意見に対して、お答えをしたいと思います。 文化財保護法及び市の文化財保護条例におきましては、所有者には、貴重な文化財を公共のために大切に保存することを求める一方、教育委員会には、文化財の所有者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意することを求めております。 また、同条例におきまして、教育委員会は、指定有形文化財の現状変更の許可を与える場合におきまして、条件を付して必要な指示をすることができると定めております。 下関市は、将来におきまして、市の指定文化財であるこの旧四建ドックを直接的に利用する際に、健全な状態で活用することができる内容の現状変更申請書を提出し、教育委員会といたしましては、この現状変更許可申請に対しまして、「現状変更の申請内容を遵守し、当該文化財の保存を確実なものとすること」及び「現状変更に際し、文化財保護課職員の指示に従うこと」、これを条件として付した上で、許可をしたところでございます。 教育委員会といたしましては、この旧四建ドックの埋設を行う現状変更の許可に当たりまして、保護法あるいは条例にのっとって、適正に対処しているものと考えております。以上です。
◆田辺よし子君 それは部長のほうで間違いがありますよ。いいですか。文化財審議会が、文化財審議会の意見によるんじゃないんですか、そちらも。いろんな仕事をするのは、文化財審議会に諮問しているんです。これは貴重なものであって文化財、貴重なものだから、必ず残しなさいよというふうな答申が出ている。しかも、埋め立てて保存した例はないと、審議会のほうから言ってきているんですよ。なぜ、それを守らないんですか。 今、要するに、教育委員会のほうからの指示に従っていると、従って工事を進めてもらうようにしていると言いますけれども、文化財審議会の指示には従ってないじゃないですか、どうですか。
◎教育部長(石津幸紀生君) 文化財保護審議会でございますけれども、やはり指定文化財にするに当たりましては、当然のことながら、所有者が市であれ、あるいは民間の方であれ、所有者の意向を踏まえてこの審議会で御審議をいただく、これが通例でございます。 今回におきましては、市が所有しているわけでございますけれども、市の意向を踏まえてこの文化財保護審議会で御審議をしていただきまして、先ほどから三浦会長さんのコメントが出ておりましたけれども、その文化財保護審議会の御意見の中では、ドックは港湾施設としての価値、下関の象徴的な存在であるものの、なかなか有効活用ができない状況で、管理費だけでも随分かかり、残すためにやむを得ず埋めざるを得ない。ドックを掘り出した際に重要文化財に指定するために、文化財の価値を壊さないよう地下に保存すると、そういう御意見を踏まえて、昨年の10月6日、文化財保護審議会のほうから答申をいただいているものでございます。
◆田辺よし子君 いいですか。この計画は平成10年に保存が決定した。しかし、その後、21年には、先ほどおっしゃったようにあそこに消防署を建てようかと言った。未利用地という認識しかないから、あそこを何に使おうかという発想しかないんですよ。文化財に対する、大変貧弱な思想でしかない。 いいですか、あれは文化財ですよ。文化財の上に消防署を建てますか。文化財の上を駐車場にしますか。普通はしませんよ。だけど、未利用地だと思うからできるんですよ、それが。そのときに、平成10年に保存を決定したときに、なぜ所管を移さなかったのか。教育委員会に委ねなかったのか、ということを私は言っとるんです。 それが、今日までずっときて、いまだもって総務のほうは、未利用地をどういうふうな形で使ったらいいかと、そのことしか考えてないんですよ。教育委員会としては、文化財審議会からそういう貴重なものであるというような意見が出ている。 でも、その土地は、所管がえしますから教育委員会が買ってくださいよと言われたときには、教育委員会としては買うお金はないというようなことだから、手も足も出せんということだったと思いますけれども、教育委員会の権限として、この重要な文化財を所管がえとかお金のことは言わずに、文化財としてちゃんと保存していく。 そして、それを市民のために供する。市民がいつ来ても見られる、そして学習の場所にもなる、そういうものにしたいという勧告といいますか、意見というか、それを言わなかったことが、私は教育委員会の不作為でもあると思うんですよ。教育委員会も大変な間違いを犯していると思います、この件に関してはね。 総務だけの問題ではない。総務は、銭金のことしか考えないかもしれないけども、教育委員会は文化財としての価値をちゃんと言わないといけないんですよ。教育委員会は、それだけの権限がありますよ。 こちらから言われるから諾々として従うのでなくて、教育委員会としての権限をちゃんと発揮しないといけないじゃないですか。文化財を守るために、文化財に価値を見出せない人たちに対して、教育委員会が、これは文化財なんだと、守らなきゃいけないじゃないですかと、守るためにはどうしたらいいのか知恵をかしてくれ、と言わんといけんやったんですよ。それができてないから、こういうことになっている。 過去の中には、中には何人かの文化財としての価値を見出した方々がいろんな意見を言ってあります。でも、ことごとくはねられています。管財からことごとくはねられて、とうとうバスの駐車場にするというような。これは公式の文書でしょう。これを大変な金払ってつくってもらったんじゃないですか、この報告書は。この中にはっきり、大型バスの駐車場にすると書いてありますよ。だから、そういうことになっている。もう、これは下関市が犯した大変な間違いだと思います。だから、そういうふうなことをぜひ考えていただきたいと、もう1回考えていただきたいと思います。 それともう1つ。最後の質問ですが、この埋め立ての工事入札で、これがせんだって行われまして、4,390万円で落札されました。そして今、工事が入っていると思うんですけれども、この中で、やはり同じようにこの報告書の中に、こういうふうな報告があります。今後の活用方法というのがありまして、乾船渠の活用方法として、文化財保護の観点から現状を維持するか否かを判断基準とし、さまざまな活用方法を検討いたしました、とこうあります。いろんな方法が5つぐらいあるんですが、まず、現在の機能を維持しつつ活用というところがあります。 つまり埋めない、埋め立てなくて現在の機能は維持しつつ活用するというのがあります。それは、コンサートホール、海釣り公園、親水公園、スポーツ施設、駐車場とこうあります。今現在の機能を維持しつつ、つまり、中を見られるようにして、埋め立てないで中を見られるようにして使う方法はこれだけあります。これを文化財保護の観点から、それから資産活用の観点から、有効利用の観点から、経済性、それから景観というもので判断して、丸か三角かペケかというのがあります。 そして、埋めて――ここでは埋め戻しと書いてありますが――埋めて活用する方法としては、駐車場と公園です。埋めて活用する場合、もちろん文化財保護のところではペケです。埋めるということがペケになっています。駐車場も公園もペケです。資産活用では丸ですね。資産として活用するのは丸。公園は三角です。金にならんということでしょうね。それから、有効利用のほうでは、駐車場は三角です。これは余り有効利用になっておりません。公園は丸ですね。それから経済性は両方とも丸です。こういうふうになっております。 一方、今、埋めないで活用する方法です。これが文化財保護の観点からは三角です。丸ではないんですが、ペケはない、三角です。埋めるよりは、いいということです。それから、資産を活用するということにおいては、全部丸です。今現在の形のものを機能を維持しつつ活用するというのでは、親水公園だけが三角になっていますが、あとはいいでしょうということです。有効利用に関しては、駐車場以外は全部丸です。こういうふうな形で、これもやはり、この中に、ちゃんと出てきているんです。 こういう方法で、要するに何と言うんですか、埋め立てることについて、いろんな意見が出てきておりますが、先ほどの4,390万円ですね、これはこの中に埋めるための真砂土の金額ですね。それがどれぐらいというふうに見ておられるんでしょうか。
◎総務部長(守永賢治君) 済みません、真砂土だけの金額は今、手元に資料がございません。
◆田辺よし子君 4,390万の内訳があるんですが、それには真砂土は入ってないんですよ。真砂土は入ってないと思います。その真砂土の金額がですね。そしてやはり、これの中にこういうふうに書いてあります。 真砂土を購入してやれば大変だから、建築廃材の、いわゆるリサイクル品ですね。建築廃材のリサイクル品、それを使うことを考えたらどうかというふうに書いてあります。ですから、真砂土の値段は入ってないと思うんですけれども、そのことをお伺いいたします。いかがですか。
◎総務部長(守永賢治君) これまでも説明しておりますとおり、建設残土とかで埋めることにはなっておりません。あくまでも真砂土で埋め戻しを行います。詳細な金額は、今手元には資料がございませんが、設計書関係の業務単価表の中には、購入土、要は真砂土を購入する、購入土という形で表示がしてあります。以上です。
◆田辺よし子君 それは幾らになっていますか。
◎総務部長(守永賢治君) 手元のものは、名称だけの資料でございまして、単価とか数量とかは記載が入っておりせん。
◆田辺よし子君 私が入手した書類では、真砂土の値段が入っていないと思います。そうすると、入札が行われて、落札者が工事をする工事代金といいますか、そのことだけで表示があったと思いますので、そのことも懸念しております。 どういうふうに懸念しているかと言いますと、ピュアな真砂土、きれいな状態での真砂土は、例えばいろいろな検査によって、それが今から埋め立てている地中にある文化財をどういうふうに影響していくか、ということを推しはかれます。 しかし、建設廃材で出てきた瓦れきを壊したようなもの、そういうものであるならば、成分がどんなものであるのか、どういうふうなものが混じっているのかというのがわかりません。しかも、9,000トンですか、それだけのものを埋めていくということになりますと、本当にどんな土をあそこに放り込むのかということにもなってきます。 ですから、やはり、そのことも大きな問題だと思います。それも考えずして、とにかく4,390万円で埋めてくれたらいいんだというような形でやるのは、これも文化財保護法に照らして、適切な形で保存せねばならないというようなものが、適切でない形で保存されるとなると、これもやはり、この保護法に抵触していくと思います。 いずれにしても、やはり、これだけの重要な文化財です。私たちは、過去にもいろんな文化財を保護し、それから保存していくために、いろんな形で、いろんな人からのいい意見を聞いて、適切にやってきたと思います。それを今この旧四建ドックに関しては、やはり駐車場ありきで考えが走ってきた。このことは、私は否めない事実であるというふうにもう一度考えて、この文化財を大切に保存していく。 そして、これは要するに、総務部長がおっしゃった、ここに遺構があったんだと、ここに旧四建ドックがあったんだと、それを看板で見せるからいいじゃないか、映像で見せるからいいじゃないか、その上に建てるからいいじゃないかと言うんですけれども、皆さん考えてみてください。 例えば、何かの文化財を見に行ったときに、写真だけでテレビだけで見て、それで、本当に肌で感じて、勉強になりますか。私はならないと思うんですよ。これは教育委員会に申し上げたいんですけれども、やはり、その中に入って、そのにおいを嗅いで、その肌に触れて、こんなに大きいものだということを触れる。これが学習じゃないですかね、本当の学習だと思いますよ。単なる写真で見る、テレビで見る、映像で見る、それだけじゃないんじゃないですか。目の前に今あるんだから、埋め立てなきゃそれが感じられるんです。 これはやはり、これから先の市民が、そこで勉強する学習権の侵害にもなると思うんですよ、私は。市によってそれが阻害されていくということにもなります。大事な文化財を肌で感じ、触ってみる。そういったことで、これを大事にしていかなくちゃいけない、後世に残さなくちゃいけない、という市民の意識を喚起するために、この件に関しては、どうかもう一度原点に立ち返って、よくお考えいただきたいということをお願いいたしまして、この件については終わります。よろしくお願いいたします。
○議長(関谷博君) 余り時間ないですよ。
◆田辺よし子君 ないですね。なくなってしまいました。残念です。言いたいことはいっぱいあった。延びないようにいたしますね。 若者に選ばれる下関像ということです。私は、この間もこの下関の人口減に対して、大変憂えております。人口がどんどん減っております。毎年2,000人減っております。そのうちの70%は、若者が減っております。お年寄りが死んでいくんじゃないんです。お年寄りは長生きしております。若者が減っていっております。7割が市外に出ていったまま帰ってこない。それは大学に行くのに市外に行く、でもその人たちが帰って来ない。 毎年毎年そうやって出ていっております。千四、五百人の若者が減っている。この若者にどうやったら下関に帰ってきてもらえるか、そういったことを私たちはよくよく考えなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思います。 この間、日本はこのアベノミクスがいいと言われていましたが、私はアベノミクスは失敗したと思っておりますが、このアベノミクスの失敗によって、大企業と中小零細企業、それから大都市と地方都市との格差はどんどん拡大しております。地方からの若者流出はとまりません。 そして、その若者の流出によって、地域の経済は疲弊し、まちの形態を変えています。つまり、高齢化が進行しておりまして、過疎地がどんどんふえていく。場合によっては限界集落も増加していくということになります。 若者がいなくなるということは、商店街は衰退します。商店街も衰退して、企業も撤退していきます。働く人がいないから、企業も撤退していく。稼働年齢のちゃんとした、例えば20歳代、30歳代、40歳代、そういう人たちがいないところには、企業も進出してきません。 その例は、今まで中国やベトナムやタイ、そういったところに日本の企業が、安い労働力を求めて進出していったことからもわかります。労働力のないところに企業は進出してきません。そういうふうなことを考えると、下関は高齢化がもう30%を超えました。その中の下関の中でも、豊北町なんていうのは、もう40%を超えているというような形で、やはり、どんどんどんどん過疎化が進んでいく。下関全体も過疎化になっていく、そういったこともあるかもしれない。 商店街も衰退する、企業も撤退する、それによって若者が減ると、結婚する年齢の人たちが減るということは、保育園もいらない、幼稚園もいらない、小学校も縮小する、中学校も高校も縮小するというようなことになっていくんです。今これはちゃんとやらないと、本当に下関には学校もちょっとしかなくなっていく、そういったことがあります。 それから、私は、今回、若者が下関を選んでくれるにはどうしたらいいかということも考えるに当たって、若者の生活実態が今どうなっているのかというようなことを調べたいと思います。 今、若者の間で、つまりは貧困層が多くなっている。ワーキングプアですね。働いても働いても低所得から抜け出せないというような形の若者がたくさんいます。それが、ここ何年かの間に、非正規雇用がふえたということがあります。非正規雇用の割合が、1.5ポイント、2016年では前年に対して1.5ポイント上昇して36.8%、36.8%の人たちが、正規雇用ではない人たちがたくさんいるということです。 その中で25歳から54歳の非正規雇用が、これは29.1%、3割は非正規雇用であるということですね。それから年収200万円以下のワーキングプア、これが、2014年で1,139万人いるということです。 それに対して、今度は中小企業は4万4,000社、全国で減っております。下関でも、企業をやめられた方、たくさんいます。そして、暮らしがかなりきつくなっているということは、エンゲル係数ということでわかると思うんですが、このエンゲル係数が、25.0%に今なっております。過去から比べると2ポイントぐらい上昇しているということです。25%の人たちは、エンゲル係数が高いという人たち。 それから、実質的な可処分所得ですね。つまり所得から、給料からいろいろな税金とかを引いた残り、実際に使えるお金が、やはり年間でいいますと40万しかない。つまり前年度からすると1万8,000円減っていると。 つまり、こういうふうな形で、所得格差というものが非常に大きくなる。それは、都会の人たちの所得と地方の人たちの所得を比べたら、そこに格差がある。だから、若い人たちは給料のいいところに行って、働くということになってきます。 そういうふうな形で、やはりその若者がこの下関からいなくなっていくということを考えていくんですが、1つの提案をしたいんですが、若者が下関に帰って来てくれる方法として、前回も提案しましたが、給付型の奨学金、これをぜひ、これから先も考えていただきたいと思うんですけれども、その件について1つだけお伺いします。やる気があるのか、ないのか。
◎教育部長(石津幸紀生君) 給付型の奨学金の検討をという御意見でございますけれども、国のほうでも、そういった制度を創設をしているというところでございまして、本市では無利子での奨学金制度、これも借りやすいように、今条例を一部改正等いたしまして取り組んでいるところでございます。 今の議員の御意見については、今後、国の動向等を見ながら市としても考えたいというところです。
◆田辺よし子君 国では給付型奨学金をやると選挙の前に言いましたが、結局今はやめておりますね。そういうようなことで、やはり、国の宝ですからね、子供たち、学生は。 やはり、教育が本当に公平に、みんなにいきわたるような形を考えないといけないというふうに思います。もちろん下関は税金も高いし、上下水道料金も高いし、いろいろ生活しにくいところはいっぱいあります。保険料も高いです。 だから、人が来ないかもしれないけれども、せめて出ていった子供たちが帰ってくるような方法を考えないといけないなというふうに思っております。この件については、3月にもう1回やります。終わります。
○議長(関谷博君) この際、暫時休憩をいたします。再開は13時といたします。────────────────────────────────────────
△休憩 -11時56分 休憩- -12時59分 再開-────────────────────────────────────────
△一般質問
○副議長(戸澤昭夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を継続いたします。9番、平田陽道議員。(拍手) 〔平田陽道君登壇〕
◆平田陽道君 公明党の平田でございます。通告に従いまして、質問させていただきます。 初めに教育についてですけれど、先日、新聞でも国際教育到達度評価学会が2015年の国際数学・理科教育動向調査の結果を発表いたしました。日本は、小中学生ともに全教科で平均得点が前回を上回り、過去最高となっております。順位も前回に続き、全て5位以内でございました。学習意欲も一定程度改善との見方がなされ、文部科学省は、授業時間や学ぶ知識量がふえた現行の学習指導要領の影響が大きいと分析しております。また、脱ゆとり教育のほか、少人数学級の実践といった学校現場の取り組みも功を奏したと見ております。 こうした状況は大変喜ばしいことではありますけれど、その陰で、家庭の経済状況などさまざまな要因で満足に学べない児童生徒も数多く存在しております。憲法26条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とありますけれど、こうした環境を整えるのは社会全体の責務だと思います。 厚生労働省の調査によると、全国の高校進学率は98.4%でした。生活保護世帯では89.8%になります。また、専門学校、短大、大学進学率になると、一般家庭は71%、児童養護施設の児童は21%、生活保護家庭は31%、母子家庭だと41%というデータがございます。児童生徒の学力に家庭状況等の社会経済的背景が影響を与えることはさまざまな調査で立証されておりますけれど、経済的援助を受ける家庭の児童生徒数は、平成7年度の16人に1人から、平成25年度には6人に1人と増加しております。 まず、本市の高校進学率、ここ3年くらいがわかればお示しください。
◎教育長(波佐間清君) 下関市内の高等学校への進学率についてのお尋ねでございます。 過去3年間の状況についてお伝えしますと、平成25年度が96.6%、平成26年度が96.3%、昨年27年度は97.4%となっています。5年前の平成23年度は94.5%であり、進学率は増加傾向にあります。以上です。
◆平田陽道君 ありがとうございました。その中で、生活保護受給世帯に限った進学率の数値がわかれば教えてください。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 生活保護受給者の高校等の進学率は、平成26年度が83.3%、27年度が85.0%でございます。
◆平田陽道君 ありがとうございました。家庭環境や経済状況は千差万別ですけれど、子供たちに責任はございません。これらが原因で学習の機会が奪われ、大きな格差が生じれば、その後の就労や社会生活全般に影響を及ぼしてまいります。こうした負の連鎖を断ち切るために、さまざまな形で学習環境を整備する必要があると思いますけれど、本市における生活困窮世帯の児童生徒に対する学習支援の取り組みがあれば、お示しください。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 生活困窮者自立支援事業の一環といたしまして、学習支援事業を実施いたしております。生活困窮世帯の中学生を対象に、学習会を開催しております。 事業は、NPO法人NESTに委託をしており、原則として週1回2時間程度、教員免許を有する学習支援員と学習支援ボランティア数名により、個別指導による授業を行っております。 平成27年度につきましては、支援対象者のうち、中学校3年生6名全員が高校に進学することができ、大きな効果があったものと評価をしております。なお、現在の支援対象者数は15名となっております。
◆平田陽道君 ありがとうございました。そのほかに、各学校とか地域での取り組みというのがあれば教えてください。
◎教育長(波佐間清君) 各学校や地域における学習支援の取り組みについて、お答えをいたします。 多くの学校で、現在、コミュニティ・スクールを活用した取り組みを行っております。 実施の方法につきましては、土日に実施をしている学校と長期休業中に集中的に取り組んでいる学校の大きく2つに分けることができます。 まず、土日における学習支援を行っている例といたしましては、川中中学校の「川中塾 いくら~ん」、これは学力向上教室、これがございます。これは、コミュニティ・スクールにおける学校運営協議会が主体となって、年間を通して、テスト期間中の土曜日に希望生徒を対象とした学習支援を行っているものであります。生徒はそれぞれの課題を持参し、わからないところや苦手なところがあれば学習支援ボランティアの方に支援をしていただくことで充実した学習が進んでおり、参加をした生徒からは「苦手な学習がよくわかるようになった」とか、「わからないところをすぐに質問できるので勉強がしやすい」などの声が上がっております。 また、長期休業中における学習支援につきましては、多くの小中学校で取り組んでおります。例えば、菊川中学校のサマースクールでは、校区内の小中学校の教職員が地域のボランティアの方々と一緒になって、小中学生の個別の学習支援を行っております。 このほか、多くの学校で当該校の教員だけではなく、校区の小中学校の教員が一緒に補充学習を行ったり、大学生や地域の方々の協力を得たりしながら、児童生徒一人一人の状況に応じた学習支援を行っているところであります。
◆平田陽道君 ありがとうございました。さまざまなことをしていただいているということで、逆にこうした支援を必要とする児童生徒は、まだまだ数多くいるのではないかと思います。周知啓発とともに、事業の拡大を検討していただきたいと思います。 北海道の岩見沢市では、シルバー人材センターへの委託事業として、10年以上前から教員OBによる補習塾を行っております。年間二百数十万円という比較的安い経費で子供の状況に応じて開催しており、参加率は他の自治体が平均15%なのに対し25%と高く、3から5人の少人数クラスによる指導で、参加者の学力も着実に向上しております。本市にも多くの教員OBの方がいらっしゃると思いますけれど、こうした方々の能力を活用した新たな学習支援事業を検討すべきだと思いますけれど、いかがでしょうか。
◎教育長(波佐間清君) 教員OBを活用した学習支援事業についてのお尋ねでございますが、各小中学校において先ほど御説明をいたしましたコミュニティ・スクールを活用し、さまざまな職種や御経歴をお持ちの学習支援ボランティアの方々を中心として、児童生徒の学力向上に向けた学習支援の取り組みを推進しているところであります。ボランティアの中には、教員OBの方々にも加わっていただいており、教職に携わっていた専門性を発揮し、児童生徒の学力向上に尽力をしていただいております。 今後とも教員OBはもとより、地域の方々と連携を図りながら、児童生徒の学習を支援してまいりたいと考えております。こういう教員OBの事業、これに対しては、またしっかりと研究をしてまいりたいと思っております。
◆平田陽道君 ありがとうございました。本人に学ぶ意欲があっても親や家庭に問題があれば、集中力が低下し、勉強だけでなく、日常生活にも影響し、最終的には自尊心や生きる力の喪失にもつながってまいります。こうした事例に的確に対応していくためには、今後、教育と福祉の強力なパートナーシップが重要になってくると思います。 大阪市の吹田市では、生活保護受給世帯の全日制高校への進学率が極端に低く、高校入学後も、経済状況などで勉強や学生生活に支障を来す生徒が多いことから、親の支援をも含めた家庭訪問型の学習支援事業を開始いたしました。教員経験者を子ども健全育成生活支援員として雇用し、勉強や進路指導、奨学金などの公的支援情報の提供を行うとともに、家庭の状況によっては、スクールソーシャルワーカーや福祉事務所の家庭相談員も同行し、親に対する養育支援なども行っております。 高知県の高知市でもスクールソーシャルワーカーとの連携を重視した健康福祉部と教育委員会共同の学習支援事業を実施しております。本年7月に文部科学省が公表した「次世代の学校指導体制の在り方について」最終まとめにも、「スクールソーシャルワーカーの職務等を法令上明確化し、配置を充実」、さらには「各学校に置くべき職として位置づけ、将来的に国庫負担の対象とすることも検討する必要がある」としております。学校と家庭をつなぐ役割を担う存在として、スクールソーシャルワーカーの活動は今後さらに重要度を増してくると思われますけれど、本市には、現在何人のスクールソーシャルワーカーが配置されていますでしょうか。
◎教育長(波佐間清君) スクールソーシャルワーカーの配置の人数についてのお尋ねでありますが、現在、本市では9人をスクールソーシャルワーカーとして登録をしており、校長の支援要請により教育委員会から学校等に派遣をしておるところであります。以上です。
◆平田陽道君 ありがとうございます。これはどのような方が任命を受けるのか。また、昨年の対応件数とその主な相談内容を教えてください。
◎教育長(波佐間清君) スクールソーシャルワーカーの任命と昨年度の対応についてのお尋ねでありますが、本市は社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、教員免許保持者、相談業務経験者等にスクールソーシャルワーカーを任命しております。 昨年度の対応の件数について申し上げますと、小学校10校、中学校9校、これの22ケースに対して230回、330時間の派遣を行いました。これらのケースの半数以上が問題の解消や事態の好転につながっております。 また、相談内容といたしましては、家庭環境や不登校、養育の悩みに関するものが多く、その中には保護者との面談の中で経済的支援の必要を把握し、福祉部と連携をした結果、高校進学につながったという例もございます。また、いじめに遭っている児童のケースで、学校の対応を学校以外の立場から説明をすることで、保護者の納得をいただき、合わせて保護者の養育不安を取り除くことで、児童の心のケアが行えたという例もございます。以上です。
◆平田陽道君 ありがとうございました。全国的にも、この相談件数というのは増加傾向にあるようでございます。2015年度現在では、全国にスクールソーシャルワーカーは2,247人いるそうでございますが、文部科学省は、2019年度までには全国の中学校区に1人を配置するという計画を立てております。本市でもふやしていくべきだと思いますけれど、今後の計画をお示しください。
◎教育長(波佐間清君) スクールソーシャルワーカーの今後の計画でございますが、教育委員会といたしましては、不登校や家庭環境への支援などのために積極的に派遣を進めてまいりたいと考えております。 効果的な活用をより進めるためには、まずは対象となるケースを早期に把握できる学校が本事業を十分に理解していることが大変重要になります。そこで、さまざまな研修会での事例紹介等のほかに、本年度は教職員がスクールソーシャルワーカーに直接相談をする学校相談会を開催し、派遣するケースをふやしてまいりました。加えて、教育委員会で把握をしている深刻なケースについても、教育委員会から学校側にスクールソーシャルワーカーの派遣を勧めるなど、ケースに応じた効果的な活用を努めてまいります。 今後、スクールソーシャルワーカーの需要がさらに高まることが予想されていることから、増員についても十分に検討してまいりたいと考えております。
◆平田陽道君 ありがとうございました。スクールソーシャルワーカーは、1906年、アメリカのニューヨーク市で活動が始まりました。当時多数の児童は、苛酷な条件のもとに労働を強いられ、教育の機会を奪われるという社会状況がありました。そうした劣悪な状況に対して、児童の労働を禁ずる法律や義務教育制度が整備されてきました。これらの動きを背景に、草創期のスクールソーシャルワーカーは子供たちが教育を受ける権利を保障し、支援する活動を展開し、福祉分野にも広がりを見せ、日本では、文部科学省が08年度から活用事業を導入、都道府県、政令市、中核市を対象に人件費の3分の1を補助しております。 先ほどありましたけれど、社会福祉士や精神保健福祉士等の資格を持ち、教育現場や福祉の現場である程度経験を積まれた方となると人材の発掘も大変だと思いますけれど、ぜひ増員していただき、できれば配置方をふやしていただいて、きめ細かい対応をしていただければと思います。 このスクールソーシャルワーカーの活動によって、児童虐待が早期に発見されたという例も数多くございます。また、生活保護世帯では、統計上、上の高校、大学への進学率が低く、自身の経験をうまく子供の世代に伝えていけないロールモデルの不在が多く見られるため、スクールソーシャルワーカーが親にかわって自身の進学の経験を伝えたり、アドバイスを行うこともあるようでございます。 先ほどの文部科学省のまとめでは、教員だけでなく、事務職員や心理、福祉の専門家が、学校運営や教育活動に参画したチームとしての学校を整備するという必要性にも言及しております。専門知識を持った方が、より一層、学校教育現場の支援のために自身の能力を生かすことができれば、児童生徒の成長にもつながっていくと思いますので、よろしくお願いいたします。 次なのですが、多様な学びの場の提供の一環として、現在、8都府県25市区で31校が開校している夜間中学がございます。 夜間中学は、親の虐待などによって、学齢にもかかわらず、居所不明となって学校に通えなかった方、戦後の混乱などで教育を受けるにも受けられなかった方、在留外国人、無国籍などの特別な事情で学校に就学させてもらえなかった方々の就学機会の確保に重要な役割を担っております。また、ほとんど学校に通えないまま、学校の教育的配慮により中学を卒業したという、いわゆる形式卒業者の学び直しの機会の提供にもなっております。この春には全国で45人の形式卒業者の方が夜間中学に入学されております。 本市にも多くの対象者の方がおり、夜間中学を設置するニーズというのは確実に存在するものと思われます。文部科学大臣も、各都道府県に少なくとも1つの夜間中学の設置を目指すという方針を述べております。今後、設置に向けた検討をすべきだと思いますけれど、いかがでしょうか。
◎教育長(波佐間清君) 夜間中学校の設置についてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましても、公立の中学校夜間学級やいわゆる自主夜間学校の夜間中学校の取り組みについて情報収集を行っているところであります。 公立の中学校で夜の時間帯に授業が行われる学級、いわゆる公立夜間中学についてでございますが、1週間に5日間、3年間の通学で、教員免許を持った教員を配置をして昼間の学校と同じように学習を行うものであります。 また、いわゆる自主夜間中学については、市民のボランティア等の有志が中心となって、社会教育施設などで自主的に運営しているものもあると認識をしております。 これらの取り組みは、学齢期にさまざまな事情により義務教育を十分に受けることができなかった方々に学習の機会を提供するものであり、大変意義あるものと捉えています。 公立の中学校夜間学級は、平田議員も先ほど説明をされましたが、現在、8都府県に31校が設置をされており、文部科学省では、都道府県には1校は公立の中学校夜間学級が設置できるよう、促進をしているところであります。設置に向けましては、教員配置との関連等、県教委と連携をして考えていく必要がございますので、下関市教育委員会といたしましては、今後の文部科学省及び県教育委員会の動向を注視してまいりたいと考えているところであります。
◆平田陽道君 ありがとうございました。隣の北九州市とか福岡市などでは、自主夜間中学が開校されておりますし、本市でもこうした取り組みを、今後、また見つかればできる限り活動状況を把握していただいて、可能な限り支援していただきたいと思います。 先日、教育機会確保法が可決、成立いたしました。その中で、夜間中学についても触れられておりました。就学を希望する人への機会の提供、各地の設置促進などが規定されております。教育政策の拡充は市の将来の投資と考え、可能な限り数多くの学びの場の提供をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、視覚障害について質問をいたします。人間が情報を得る8割以上は、視覚からと言われております。視力の低下は、日常生活の全般に大きく影響を及ぼしてまいります。生まれながらに視力に障害をお持ちの方もいらっしゃいます。また、高齢化の進展に伴い、目の病気や合併症による失明、弱視なども増加しております。また、若者や子供たちの視力もゲームやスマホなどの影響で、低下の一途をたどっております。全国には障害者手帳をお持ちの視覚障害者の方は31万人、視覚障害児は4,900人と言われております。その中で、41歳からの中途失明者は約半数ということで、生活、仕事等で大変な御苦労をされております。現在、本市に障害者手帳をお持ちの視覚障害者の方は何人いらっしゃいますでしょうか。できれば、年齢構成も教えていただきたいと思います。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 平成28年11月1日現在、下関では視覚障害者の身体障害者手帳所持者は1,042名となっております。年齢別の内訳は、18歳未満が10名、18歳以上65歳未満が242名、65歳以上が790名となっております。
◆平田陽道君 ありがとうございました。手帳をお持ちでなくても、日常生活に不便を感じている方、普通に読書をするのも大変だと思われている方も数多くいらっしゃると思います。そうした方々の暮らしを守る手段として、日常生活用具が各自治体で幾つか明記されております。視覚障害者の方を対象にした給付種目は幾つあるでしょうか。また最近、追加された用具があれば教えてください。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 現在、本市が日用生活用具の給付対象としている種目は45種目あり、うち視覚障害者を対象とした種目は15種目となっております。平成27年4月に地上波デジタル放送のテレビ音声を受信できる地上デジタル放送対応ラジオ等を対象種目として追加をいたしました。
◆平田陽道君 自分も見させていただきましたけれど、大切な種目ばかりではありますけれど、視覚障害者の方も着実に高齢化が進んでおります。 健康維持という観点から、音声血圧計と外出の際の安全な歩行のための体感距離計、この器具が必要ではないかと思いますけれど、ちょっと説明をさせていただきます。 音声案内機能つきのデジタル血圧計は、最高血圧、最低血圧、脈拍、WHO区分に基づいた血圧の状態とともに、90回分の測定結果を記録して音声で読み上げます。また、体感距離計は、超音波を使った歩行などの動作判断の補助具でございます。大きさは手のひらに入るほどで、空中の杖として物体を探索できます。機械を振り向けた方向に物体がある場合には、内蔵の電磁コイルとバネが作動し、はっきりとした振動でその存在を手のひらに伝えます。歩行の際には、振動を感じた方向を避けて歩くということです。本年8月、東京メトロ銀座線、青山一丁目駅で、ホームの柱を避けようとして視覚障害者の方がホームから転落した事故がございました。外出時の危険を回避する用具というのは、とても重要だと思います。 また、日常生活に不可欠な紙幣なのですけれど、紙幣の種類を確認するという場合、日本のお札には視覚障害者の方でも識別できるように過度にざらつきを持たせたマークをつけるなどの工夫がされております。しかし、特に後天的な視覚障害者にとっては、指先だけでは識別が難しく、間違えることもあるため、紙幣識別機というのを要望したいという声が多く上がっております。千円、二千円、五千円、一万円の紙幣識別を行い、音声ブザー、振動で知らせるということです。先ほどの65歳以上の視覚障害者の方が790人との報告がございました。全体の75%に上りますので、これらを日常生活用具として新たに登録していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 本市では、ポータブル紙幣読み取り機、音声血圧計、電子式歩行補助具の体感距離計につきましては、現在のところ給付の対象としてはおりません。日常生活用具の給付の対象種目につきましては、県内他市の状況を研究しているところでございます。 ポータブル紙幣読み取り機につきましては、現在給付の対象としている音声コードに記録された文字情報を音声化する活字文書読上装置と同等の取り扱いにできないかを現在検討しているところでございます。 音声血圧計と電子式歩行補助具につきましては、今後も継続して研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆平田陽道君 ありがとうございます。ぜひ、検討をお願いいたします。 続きまして、日常生活用具にも関連してまいりますけれど、大活字本について質問いたします。視力が低下しても、読書を続けたいという方は数多くいらっしゃいます。日本眼科医会の推計によると、高齢や弱視などで読書や読み書きに困っている人は164万人を超すと言われております。先ほどの日常生活用具にも拡大読書器が登録されておりますけれど、目に負担を感じる方というのもいらっしゃるようでございます。 大活字本は通常の本の文字サイズが3.3ミリから5ミリなのに対して、2倍ほど大きく、中には、読みやすいように、黒色の背景に白い文字で印刷した本もございます。通常本なら1冊で済む書籍が2から3冊に分量がふえ、値段も1冊2,000円程度と割高でございます。出版業の調査機関、出版科学研究所によると、国内ではタイトルベースで年間4万冊以上の書籍が発行されておりますけれど、そのうち大活字本は約60点にとどまるそうです。2014年5月、厚生労働省は、日常生活用具の対象品目の参考例に大活字図書や音声と画像で読書ができるデジタル録音図書、デイジー図書、これを大活字図書とともに明記いたしました。 本市でも、より多くの方が安心して読書ができる環境整備の一環として大活字本を日常生活用具に登録していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 本市の日常生活用具給付事業におきます視覚障害者用図書の給付につきましては、現在のところ、主として情報の入手を点字によって得ている視覚障害者、視覚障害児の方に対する点字図書のみとしております。 日常生活用具の情報・意思疎通支援用具の給付につきましては、先ほど申し上げた活字文字読上装置や文字等を簡単に拡大してモニターに映す拡大読書機、デイジー図書――いわゆる電子録音図書――の再生のためのポータブルレコーダーなどがございます。 大活字本は、低視力の方から高齢者まで対象者が幅広く、また用具等を介さず、手軽に読書ができるという利点はございますが、点字図書のように大活字本の利用者が主たる情報源として利用している視覚障害者だけに限定されないことから、現在のところ、給付の対象としてはおりません。大活字本につきましても、今後、県内他市の状況について研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆平田陽道君 昨年の8月には、東京都江戸川区で全国で初めて、日常生活用具給付等事業の一覧に弱視者向けの大活字本を明記いたしました。同事業は、障害者手帳持っていれば1割負担で用具を購入でき、大活字本では1人当たり年間最大6万円まで補助されます。千代田区でも事業を開始し、今後も利用はふえる見通しとのことです。 本市の図書館には、大活字本のコーナーが設置されておりますけれど、出版する数や種類が少ないこともあって、読みたい本が置いていないという場合もございますので、ぜひ、給付事業の対象に明記していただきたいと思います。また、その図書館の大活字本ですけれど、現在の設置状況、また最近の購入状況を教えてください。
◎教育長(波佐間清君) まず最初に、今お示しの大活字本でありますが、議長の許可を得てお示しをいたします。 〔大活字本を提示〕
◎教育長(波佐間清君) 今、手元にあるこの本が大活字本の見本でございますが、中を開きますとこんなふうに活字が大変大きくなっております。こういう本のサイズは同じですが、活字が大きくなっておりまして、こういうものが備えつけてあります。もう1つ、ちょっと大きさが大きいのですが、字が先ほどのほど大きくはないのですが、多少大きな字で、こういう形で大活字本が示してございます。こういうものを大活字本と申します。 さて、行間や文字間を調整した大きな活字で印刷をした大活字本につきましては、本市図書館全体で3,088冊を保有しております。その内訳といたしましては、中央図書館が1,222冊、彦島図書館が759冊、豊浦図書館が451冊、長府図書館が292冊、豊田図書館が128冊、菊川図書館が126冊、豊北図書室が110冊でございます。 なお、全ての館におきまして、閲覧エリアに大活字本コーナーを設置して、利用者の方々が直接手にとれるようにしているところであります。
◆平田陽道君 ありがとうございました。聞くところによると寄贈が多いようでございますので、ぜひ、購入冊数もふやしていただきたいと思うのですが、今後の計画があればお示しください。
◎教育長(波佐間清君) 現在、中央図書館では、下関ライオンズクラブ様から昭和47年以来、毎年大活字本を御寄贈いただいており、所蔵大活字本のほとんどが寄贈によるものであります。その他の地域館におきましては、図書購入費により購入をしております。 大活字本には、一般の書籍と比べて大きくなっておりますので場所をとること、また価格が割高だといった課題もありますが、今後、利用者のニーズも勘案して購入をしっかりと検討してまいりたいと考えております。
◆平田陽道君 ありがとうございます。文化庁の平成25年度、国語に関する世論調査では、16歳以上の男女で1カ月に1冊も本を読まないと回答した人は47.5%、読まない人の割合が最も多かったのが70歳以上で、60歳以上がそれに続いております。読まない理由で最も多かったのが、視力など健康上の理由でございます。大活字本をさらに充実させ、広く周知していただきたいと思います。 また、先ほど、本市には18歳以下の視覚障害者の方が10人とありましたけれど、児童書などもふやしていただきたいと思います。2005年に制定された文字・活字文化振興法の基本理念は、「文字・活字文化の振興に関する施策の推進は、すべての国民が、その自主性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、学校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備することを旨として、行われなければならない」とあります。市民の皆様がいつまでも読書に親しめる環境をあらゆる形で保障していただきたいと思います。 続きまして、点字ブロックについてです。点字ブロックの正式名称は視覚障害者誘導用ブロックで、1967年を岡山県の盲学校の近くの交差点に敷設されたのが始まりです。日本で始まり、現在、世界150カ国以上に広がっております。点字ブロックには2種類あり、進行方向を示す線上の誘導ブロックと、危険な場所や交差する場など何かを知らせるための警告ブロックがございます。この点字ブロック上に、違法駐車の車や放置自転車、障害物などが置かれていることで、けがをしたり白杖が壊れるなどの被害が全国で後を絶たないようでございます。先ほどの東京の地下鉄駅におけるホームからの転落事故も、設計上の問題ではありますけれど、点字ブロックの一部に柱がかかる形で立っていたため、避けようとしての事故でした。本市では、点字ブロックにおける事故の事例はございますでしょうか。
◎建設部長(岡田伸昭君) 議員御案内のとおり、視覚障害者誘導用ブロックは、いわゆる点字ブロックのことですが、視覚障害者の方に対する誘導、または段差等への警告、もしくは注意喚起を行うために路面に設置されるブロックでございまして、視覚障害者の方が安全かつ円滑に歩行できるよう誘導することを目的に設置されるものでございます。 具体的に視覚障害者の方は、点字ブロックを直接足で踏むことや白い杖で触れることにより認識されますが、弱者の方は点字ブロックと路面との色のコントラストにより認識される場合もあり、点字ブロックは視覚障害者の方が円滑に移動していただくためにはなくてはならない施設でございます。 事故についての御質問でございますが、市道に設置している点字ブロック上に物や自転車などが置かれて、通行の支障になっているなどの市民からの通報については年に二、三件程度ございますが、点字ブロック上に物や自転車などが置いてあることによる事故はここ数年発生しておりません。
◆平田陽道君 ありがとうございました。これは道路管理者として、点字ブロック上の障害物や自転車に対して、どのような対策が可能なのか、お示しください。
◎建設部長(岡田伸昭君) 視覚障害者の方が安全かつ円滑に歩道を通行していただくために、道路のパトロールや市民からの通報などで点字ブロック上に物や自転車などの放置が確認された場合は、放置物を調査して撤去するよう指導してまいります。
◆平田陽道君 こうしたことは、定期的な啓発がなければ無意識に行ってしまうことがあると思いますので、人権教育などの一環として、小中学校や高校、また自治会の会合などで周知を行う機会というのも設けていただければと思います。また、市報での呼びかけなども効果的だと思いますけれど、いかがでしょうか。
◎建設部長(岡田伸昭君) 議員御要望の市報での呼びかけにつきましては、道路課では毎年8月に道路ふれあい月間と8月10日の道の日にあわせまして、市報とホームページを使いまして、「道路は皆様のもので道をきれいに使いましょう」や「道路に物を置いたりするのはやめましょう」などのお願い文を掲載しているところでございます。次回の掲載には、その中に点字ブロックの一文も加えることを検討させていただきます。
◆平田陽道君 ありがとうございました。点字ブロックも時がたったら、道路とともに補修すべき箇所も出てくると思いますので、点検のほうもしっかりしていただいて、全ての方が安心して歩けるまちを目指していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)────────────────────────────────────────
○副議長(戸澤昭夫君) 10番、山下隆夫議員。(拍手) 〔山下隆夫君登壇〕
◆山下隆夫君 市民連合の山下隆夫です。 まず、住民自治によるまちづくりと地域内分権の推進について質問をいたします。質問に当たりまして、まず、住民自治によるまちづくりを推進するための組織として設立されております、
まちづくり協議会と地域内分権の関連性について整理をしておきたいと思います。 住民自治によるまちづくりは、平成25年8月に策定をいたしました「下関市における地域内分権の推進方向」の中で掲げられたものでありまして、
まちづくり協議会はそれを実践するための組織でありますから、本市における地域内分権の受け皿の1つの組織と理解しておりますけれども、その理解で間違いないでしょうか、お伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) それではお答えいたします。本市が進めております地域内分権とは、議員御案内の「下関市における地域内分権の推進方向」の中でもお示ししていますように、「行政内分権」と「住民自治による地域分権」の2つの手法がございます。 この中の地域に関する住民自治による地域分権を推進していく上において、
まちづくり協議会とは行政と協働しながら、地域課題の解決や地域活性化に取り組むための組織であり、市が認定した組織でもありますので、議員御質問のとおり、本市の地域内分権を進める上での受け皿の1つとして考えております。
◆山下隆夫君 次に、「下関市における地域内分権の推進方向」の中で、住民自治による地域分権とは、一定区域内で生活をする地域住民が、まちづくり組織をつくり、行政と対等な立場で協力をしながら、地域課題の解決や地域活性化に主体的に取り組む仕組みであると定義をしております。しかし、市民からは地域の課題を住民みずからが主体的に解決するという部分ではよく理解できても、「地域内分権」という部分についてはよく理解できないと質問をされます。先月行いました市民と議会のつどいにおきましても、参加された市民の方から住民自治によるまちづくりを推進しているけれども、地域内分権と言える内容になっていないのでは、という御指摘もありました。そこで、住民自治による地域内分権の概念について、いま一度整理しておきたいと思います。 まず、自治と分権に分けて整理してみますと、自治とは自分たちに関することをみずからの責任において処理をするということであります。具体例としては、住民みずからが会費を納めて運営をする自治会などがそれに該当すると思います。次に、分権とは、権力を1カ所に集中しないで分けるという意味であります。住民自治による地域内分権、これを数式としてあらわせば、自治プラス分権、イコール地域内分権という構図になると思いますけれども、その解釈で認識が共有できるかお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 本市が進めております地域内分権、これにつきましては議員も御承知のとおり、行政内分権と住民自治による地域分権がございます。これらを総称しまして地域内分権として取り組んでいるところでございます。 議員が御質問の、地域における分権につきましては、その地区における地域課題の解決や地域活性化に取り組む方策を
まちづくり協議会みずからが見出し、そして決定する、さらには、その方策に対し取り組もうとする活動に対して、予算の範囲内で協議会みずからがどのように予算を配分していくかを決定し、取り組んでいくことができるものとして、地域における分権として考えております。
◆山下隆夫君 今の説明であれば、地域内分権と言いますけれども、ある意味では今まで行っていた、住民自治という範囲でのその活動をサポートしていくという理解しかできないのです。 よくわからないのが、地域内分権と言っていますから、その組織にどのような分権がされているのかということが問題になるわけであります。先ほど言いましたように、自治とは自分たちで自分たちのことを解決するために、自分たちが会費を納めてやるのが自治だろうと。分権とは、権力を分けることが分権ですから、今の説明の中では、その分権というところがよく見えないわけであります。また後ほど、その部分については議論をしたいと思います。 次に、
まちづくり協議会が地域内分権を推進していくための受け皿の1つとして、今機能しているかどうかを確認していきたいというふうに思います。現在、
まちづくり協議会で取り組まれております特徴的な活動をお示しください。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) お答えします。
まちづくり協議会の活動状況についてという御質問でございます。 このことにつきましては、各地区の特性を生かし、地域の課題解決や地域活性化に向けた活動が積極的に行われているところでございます。その中で、ここ最近行われた活動について御紹介させていただきます。まず初めに、豊北地区におきましてはまちづくりについての問題点、課題を共通認識するための基調講演とパネルディスカッションを内容とした豊北地区まちづくりシンポジウムの開催、そして西部地区におきましては閉校となる小学校を会場にした地域のきずなを深めるための西部地区まちづくりフェスティバルの開催、それから長府東部地区におきましては子育て世代を対象にした子育てをテーマとした長府東地区まち協らくごの開催。そのほかの地区におきましても、高齢社会を反映しました困っている人に声をかけよう運動をテーマにしたもの、徘徊者声かけ模擬訓練、認知症の人への理解を深める講演会、そのほか安全・安心な社会を目指して防犯講習会や防災避難訓練なども行われている状況でございます。今後、ますます地域の特性を生かした活動に期待を寄せているところでございます。以上です。
◆山下隆夫君 ただいま、
まちづくり協議会の活動の現状をお伺いいたしました。 聞く限りでは、これまでもそれぞれの地域が工夫をされて取り組まれていたような内容が主だったのではないかなというふうに思います。そういった意味では、現状では地域内分権の受け皿として、その役割が十分に果たせているかと言えば、まだそこまでには至っていないというのが実感であります。そうはいっても、まだ立ち上がったばかりですから、すぐに理想どおりに事は進まないとは思います。まずは今、心合わせの段階だと推察をいたしますけれども、
まちづくり協議会を住民自治による地域内分権の仕組みとして機能させるためには、私はさらなる住民の理解と積極的な参加が肝要だと思っております。
まちづくり協議会に対する市民の認知度について、市は現状どのように捉えておられるのかお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君)
まちづくり協議会の認知度につきましてということですが、昨日勝山地区におきまして設立総会が開催され、市内全地区に
まちづくり協議会が立ち上がったところですが、市内全体の各地区の活動状況につきましては、まだまだ十分でないと考えております。 具体的には、この取り組みの1つの目標指針としております市民実感調査での住民自治によるまちづくりの取り組みが進んできたかと感じる市民の割合、このことについて昨年2月の割合は14.45%、本年2月、この時点におきましても14.64%で、微増はしているものの地域住民への認知度は不十分であると認識しているところでございます。以上です。
◆山下隆夫君 今月6日に行われました総務委員会の報告事項の中に、住民自治によるまちづくりの項目がありました。ある市民の方が傍聴に来られておりましたけれども、その方は、住民自治によるまちづくりがどのようなものか、どのような活動をするのかよくわからないから傍聴に来たとおっしゃっておりました。多くの市民の方は、まだまだ住民自治によるまちづくりが目指す方向性について、十分理解できていないというのが現状ではないかと思います。 まず、今、御紹介がありましたけれども、昨日の勝山地区の設立によりまして、全ての地区で
まちづくり協議会が設立をされましたので、それぞれの地区協議会が知恵を絞って、地域住民に伝えていくということが基本になるとは思いますけれども、一方で、この施策は、市民と市がパートナーとなって取り組む施策でもあります。そういう意味では、行政側としても一定の役割を果たさなくてはならないのではないかと思っております。
まちづくり協議会に対する市民の理解度の現状を踏まえて、この状況を変えていくために市として今後どのような取り組みを考えてるのかお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 取り組み活動の認知度ということでございますが、まず、地域と市、それぞれの役割が重要であると考えております。このことから、設立された全ての
まちづくり協議会におきまして条例施行規則にも示しておりますように、地区の課題、情報などを共有するための広報に関する活動ということで、各地区におきまして、広報紙の発行に取り組んでいただいているところでございます。 また、市といたしましても、今年度も特集号として、2月1日号において、
まちづくり協議会の活動を含んだ住民自治によるまちづくりの認知度を高めるための広報を計画しております。 2点目に、ホームページについてでございます。このことにつきましては、現在、6地区の
まちづくり協議会におきまして、独自のホームページを開設して、地域住民との情報共有に努めているところでございます。市におきましても、各地区
まちづくり協議会の活動状況を市ホームページに掲載し、広く市民に情報提供をしているところでございます。 3点目、さらに各地区におきましては、さまざまな行事やイベントを開催、または共催する中で認知度を図る取り組みをされています。市といたしましても、昨年に引き続き住民自治によるまちづくりシンポジウムを来年2月5日、日曜日におきまして海峡メッセイベントホールにて開催し、住民自治によるまちづくりを促進するとともに、認知度を図りたいと考えております。今後におきましても、実態を踏まえながら認知度を高める取り組みを各地区で促進されるよう支援するとともに、市といたしましても同様に認知度を高め、住民参加が促進されるように取り組んでいきたいと、このように考えております。以上です。
◆山下隆夫君
まちづくり協議会の認知度と住民参加を促進するために、各地区の
まちづくり協議会の活動事例を市報で毎月紹介したらどうかということを、委員会や会派要望で提言しておりますけれども、その実現可能性についてお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 議員から御提案をいただきました御意見につきましては、非常に有効な手段と考えております。市といたしましても、
まちづくり協議会の活動状況を御紹介することは、住民自治によるまちづくりを促進する上で非常に有効であることから、関係課とは既に協議をしており、まちづくりコーナーなどを設けるなどして、定期的なまちづくり活動の情報発信に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山下隆夫君 よろしくお願いいたします。 次に、
まちづくり協議会の課題についてお伺いをいたします。
まちづくり協議会の活動を活性化させて、住民自治による地域内分権の仕組みとするためには、その中核となる事務局長が果たす役割はとても重要だと思っています。しかし、現状の運営事業費では、事務員の雇用に要する費用が算定をされておりますけれども、常勤雇用ができる予算額ではありません。そのことから、協議会の重責を担っております事務局長は、ボランティアでの活動を余儀なくされているのが現状であります。
まちづくり協議会が自分や自分たちに関することをみずからの責任において処理するだけの自治組織であるのならば仕方がないのかもしれませんけれども、地域内分権の受け皿の1つのツールとして、市の方針に基づいて組織されているわけでありますから、活動の中核を担う事務局長が専任として活動できる体制を保障するのは当然のことだと思っています。 先日、香川議員も同様の質問をされましたけれども、「実態に応じて適切に支援してまいりたいと考えている」という旨の答弁でありました。今後の予算措置に当たりましては、事務局長のこうした職責、職務を考慮した予算措置とすべきと私は考えますけれども、改めて見解をお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 議員の言われるように、大変重要な事項と市といたしましても承知しております。 先般10月に
まちづくり協議会の情報共有、情報交換を図るために、市長と各地区代表者との意見交換会であります「
まちづくり協議会ネットワーク会議」を、第1回目ということで開催をしたところでございますが、そのときにもございましたが、議員から御提案いただきましたものと同様の御意見をいただいているところであります。事務局の事務を適正に遂行できるよう、来年度に向けまして検討をしているところでございます。以上でございます。
◆山下隆夫君 ぜひ検討されて、実現をしていただきたいというふうに思います。 次に、
まちづくり協議会を地域内分権の受け皿として機能させるためには、活動事業費の大幅な増額も私は必要だと思っております。 長野県の上田市では地域住民への分権について、次のように整理をしております。「一定の区域内で住民がまちづくり組織をつくり、行政と連携協力して、地域課題の解決や地域活性化に主体的に取り組む住民自治の仕組みを、市民協働で推進する組織である。まちづくり組織には、市が持っている権限である、事業の計画、決定、実行、予算執行の一部を地域の裁量に委ねる」と、まちづくり組織に何を分権するかということを明確にしております。 住民自治による地域内分権とは、住民に予算を含む市の権限の一部を移譲して初めて成立するシステムであると私は思っております。本市の
まちづくり協議会の活動は、先ほども申しましたけれども、自治の範疇にとどまっているのが現状ではないでしょうか。それはなぜかというと、1つには予算の裏づけが薄いからであります。
まちづくり協議会を地域内分権の受け皿の1つとして機能させるためには、活動事業費の大幅な増額も必要だと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 現在、
まちづくり協議会への補助金交付につきましては、運営費補助金と活動支援補助金の2つの補助金がございます。そのうち、
まちづくり協議会への活動支援補助金につきましては、1地区平均で180万円を交付しているところでございます。
まちづくり協議会の今後の事業計画を推進する上では、補助金の増額につきましても
まちづくり協議会及び市議会からも御要望をたくさんいただいていることから、今後ともその実態に応じて適切に支援してまいりたいと考えていきたいと思っております。
◆山下隆夫君 これについても適切に対応していただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。 予算が例えば拡充されたといたしましても、その予算執行に制約があってはまた十分な活動もできないと思います。
まちづくり協議会ネットワーク会議におきましても、その使途の拡大をという意見が出されております。私が
まちづくり協議会の活動に参加をして感じましたことは、予算の使途に制約があり過ぎるということであります。これにつきましては、先日の総務委員会で、次年度からは制限を緩和した一定程度の自由裁量を持つことができる交付金として交付をしたいという方針が示されております。具体的運用については、現在検討中とのことでありますけれども、自由闊達な活動が可能となるよう、制限は必要最小限にとどめていただきたいというふうに思っています。 それともう1つ、交付金の運用のあり方について意見を述べさせていただきます。下関市住民自治によるまちづくりの推進に関する条例第6条では、協議会の役割の中にまちづくり計画の立案をすることが規定をされております。まちづくり計画とは、住民自治によるまちづくりを計画的に実施するために、
まちづくり協議会が策定をする方針及び中長期的な事業計画であると条例の第2条で定義をされております。中長期的視点でまちづくりに取り組む課題につきまして、単年度では成果を出すことができないものについて、交付金の一部を基金として積み立てることを認めている自治体がありますけれども、本市でも、このような運用を認めてもいいのではないかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 議員お尋ねの基金の積み立てということでございますけれど、現段階におきましては市からの交付金の積み立てにつきましては考えてはおりませんが、しかし将来的には、
まちづくり協議会の活動が活発となり、中長期的な地区のまちづくり計画、これを策定し、計画的に事業が推進されるような状況になった場合は、積立金も必要となってくることも考えられますので、実態に応じて研究をしてまいりたいと、このように考えております。
◆山下隆夫君 研究はいいのですけれども、検討もしていただきたいと。大体研究するというのは、やらないということだろうと思っておりますから、研究ではなくて、しっかりと勉強して検討したいというふうに考えを改めていただければと思います。 次に、租税についてお伺いをいたします。
まちづくり協議会で、例えば、オレンジカフェや子ども食堂などの活動を行った場合に、実施内容によっては収益事業とみなされて、法人税が課税をされる可能性があると先日お聞きをいたしました。
まちづくり協議会は、市と市民がまちづくりのパートナーとなって、補完性の原理に基づいて、役割分担を行いながら、社会環境の変化にも柔軟に対応できる仕組みを構築するために行政指導で進められている施策であります。 オレンジカフェや子ども食堂などの事業を、例えば行政が行ったとしたら、多分課税対象にはならないのではないかと思います。しかし、
まちづくり協議会で行えば課税対象になるということであれば、本末転倒な話ではないかと思います。その対策として、市長において必要があると認められた場合に、法人市民税均等割が減免される制度を適用するなどの抜本的な対策を講じる必要があると考えますけれども、見解をお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 現在、議員御案内のようなオレンジカフェや子ども食堂の検討を既に始めておられる
まちづくり協議会も存在しております。
まちづくり協議会は、税法上、「人格なき社団」などとされておりまして、収益事業を営む場合は法人税が課税されるものと考えております。オレンジカフェや子ども食堂の取り組みにおきまして、補助金以外の会費や利用料が存在する場合、収益事業として扱われるかどうか、そのほかに方法がないか、専門的な検討が必要となります。 このことを含め、10月より市の事業として税理士相談業務といたしまして各地区へ税理士をサポート職員とともに派遣し、相談を受ける体制を開始したところでございます。関係機関を含め、適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。以上です。
◆山下隆夫君 先ほども言いましたように、これまで地域で独自に――ある意味では税理士に聞いたら、烏合の集団であれば法人税の対象にならないということでありました。これまで法人税がかからなかったものを、
まちづくり協議会にシフトしたり、よそでいいことをやっているから、
まちづくり協議会で取り組もうと思った場合に、そういう状況になれば、ちょっとやはりおかしいのではないかなと思いますので、どうにか法人税の課税対象とならないように、しっかり勉強して税務署と対応していただきたいというふうに思います。 最後に、地域内分権のさらなる推進についてお伺いをしたいと思います。先ほど、上田市の地域内分権に対する定義を紹介いたしました。行政との役割分担のもと、市が持っている権限の一部を
まちづくり協議会に移譲し、住民の主体的な取り組みを推進する仕組みであるということにつきましては、本市においても基本的な考え方は同じだと思います。 住民自治によるまちづくりの取り組みの現状は、住民自治による地域内分権を推進するための現在準備段階だと私は思っております。地域内分権のさらなる推進に向けて、今後どのような形で権限移譲を図っていかれるのか。住民自治によるまちづくりの将来構想をお伺いいたします。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 昨日の勝山地区
まちづくり協議会設立総会開催に伴いまして、市内の17地区全てにおきまして
まちづくり協議会が設立されたことになりましたが、菊川地区のように昨年9月に協議会を既に立ち上げ、活動を開始した地区もあれば、今年度に協議会が立ち上がった地区もあり、設立時期や活動状況もさまざまでございます。 現時点におきましては、
まちづくり協議会のPRや参加者をふやすための取り組みを含め、一層の地域力を高める取り組みに重点を置いていただきたい時期であると考えております。しかし、権限移譲につきましては、地域の活性化を図る上で将来構想として検討していくことは必要であると考えております。
◆山下隆夫君 検討することが必要であると考えておりますという答弁でありましたけれども、住民自治による地域内分権と言っているわけですから、「検討が必要」ではない、「検討しなければいけない」と思うので、そこのところの認識は改めていただきたいというふうに思います。 住民自治によるまちづくり推進計画の中で、住民自治によるまちづくりの必要性を述べておりますように、
まちづくり協議会を補完性の原理に基づいた住民自治による地域内分権のための組織へと導いていくためには、補完性の原理にのっとって、本庁から出先機関へのさらなる権限移譲が私は必要だと思います。具体的には総合支所だけではなく、旧下関市の支所へのさらなる権限移譲を考えるべきだと考えています。まずはその第一歩として、サポート職員を旧下関市の支所や総合支所に配置すべきではないかと思います。これにつきましても、先日、香川議員が質問をされております。「
まちづくり協議会の活動が今後活発化すれば、研究する必要があると考えている。今後の各地区の活動状況を勘案しながら、実態に応じて対応していきたい」旨の答弁がございましたけれども、
まちづくり協議会ネットワーク会議におきましても、総合支所に
まちづくり協議会専用窓口の設置や専門職員の配置が必要だという意見が地区の協議会から出されております。これまで地域で活動してきた経験則に基づいての要望、意見だと私は思っております。
まちづくり協議会が条例で定める、その役割をしっかり果たすためにも、課題がある現場に市とのパイプ役であるサポート職員を配置すべきだと私も思います。改めて見解を求めます。
◎
まちづくり推進部長(川上勝君) 先ほど、答弁でも御紹介いたしましたが、10月に市長と各地区代表者の
まちづくり協議会ネットワーク会議を開催し、意見をいただいたところでございます。 議員から御質問いただきました件につきましては、その折に4総合支所地域の中の2地区の協議会から御意見をいただいております。御質問のサポート職員の総合支所、支所への配置、または専用窓口の設置につきましては、これまではまちづくりに関する情報共有や仕組み、取り組みにつきまして共通認識が図れるよう、本庁内に地域サポート室を設置し、配置しているところですけれど、地域に身近な場所で効率的な支援を行うことや、地域特性を十分把握し、効果的なサポートをしていくために、サポート職員の地域への支援のあり方についてもあわせて庁内関係部局とも協議しながら研究してまいりたいと考えております。 なお、まちづくりを進める上におきまして、12支所、総合支所と連携することが、情報を共有することに関しましては、これまでも連携、情報共有を図ってきたところでございますが、今後とも連携強化を図りながら、情報共有に努めてまいりたいとこのように考えております。
◆山下隆夫君 先ほど、活動をこれからも活発化させていきたいという、まず活発化をすることが第一であるというようなお話もありましたけれども、活動を活発化させるためには、サポート職員を現場に張りつけることが重要だと思っております。そのことによって、活動がさらに活発になっていくのだろうと思います。現状であれば、ある意味ボランティア活動的なものになってしまいますから、なかなか決定することについても時間がかかってしまったり、時間がかかることについて問題があるわけではないと思いますし、時間をかけてじっくり協議することも必要だと思いますけれども、さらに活動を活発化させていこうと思えば、現場にサポート職員を配置することが、私は本当にベストだと思っておりますので、配置をするという前提で検討していただきたいと思います。 住民自治によるまちづくりが、補完性の原理にのっとったまちづくりのパートナーとなることを願いまして、この質問は終わっていきたいと思います。 続いて、高齢化社会の進展に対応した施策展開について質問をいたします。 本市は1980年、昭和55年の32万5,000人をピークに、一貫して人口減少が続いております。高齢化率も33%と全国より10年早い速度で進んでおります。また、40%の水準に達するのは全国よりも20年早い2045年、平成57年になるとも見込まれております。本市の高齢化率は、全国より早いスピードで進んでいるわけでありますから、高齢者福祉は、それに比例した充実したものでなければならないと思います。そのような観点から質問をいたします。 現在、高齢化の急速な進行によりまして、ごみ出し、移動、買い物など、高齢者の生活に関する課題が顕在化してきていると言われております。これらの課題に対する本市の認識をお伺いいたします。
◎福祉部長(五十嵐修二君) 年齢を重ねるに従いまして、日常生活における生活機能が低下していくことは避けられないものであり、日々の暮らしの中で高齢者にとってさまざまな生活課題が存在することは承知をいたしております。中でも御提示のありました、ごみ出し、移動、買い物につきましては、多くの高齢者が抱えている重要な生活課題であるというふうに認識しております。
◆山下隆夫君 少子高齢化の進展に伴いまして、高齢者の生活課題、これは多様化、複雑化しておりますので、さまざまな課題が山積をしているとは思いますけれども、今、新たに顕在化をしている、ごみ出し、移動、買い物支援の問題が顕在化しているわけでありますけれども、これらに対する本市のサービス提供の現状をお伺いいたします。
◎福祉部長(五十嵐修二君) ごみ出し及び買い物支援を含みました生活支援訪問サービスや介護保険での訪問介護サービスなどを行っております。また、対象の方は、寝たきりまたは歩行が著しく困難な高齢者等になりますが、通院等をされる場合につきまして、地域を公共交通が充実していない地域とされた旧4町の区域に限定をいたしまして、外出支援サービスを提供しているところでございます。
◆山下隆夫君 ごみ出し、移動、買い物支援に対する本市のサービス提供の現状を今お伺いいたしましたけれども、本市が全国平均より早いスピードで高齢化をしている、進展をしているという割には、それに十分対応した施策が展開されてはいないと思います。胸を張って自慢できる状況ではないような気がいたします。もっとこれらを充実させる必要があると思っておりますので、以下、課題ごとに、個別に質問をしたいと思います。 まず、ごみ出し支援、ふれあい収集についてでありますけれども、これはごみステーションまでごみを持っていくことが困難な高齢者や障害者の方々に対して、戸別に玄関先でごみ収集を実施するものであります。あわせまして、安否確認をするという制度であります。 県内でこの制度を導入している市町と、あわせてその事業効果を把握していればお示しください。
◎環境部長(小野雅弘君) 家庭ごみをごみステーションまで持っていくことが困難な高齢者、あるいは障害者の方々、これらの方を対象として戸別に玄関先まで伺って収集する、先ほど山下議員がおっしゃられたふれあい収集でございますが、これは山口県内、現在におきまして宇部市と防府市が実施しております。以上です。
◆山下隆夫君 その効果については、答弁はありませんでしたけれども、把握をされていないということですか。
◎環境部長(小野雅弘君) それぞれの効果でございます。効果としては、まだこちらのほうもよくは把握はしておりません。ただ、宇部市においては、平成15年4月から開始、防府市においてはことし、平成28年7月から開始しているというところを聞いております。 宇部市におきましては、現在415世帯を収集の対象世帯としております。防府市においては4世帯というようなところで、いずれも介護保険の要介護の対象の方とか、あるいは65歳以上の世帯を対象としていると、そういうような内容でございます。以上です。
◆山下隆夫君 本当にそういうサービスが必要な方、また遠くにおられる親族の方々は、市がそういう見守りをしていただいている、そういうサポートをしていただいていると、本当に喜んでいるというお話を聞いております。 2015年に国立研究開発法人国立環境研究所の資源循環・廃棄物研究センターが、全国の自治体を対象にいたしまして「高齢者を対象としたごみ出し支援の取組みに関するアンケート調査」を実施しております。約9割の自治体が「今後、高齢化によりごみ出しが困難な住民が増えると思う」と答えられております。また、高齢者を対象としたごみ出し支援制度がある自治体は約2割という結果になっております。しかし、支援制度がない自治体のうち、約4割の自治体が「将来的には検討したい」とも答えております。 高齢者等に対するごみ出し支援、ふれあい収集につきましては、4年前にもこうした制度を導入すべきと質問をしております。その際、環境部では、ふれあい収集に限らず、高齢社会に対応した収集運搬体制については検討が必要と考えている。これに加え、ふれあい収集など、障害者世帯など、ごみの排出が困難な世帯の皆さんに対する課題についても、関係部局の検討状況等とも連携をして引き続き検討したいとの答弁をされております。 これまでの検討状況及び今後の考え方についてお伺いいたします。
◎環境部長(小野雅弘君) 検討状況でございます。これにつきましては、現在、福祉部と情報交換をしております。まだ、具体的にふれあい収集実施の方向までは現在のところには至っておりません。 環境部におきましても、安否確認まで行うというふれあい収集でございますが、この安否確認、あるいは安否確認時におけます不測の事態への対応、それからこれが安否確認、これが不十分であったことによりますそういう責任の所在、そういうもの等々が収集職員で対応できるのか、あるいは収集職員がどうできるのかというところは、現在、収集職員と一緒に検討しております。 いずれにいたしましても、このふれあい収集といいますのは、最終的にはどうしても行政が何らかの手を差し伸べていかなければいけない部分であるとは理解はいたしております。これにつきましては、福祉部とも連携をとりまして、福祉の政策の中でそういうふうな地域の中で支え合っていけるような体制をつくる、そういうときにまた環境部もその支援を行っていくと、その辺で考えてまいりたいとは考えております。以上でございます。
◆山下隆夫君 宇部市では、ふれあい戸別収集制度を、おおむね65歳以上の方のみの世帯や障害者の方のみの世帯で、日常的に出るごみをごみステーションまで出すことが困難で、戸別収集が必要な方を対象に高齢者総合支援課、障害福祉課、環境部が連携をして、平成15年度から先ほどありましたように、導入をしております。 宇部市のごみ収集体制は、本市同様直営と委託で行っておりますが、安否確認を行っていることから、関係課との細かい連携が必要となるために直営部隊が実施をしているそうであります。先ほどもありましたけれども、本年10月末時点で415世帯が登録をして、実際にその制度を活用されているのは365世帯だそうであります。制度利用の一番多い理由でありますけれども、これまで近くに住んでいる親族などの支援を受けていたけれども、転勤や引っ越し等により支援が得られなくなったという理由が一番多いそうであります。このように共助の枠組みから漏れてくる市民の方は必ずおります。 平成28年度版厚生労働白書で、「共助の基盤を整備する必要があるが、行政には住民の福祉を最終的に担保する主体として公的な福祉サービスを適切に運営し、必要なサービスを住民に提供する必要がある」と述べられております。共助の枠組みから漏れてしまう市民に対して、行政には必要なサービスを提供するという使命があるということであります。これを踏まえて、先ほど若干ありましたけれども、改めまして高齢者等に対するごみ出し支援であるふれあい収集の導入を早急に導入すべきと思いますけれども、改めまして、見解をお伺いいたします。
◎環境部長(小野雅弘君) ふれあい収集に関連して御質問でございます。これはごみ出し支援に限らず、日常生活の支援を必要とする方々、これらの方が安心して暮らしていくためには、先ほども申しましたが地域の中で支え合っていくようになる、これが理想であります。地域の中でそういうコミュニティーをつくるということが福祉政策の一番のところであると思いますので、それに関連するふれあい収集、これにつきましては今後高齢者福祉、あるいはそういうまちづくりの観点から、当然環境部としても、そういう方針というような流れの中で収集体制のいろんな構築、再構築、そういうものについては全庁一体となって検討してまいりたいと、そのようには考えております。
◆山下隆夫君 これにつきましては、毎年、労働者のセンターであります連合の皆さんも制度、政策要求の中で、組合員や地域の声を聞いて、ふれあい収集の制度を導入していただきたいという要望が出されております。 また、エコフェスタを環境部の駐車場で行っておりますけれども、現場で働く若い労働者の皆さんが、エコフェスタに来られた市民にアンケートをとっております。「一番あなたが環境行政に対して望むことは何ですか」と。一番多いのは、ごみステーションの鳥獣被害対策であります。その次に、高齢者等に対するごみ出し支援、ふれあい収集を開始していただきたいというのが2番目に希望する環境行政に対して望む内容であります。 先週の一般質問で、「仕事は北九州、住むのは下関と言っておるけれども、就学援助や国保料について、北九州市と比べてどうなのだろうか」と質問がありました。先ほどの夜間中学の質問の中でも、この北九州では、というお話がありました。情報としてお伝えしておきたいと思いますけれども、本市より高齢化率が低い北九州におきましても、ふれあい収集を実施しております。ぜひ、こういった市民からの要望も強いわけでありますから、このふれあい収集制度を1日も早く導入をしていっていただきたいというふうに思います。 次に、移動の問題について質問をいたします。ここ最近、高齢者による自動車事故が日々報道されておりますことから、11月15日に開かれた閣僚会議で、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段の確保など、社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備を着実に進めていくため、事故の未然防止に向けた対策が協議をされております。山口県におきましては、高齢者の運転免許自主返納制度に取り組んでおりますけれども、免許を返納して真っ先に困るのが移動手段であります。安心して運転から卒業できる環境をつくるためには公共交通機関の充実を図っていかなければいけないと思います。 これに関しまして、平成25年11月に交通政策基本法が成立をいたしまして、自治体の裁量で地域の公共交通に関する取り組みを行うことが可能となりましたことから、公共交通機関の利用促進に関する本市の取り組み状況をお聞きする予定にしておりましたけれども、先週の林真一郎議員の質問に対して、都市整備部長から、本市では人口減少と少子高齢化、モータリゼーションの進展等により公共交通の利用者数は減少傾向にあり、サービス水準の維持確保が課題となっているという認識が示されて上で、バス運行に関する課題を解決する手段として、バス路線の再編、交通系ICカードやバスロケーションシステムなどが想定されると答弁をされておりますので、その部分につきましてはよくわかりましたので割愛させていただいて、公共交通機関の利便性を向上させ、利用者増に結びつける対策について質問をしたいと思います。 近年、幹線交通と地域交通のシームレス化、いわゆる継ぎ目のない状態に向けて、交通系ICカードの活用が促進をされております。幹線交通と地域交通をシームレス化することによりまして、外国人観光客を初めとする地域外からの来訪者の利便性が飛躍的に向上し、それに伴って利用客が増加することが期待をされるということから、各地で導入が進んでおります。交通系ICカードを導入することによりまして、交通弱者となる高齢者の移動手段の確保が図れるとともに、観光振興にも大きく貢献することが期待をされておりますので、導入に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、見解をお伺いいたします。
◎都市整備部長(石井陽君) 交通系ICカードの導入につきましては、平成27年4月に国土交通省が交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会を設置し、7月にはその結果が取りまとめられ、交通系ICカードの導入には、利用者や事業者にとどまらず地域経済・社会全体に幅広いメリットがあるので、地域全体の取り組みとして関係者が連携を図りつつ、地方公共団体も必要に応じて支援を行い、導入を促進していくことが必要であるとされております。 しかし、その反面、交通事業者や地域によってさまざまな交通系ICカードの導入パターンがあり、交通事業者が交通系ICカードを導入する際にはそれぞれのメリット、デメリットを検討した上で関係機関との調整が必要となり、導入費用のほか、メンテナンス料やシステム利用などの維持管理費用も多大な負担となるため、検討が必要となります。 交通系ICカードの導入は、本市の公共交通の課題の1つとして認識しており、下関市公共交通整備検討委員会の中でも検討してまいりたいと考えております。
◆山下隆夫君 バス路線の再編や乗り継ぎなどの効果的、効率的な改正を図っていくという上でも、交通系のICカードが非常に役に立つのでないかと思っております。 今御紹介がありましたけれども、国土交通省の交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会の取りまとめの中で、地域全体の取り組みとして関係者が連携を図りつつ、地方公共団体も必要に応じて支援を行い、導入を促進していくことが必要であると提言されておりますので、しっかり検討されて、1日も早い導入を図っていただきたいと思います。 次に、公共交通機関の利用促進を図るとともに、高齢者の移動手段確保対策として、「いきいきシルバー100」の通年化も効果的な施策になるのではないかと思います。これにつきましても、先週田中議員が「この制度の拡充を」という質問をされました。その際、福祉部長は、敬老の日と別の時期に拡大をするためには、別の目的を生み出す必要があると答弁をされております。また、中尾市長からは「そういった希望も多いので検討したい」という旨の答弁がされておりますので、別の目的を見出したいと思います。 1つは先ほど言いました、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段の確保、そして事故の未然防止に向けた対策の1つとして、その目的を見出すことができるのではないかと思います。もう1つは、まちの活性化につなげるという目的を見出すことができるのではないかと考えます。 日本銀行調査統計局や埼玉県都市整備部の担当者などが100円バスの導入の実態と効果を事業者アンケートによって実証分析した結果があります。100円バスの導入によって、高齢者や平日の人出の増加が確認をされ、特に人口20万人から50万人の地方都市においては、100円バスが一定の効果を見せていると、補助制度も活用しながら公共交通の運賃設定を工夫することで、まちとバス事業者双方の活性化が期待できるとまとめております。 本市では、先ほども申しました70歳以上の高齢者を対象に、9月15日から11月3日まで、11月から3月までの第3金曜日に計55回、1回100円でバスに乗車できる「いきいきシルバー100」が実施をされておりますけれども、高齢者の方々からこの制度の通年化を要望する声は後を絶ちません。あちこちで依頼を受けます。バス利用を促進するとともに、まちの活性化にもつながるという調査結果もあります。高齢者による自動車事故の未然防止、まちの活性化、高齢者の生活課題を解決する手段として、この制度を通年化すべきと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
◎福祉部長(五十嵐修二君) ただいま議員から、交通安全、あるいはまちの活性化のために「シルバー100」を通年化したらどうだろうかという御提案がございましたけれども、これにつきましては福祉部が現在やっておりますけれども、福祉部がそういうものについて全面的に担うべきなのかどうかということもございますので、庁内各部局と検討しながら、どういう形がもっともいいのかということも検討していきたいと思います。 また、現在、バス事業者につきましては、高齢者に対して3カ月程度のシルバーパスというものを発行しておりますので、そちらとの兼ね合いもございますし、通年化することによって逆にこの時期なら出ようという方の利用が減るということもありますので、総合的に判断をしてまいりたいというふうに思います。
◆山下隆夫君 確かに、福祉部だけで検討して「はい、わかりました」ということにはならないとは思います。そういった意味では市全体として検討をしていっていただきたいと思いますし、ある面では、この事業をやって直接的なプラスはないけれども、市全体としての経済波及効果があるというような説明をされる事業もあります。そういった意味では、その事業が赤字だから、そういった答弁をするというのではなくて、本当に波及効果を考えるのであれば、先ほど申したような波及効果の部分を期待できるわけですから、前向きに検討していっていただきたいというふうに思います。 最後に、買い物弱者支援について質問をいたします。この課題につきましても、以前質問をいたしました。その際、本市としては、今後とも関係機関と連携しながら、各地域における店舗状況や地域での買い物弱者の取り組み等を注視していきたいと考えていると。あわせて、山口県買い物弱者対策研究会の事例も参考にしながら、何らかの対策ができないか、研究を進めたいと考えているという答弁をされておりますので、これまでの買い物弱者対策の研究成果と今後の取り組み方針をお伺いいたします。
◎産業振興部長(肥塚敬文君) 本市の取り組みの状況でございますけれども、今御案内のありました山口県買い物弱者対策研究会が紹介している事例とか市内の小売店を初めとする民間事業者の動向の把握など、情報収集に努めているところでございます。 買い物弱者対策といたしましては、民間事業者が移動販売や宅配等により商品を直接買い物弱者の方々に届けることが高齢化の進む地域の買い物弱者対策として有効であると認識しております。 民間事業者の方々の動向といたしましては、移動販売につきましては生活協同組合コープやまぐちが平成23年5月から毎週火曜日に豊田、豊北地区で移動販売を実施しております。また、地元商店の中にも、移動販売を実施している商店があると聞いております。 宅配につきましても、地域の地元商店街、市内のスーパー及び食材宅配業者等が実施しており、その形態についても電話、ファクス、インターネットによる注文によるものや、店舗で買い物した後の配達を請け負うなどのサービスが多様化しております。 また、本年度でございますけれども、商店街の活性化の観点から地域課題解決型消費喚起モデル事業というのを実施しておりますけれども、これで商店街の方々とともに買い物弱者の方々の送迎サービスについて研究をいたしました。しかしながら、商店街が行う送迎サービスといたしましては、道路運送法上の許可、登録等が必要なことや、公共交通機関との競合などの課題が明らかになっております。そのため、事業としての実施は見送ったところでございます。 高齢化社会がますます進展する中で、これまでの取り組みが十分とは言い切れない状況もうかがえますので、今後も、買い物弱者対策につきましては商店街を初め、関係機関と連携しながら、どのような方法が効果的か、引き続き研究してまいりたいと考えております。
◆山下隆夫君 この問題につきましては、過疎地域だけではなくて、人口密集地におきましても、それまであったスーパーマーケットがなくなったりして、町なかでも買い物に苦労されている高齢者の方がいらっしゃいますので、急を要する対策ではないかと思いますので、しっかり対策を打っていただきたいと思います。 時間がありませんのでこれで終わりますけれども、先ほども申しましたけれども、平成28年度版の厚生労働白書で、行政と住民の関係についてこのように述べられております。「住民は身近だからこそ、地域の生活課題を早期発見することができ、行政は地域の困難な事例に専門的に対応できるというように、住民と行政は地域の生活課題の発見、解決という共通の目的のために協働する相手である。加えて、行政は住民が地域福祉活動を積極的、安定的に続けられるよう、その基盤を整備する必要がある。このような住民の地域福祉活動への参加によって地域において新しい支え合いが広がっていくことは重要なことである。ただし、それによって行政の役割が小さくなることはなく、住民の福祉を最終的に担保する主体として、公的な福祉サービスを適切に運営し、必要なサービスを住民に提供する必要がある」と述べていますように、共助の枠組みだけでは、全てのニーズに対応することは無理であります。サービスを必要とする全ての市民にサービスが行き届きますよう、高齢化社会の進展にしっかり対応する施策展開を行っていただくことを要望して、質問を終わります。(拍手)
○副議長(戸澤昭夫君) この際、暫時休憩いたします。再開は15時といたします。────────────────────────────────────────
△休憩 -14時41分 休憩- -14時58分 再開-────────────────────────────────────────
△一般質問
○副議長(戸澤昭夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を継続いたします。11番、木本暢一議員。(拍手) 〔木本暢一君登壇〕
◆木本暢一君 志誠会の木本でございます。一般質問をさせていただきます。 まず最初に豊田町道の駅「蛍街道西ノ市」ですけども、そのリニューアルについてお伺いいたします。豊田町の道の駅は、1市4町が合併する直前の平成16年12月14日にオープンしました。あさってでちょうど12周年を迎えるわけですけども、この間、平成24年には観光情報誌「じゃらん」の行ってよかった道の駅で、中国地方エリアでナンバーワンに、また、平成27年には国土交通大臣から地域活性化の拠点となるすぐれた取り組みをしている道の駅として、全国で37カ所選定された重点「道の駅」の1つに選ばれました。 また、来場者数も年間80万人を超え、今や下関市の重要な交流拠点の1つとなっています。豊北町の道の駅も先日、トリップアドバイザー社の実施した口コミランキング「行ってよかった!道の駅」で全国ナンバーワンとなり、下関市として大変誇りに思うところでございますが、来場者につきましては、平成27年度は53万人と、まだまだ豊田町の道の駅のほうが上回っているところでございます。 いずれにしても、菊川町も含めた3つの道の駅なくして本市の観光は語ることができないのが現状ではないかと思われます。そこでまずお尋ねいたしますが、豊田の道の駅は当初何万人の来場者を見込んで建設されたのでしょうか。お伺いいたします。
◎豊田総合支所長(河島正君) それでは、お答え申し上げます。当初の計画見込み人数ということでございますけれども、豊田の道の駅につきましては、物販施設、温浴施設、それから飲食施設、この3施設と駐車場を備えた施設でございます。当初、この利用施設の中で、約31万人の集客人数を見込んでおりました。以上です。
◆木本暢一君 年間31万人ということで、算出根拠が何かあったのだと思いますけども、これは何を基準に31万人という人数の見込みを設定されたのか、お伺いいたします。
◎豊田総合支所長(河島正君) この31万人でございますけれども、まず地元の利用者、人口でございますけれども、それがまず第1点。さらに隣接しております県道下関長門線の通行量等をもとに、立ち寄りによる利用者数を推計しております。それと3点目ですけれども、豊田地域の条件に一番近い類似施設を参考にいたしまして、年間利用者数を算定しております。以上です。
◆木本暢一君 地元の消費、それからまた通行量、それとまた類似施設、他の道の駅を参考にされたということですが、先ほども御紹介いたしましたけども、平成19年度以降、来場者は年間毎年80万人を超えています。その時点で、この施設が手狭であるということは、もう容易に想像ができるわけですけども、それに伴いお客様の苦情も多いと聞いております。まず、どのような苦情が寄せられているのかお伺いしたいと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) 当初利用計画31万人に対しまして、80万人を超える需要があります。利用者の方からさまざまな御意見もいただいているわけですけれども、特に多いのが、温浴施設の脱衣場、あるいは風呂場の洗い場、サウナの狭さ、こういう御意見をたくさんいただいています。以上です。
◆木本暢一君 お風呂の脱衣場、それからサウナ、それから洗い場ですか。物販施設等に関する苦情等はないのですか。
◎豊田総合支所長(河島正君) 物販施設につきましては、形が正方形ではないということでレジの位置がわからないとか、営業を行うほうの側からすれば若干死角があるような状況がございます。その辺でお客様からは、レジがわかりにくいという御意見はいただいております。
◆木本暢一君 そしてまた、12年たっているわけですけども、施設も老朽化していると思いますけども、先般も温浴の既設ボイラーの配管が壊れたということで急遽修理されたようですけども、そのほかにどういう老朽化したところが問題点として挙がっているのか、お伺いいたしたいと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) 議員が先ほど御紹介のように、この14日で丸12年が経過いたします。この豊田道の駅「蛍街道西ノ市」につきましては、和風の木造構造でございます。外壁等の腐食も一部進行しているところがございます。また、温浴施設等の湿気の多いところにつきましても、木造構造がゆえに、その進行がかなり進んでおります。また、温浴施設を中心として、主要機械設備がございますけれども、もう既に12年経過しておりまして、耐用年数を過ぎたものもございます。当初の能力をかなり下回っているような状況でございまして、当初の機械の能力を最大限に発揮できていない状況もございます。以上でございます。
◆木本暢一君 機械的な部分がかなり老朽化しているようですけども、先ほどもレジの関係が苦情として紹介されたわけですけども、家でも何でもそうなのですけども、やはり建てて使ってみると、ちょっと使い勝手が悪かったとか、いろいろ後で問題点が出てくるのですけども、レイアウトに関しての問題点、先ほどレジの関係は御紹介ありましたけども、そのほかに何かあるでしょうか。
◎豊田総合支所長(河島正君) 構造上の問題、レイアウトの問題につきましては、例えばこれは非常に残念なことなのですけれども、物販施設のほうで死角がどうしてもあるということで、一部盗難等の状況も発生しているという状況もございます。
◆木本暢一君 どうしてもレイアウト的に問題点もいろいろあるようですけども、温浴施設は豊田町の道の駅の売りでございますし、常連客もたくさんいらっしゃいます。その方たちから、先ほど御紹介もありましたけども、サウナは4人ぐらい入ったらいっぱいになるとか、更衣室が狭く体と体がぶつかる。女性のお客様からは、更衣室の洗面台が4つしかなくて、なかなかあかないで寄りつけないというお話も聞いております。 私は先日、きょうの質問をするために、久しぶりにお風呂に入りに行きました。確かに更衣室は本当に通路が狭くて、1人が着がえをしていると、なかなか通路を通れないということで大変使い勝手が悪いと。また、ロッカーが90ぐらいあるんですけども、使えないようにしてあるのでちょっと聞いてみたんですけども、3分の1ぐらいが鍵が壊れて使えないというような、従業員の方からもお話を聞いております。 現在、12年もたって老朽化して、そういうような状況ですけども、やはりそのまま放置していくと、だんだん客足も遠のいてくるのではないかと思います。お客様が少なくなってからリニューアルするということも考えられるかもしれませんけども、やはりそれでは手おくれになってしまうのではないかと思います。とりわけ観光施設、物販施設でも何でもそうですけども、お客さんがたくさん来られるうちにしっかりとリニューアルして、お客さんの要望に応えるということが必要ではないかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
◎豊田総合支所長(河島正君) 議員がおっしゃるように、今この、人気のある年間80万人を超えているこの時期に、ぜひとも改修をする必要があるというふうには考えております。これが人数が少なくなってからでは、後手に回るということもございますので、なるべく早く今人気のあるうちに改修を行いたいと考えております。
◆木本暢一君 同じ認識でいらっしゃるということなのですけども、年間80万人のお客さんが来られるということですから、施設が悪くてそれだけ多くの苦情が寄せられて、やはり客足が遠のくという結果になるかと思いますので、早目のリニューアルが必要だと思います。そこでお伺いいたしますけども、これまでのリニューアル計画の流れをお聞かせいただきたいと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) これまでのリニューアルに向けた経緯でございます。まず、平成25年度に道の駅施設整備基本計画を策定しております。平成27年度には経営診断を実施いたしました。この診断の結果に基づいて、平成28年度に経営改善計画と基本計画の詳細版をそれぞれ業務委託し、現在その計画書を作成しているところでございます。
◆木本暢一君 平成25年度に施設整備基本計画、それから平成27年度は実施計画が予算化されていたのではないのですかね。
◎豊田総合支所長(河島正君) 平成27年度に実施計画の予算につきましては、確かに予算計上されておりました。しかしちょうど平成27年度に下関市公共施設マネジメント基本方針により、全ての公共施設について、今後の整備や保有について再検討することとなりました。 また一方で、道の駅を管理運営している株式会社ふるさとセンターの経営が2年連続して低迷したために、リニューアルを進める前に、まず経営の改善を図ることが最も優先であるという結論になりました。あわせて改修工事費の精度を高めるために、経営改善計画と基本計画の詳細版を今年度、策定することといたしました。 その後、リニューアルの内容、必要性、費用対効果を精査いたしまして、将来にわたり地域振興と交流人口の拠点施設となるよう、基本計画及び実施設計を作成することとしております。
◆木本暢一君 先ほど聞いたときには、行われたことだけを言われて、予算計上されて不執行になった部分は説明がなかったということなのですよね。今言われたのは、平成27年度に実施計画が予算化されたけども不執行で、それから今年度に繰り越されたけども、そういう事情でことしも実施計画が実施されなかったということで理解してよろしいのですかね。
◎豊田総合支所長(河島正君) 今議員のおっしゃるとおりでございます。
◆木本暢一君 それでは、現在改善計画、それから実施計画が進められておるようですけども、現在の進捗状況について御説明をいただきたいと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) この改善計画と実施計画の詳細版につきましては、既に当然業務委託しております。いずれも3月の下旬には、その成果を市のほうに提出していただけるということでございます。経営改善計画につきましては、これは指定管理者もございますので、既に面接あるいは報告等もございます。基本計画の詳細版につきましては、既に数度業者との打ち合わせを行っておるところでございます。
◆木本暢一君 今順調に進んでいるということですけども、今の計画でいけば、結局のところ工事にかかって、大体できるだろうというのは何年ぐらいになるのですかね。それと、当初何年にできる予定だったけども、今の段階で何年になるかを教えていただきたいと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) 当初と申しますのが、平成27年度に実施設計の予算がついたという想定でございます。平成27年度に実施設計をもし行えば、改修は多額の予算を必要としてまいります。したがいまして、何年度で行えるかというのは、なかなか申し上げにくいところがございますけれども、ただ1年度ではとても無理でございます。 したがいまして、施設ごとに改修を行うような運びになろうかと思いますし、そのときの予算措置によりまして年数は伸びようかと思いますけれども、お客様の施設でございますので、なるべく工事がお客様に支障がないように、なるべく短期間で行いたいと考えております。
◆木本暢一君 ただいまの説明で大体よくわかりましたけども、順調に計画は進んでいるようですけども、以前リニューアルの計画が持ち上がる前だったと思いますけども、温泉の湯量がだんだん減っていって、新たにボーリングしなくてはいけないというような話もあったかに記憶しておりますけども、その辺は現在の計画の中で、どのようになっているのでしょうか。
◎豊田総合支所長(河島正君) 温泉の湯量の件ですけれども、湯量が減ったということは報告を受けておりません。ただ、温泉の成分、これは温泉法に基づく温泉成分ですけれども、療養泉としての表示を当初しておりました。それは成分がクリアできていたということで、療養泉としての効能書き等も掲示しておりましたけれども、平成23年12月に一部、成分が不足するということで、療養泉としての掲示はその時点でおろしております。 なお、源泉のボーリングについてですけれども、現在源泉の新たな掘削ということは、予定はしておりません。
◆木本暢一君 温泉の湯量は心配ないということで安心したわけですけども、平成29年の10月に長門市に新たな道の駅のオープンが予定されていると。また、山陰自動車道も着工、開通に向けてかなり加速化してきたように感じるところですけども、豊田町の道の駅は差別化の必要性に迫られており、私たち地元のものも危機感さえ感じます。 豊田町西市地区は昔から交通の要衝として栄え、西の市が立ち、地名の由来になったくらいです。週末の道の駅の駐車場には、他県ナンバーのキャンピングカーが多く泊まっています。それは交通の便がいいことと、良質な温泉があることが1つの要因として考えられます。 そこで提案ですけども、交通の要衝ということで、この大きな利点を生かして駐車場に電源を引き、また、一区画を大きくするなど、キャンプカー専用のスペースを確保するようなリニューアル方法も考えていただいたらどうでしょうか。また、オートバイや自転車を使って来られるお客さんも多く見られます。 以前、板谷議員から紹介がありましたけども、豊田町の誘致企業の「ほたる会」というグループがありますけども、そういうグループに道の駅に駐輪場を寄附していただきまして、スペース的にはちょっと狭いのですけども、やはり自転車を使って道の駅を訪れるお客さんには大変好評だということで、先般御紹介もありました。そういった方々にも配慮した場所の整備をしていき、広域的な移動の基地として整備を進めていただいたらどうかと思います。このような新たな特色を持たすことで、豊田町の道の駅の認知度が上がり、それに伴いおのずと売り上げも上がってくると思いますけども、そういった取り組みについてはいかがでしょうか。
◎豊田総合支所長(河島正君) 豊田町道の駅につきましては、温浴施設もあるということで、確かに議員がおっしゃるようにキャンピングカーの駐車がすっかりふえております。今後山陰自動車道の豊田インターの開通もあります。さらなる利用も図る必要がございます。そういう中で、駐車場の管理者であります山口県と協議しながら、利用者ニーズに対応できる施設整備に努めてまいりたいと考えております。
◆木本暢一君 いろいろとお尋ねするとともに提案もさせていただきましたけれども、リニューアルするにつきましても、やはり財源の確保が必要でございます。豊田町はいまだに過疎地域ということで、下関市になったら過疎から脱却できるかなと思ったら、なかなか過疎から脱却できませんけども、そんなことより豊田町は過疎債の対象地域でございます。この道の駅のリニューアルに過疎債は使えるのですかね。
◎豊田総合支所長(河島正君) 道の駅の整備に当たっては、財源は重要な課題であると認識しております。過疎債を初め地方債等の活用を含め、どのような財源措置を行うことができるのかについて検討を深めてまいりたいと考えております。
◆木本暢一君 おさらいになりますけど、過疎債について大体皆さん御存じと思いますけど、ちょっと簡単に説明していただければと思います。
◎豊田総合支所長(河島正君) 今ちょっと手元に資料はございませんけれども、過疎債につきましては、過疎地域自立促進特別措置法に基づく地域において、通常の地方債と比べますと若干有利な起債だろうと思います。起債を起こしますと、後に交付金として返ってまいりますけども、その割合が若干高いと思います、若干間違っているかもわかりませんが。
◆木本暢一君 過疎債は大体70%ですよね。豊田町は辺地もありますので、辺地債は八、九十だったか、そのくらいですね。大体70%は交付税で返ってくるということで、普通100万円のものを買ったら30万円で済むというので、時限立法ですから、いつ切れるかわからない。もっと使っていただいたほうがいいのではないかと思うのですけども、なかなか市のほうの財政も厳しいということですけども、有利じゃないかなと思うんですけども、そんなことより、最後に市長にお尋ねしますけども、市長は道の駅に来られたときに、来所者の方に道の駅をリニューアルするんだということで、何回もおっしゃっております。また、先般、豊田地区の
まちづくり協議会から請願として出されましたイベント広場についても同様にいろいろと言及されておりますけども、この道の駅のリニューアルについて市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◎市長(中尾友昭君) それでは、木本議員の質問にお答えいたします。私も就任以来、当初から豊田の道の駅、これはもう豊田町だけではなくて、やはり市が自慢できる大変立派な施設だといつも思っておりました。先ほどのお話で、明後日ですか、12周年。12月中にも1,000万人、これはレジ通過でしょうから、もっとたくさんの方が来られているわけですが、大変自慢の施設で、本当に日本を代表する重点道の駅の1つであります。 リニューアルについては大変重要と思いまして、当初から予算編成に取り組んでまいりましたが、公共施設マネジメントの1回のチェックと、それからそれ以上にやはり経営の健全経営についてしっかり、施設ができても中の経営がしっかりできないと、これは大変なことになりますので、改めてチェックをさせていただきました。 このたび課題も明らかになり、社長も実態を十分に把握されたということでありますので、財源バランスもありますけど、お約束したことですし、ぜひ早目に取りかかりたいと考えておりますので、また、地元の協力もいただきたいと思います。 豊田は蛍とともに道の駅が本当に重要な地点であります。今後山陰自動車道も延伸してくれば拠点性がまだまだ高まりますので、ぜひ力を入れていきたいと考えていますので、また御協力をお願いします。
◆木本暢一君 それでは、市長を先頭にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。少しでも早くリニューアルができるように、しっかりと取り組んでいただきたいと思うのですけども、皆さんも御存じだと思いますけども、豊田町から美祢市に行く途中に豊田前がありますね。そこに、森の駅や「ぽんぽこの里」というのがあります。 これは、民間企業がやられているのだと思うのですけども、結構立派な施設ができているので補助金等も多少入っているかと思うのですけども、できて何年になるかちょっとよく覚えませんけども、やはりそこは民間企業ということで、仕事は早いですよね。まず、建物ができたと思って、またしばらくして通ったらカキ小屋ができている。その次は、またしばらくして通ったら、今度は炭焼き小屋ができている。またしばらくして――いつもは通りませんから、しばらくして通ったら、次はガーデニングみたいにしてあって、外でお茶を飲んだり休憩したり、ベンチが置いてあったりしている。まだしばらくして通ったら、ジャングルジムができて、滑り台ができて、ブランコができて、遊具施設ができている。やはり民間は勝負が早いですよね。 だから、皆さんも胸に「誠意・正確・スピーディ」と書いてありますよね、胸に3S。やはりスピーディさを持って、1年延びたらちょっと1年取り返すぐらいの感じでしっかりやってもらわないと、いくらでも延び延びになって、地元の者は本当にやっているのだろうかという話で、本当に1年たつごとに何かがっくり、またあれをやれと言われた、またこれをやれと言われたといっても全然進展しないというようなことでは地域の皆さんもがっかりしますので、その辺はやはり誠意・正確・スピーディで、3Sで頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次にまいります。ちょっと時間がオーバーしましたけども、次は竹害対策についてお伺いいたします。森林環境の保全は地球温暖化防止へ貢献するとともに、水源の確保、国土の保全、健全な森林環境と良質な木材を国民へ提供しながら、健康で安心な豊かな住生活を支えていくということを目的に進められてきました。 しかしながら、近年木材価格の低下や林業従事者の高齢化などにより、健全な森林環境の保全ができてなくなっております。そうした中、今回問題に取り上げた孟宗竹でございますけども、外来種でありますが、1950年代ころまでは竹材やタケノコを得るために、管理された竹林で栽培されていました。 しかしながら、輸入品のタケノコが出回って、タケノコ栽培が経済的に成り立たなくなり、竹材の需要も減少すると、各地の竹林は管理されなくなりました。元来繁殖力の非常に強い孟宗竹は、これにより竹林の周囲に無秩序に進出し、既存の森林の生態系を破壊してきました。杉、ヒノキの人工林にも簡単に侵入し、背丈の低い杉は枯れてしまい、樹高の高いヒノキでも水吸収の競争に負け、それが原因で枯れてしまったという報告もされているようです。 特に竹害が激しいのは京都府、静岡県、高知県、愛媛県、鹿児島県、そして山口県だと言われています。また、株式会社のバンブージャパンというのがありますけども、その現地調査によると、全国市町村別竹林面積ベスト50で第1位は何と下関市、2,298ヘクタール、第2は鹿児島県の十島村、2,077ヘクタール、第3位が大分県の国東市、そして第4位に萩市がなっております。こういうことは余り知られていないのですけども。 そこでお伺いしますが、本市の山林などの竹林の状況はどのようになっているのでしょうか。また、竹林面積は5年、10年前と比べて、どう変化しているのかお伺いいたします。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 本市の竹林面積におきましては、山口県の森林・林業統計要覧によりますと平成22年度は2,386ヘクタールとなっており、平成26年度では2,339ヘクタール、議員がお示しの数値とおおむね同様でございます。この5年間では約2%の減少ということでございます。 それから、県内でございますが、竹林面積が昭和60年度から平成23年度にかけて、9,057ヘクタールから1万2,146ヘクタールに増加しておりまして、この30年弱の間に増加率は33%となっているのでございますが、近年は1万2,000ヘクタール程度で推移している状況で、高どまりをしているということでございます。 近年、本市の竹林が減少している原因といたしましては、林地開発によります伐採や県の繁茂竹林対策事業による成果があらわれてきたものと思われます。しかしながら、高齢化や過疎化が進む中、竹林の適正な管理が行き届かず放置竹林が拡大することは森林の荒廃につながるため、対策の必要性、これは認識をいたしているところでございます。以上です。
◆木本暢一君 最近は多少減少で、大体高どまりということですけども、先ほど御紹介しましたように竹の繁殖力が強くて、やはり林業従事者が減ったことによって、竹がどんどんはびこっていくというような現状でございます。そうした中で、本市の対応はどのようになっているのでしょうか、お伺いしたいと思います。また、県としても竹の伐採等の事業も行われているようですけども、その辺の対応もわかれば、あわせてお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 本市が行いました対策でございますが、昨年度は「やまぐち森林づくり県民税」を活用させていただきまして、豊北町神田地区におきまして、周辺集落の繁茂竹林2.66ヘクタールでございますが、伐採を行いまして、これは有害獣対策としての緩衝帯を設置いたしたということでございます。 また、県におきましても、森林機能の回復を誘導することを目的に、繁茂・拡大しました竹林の伐採や再生竹の除去を行う繁茂竹林整備事業を実施するとともに、森林整備活動を目的とする県内のボランティア団体には、伐採した竹を粉砕する林業機械の貸し付けを行っているところでございます。以上です。
◆木本暢一君 市としても多少対策を講じられているようですし、県も最近ではいろいろと対策をとられているようでございます。しかし、そうは言いながら竹害を防ぐにはただ伐採するだけではなく、昔のように有効な活用が必要ではないかと思います。 以前は豊田町においても市民グループで竹炭を焼いたり、竹害対策に取り組んでいたこともありますけども、なかなか決め手とならず長続きもしませんので、なかなかこれといった手段がないわけですけども、最近では竹をチップやパウダーにして、チップはバイオ燃料として――竹のチップは結構高温になるので、なかなか普通の釜では耐えられないということで、特殊な釜も開発されているようです――また、パウダーは肥料、飼料や土壌改良材としても利用されているようですけども、本市または県内において、それらを使った取り組みがあればお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 個人や地域によるグループの活動で、竹炭や竹酢液の取り組みがあることは承知いたしております。実際に、道の駅で販売されておられると思います。チップは議員御案内のとおり、バイオマス燃料としての技術確立が既になされておるところでございます。パウダーでございますが、農業用の肥料や土壌改良材としての活用ということになっているのですが、これにつきましては、市内においても今から広範に活用が実証できればということで取り組まれるグループがおられます。そこまでは承知いたしております。
◆木本暢一君 最初にお示ししましたように、本市の竹林面積は全国第1位ということで、裏を返せばそれだけ竹が、森林なり人里に侵食しているということになるのだと思うのです。森林環境を守るためにも、今後の取り組みが大事になってくると思いますけども、昔は利用価値が高かった竹を再度有効利用して、林業従事者の所得にも少しでもつながるような取り組みが必要だと思いますけども、先ほどとちょっと重なる部分があるかと思いますけども、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 現在、県では間伐材も含めまして、未利用材や竹を地域のエネルギー資源として活用するために、平成14年3月に策定をいたしました「やまぐち森林バイオマスエネルギー・プラン」に基づき、エネルギーの地産地消に取り組んでおります。 このような中、山陽小野田市に民間事業者による全国初の竹を主燃料といたします木質バイオマス発電所、山陽小野田バンブーバイオマス発電所の建設が決まっておりまして、平成29年4月の着工、平成30年6月に稼働を開始する予定と聞いております。 また、このバンブーバイオマス発電所の稼働には、竹資源の安定的かつ持続的な供給が必要となります。計画を拝見しますと、本市域の竹林もその燃料としての供給対象とされておるところでございます。本市の竹林が燃料供給源となれば、繁茂竹林対策にもなりますし、また、林家、農家の皆様の所得向上にもつながることから、この発電所の稼働に大いに期待をいたしているところでございます。 今後も、県や関係機関と連携をとりながら、情報をいただきまして竹資源の利活用の促進を図ってまいりたいと思っております。
◆木本暢一君 山陽小野田市にそういう工場ができるということで、下関の竹もそうすれば多少お金になってくるのかなという期待もあるわけですけども、パウダーにしても、おいていたら発酵して乳酸菌が出てどうとかこうとかという話も聞きますし、肥料としても使えるんだよというような話も聞きますので、まだまだ研究が必要だと思います。市としても、今後そういう竹材の有効活用に向けて取り組んでいただきたいと思います。 それでは最後に、有害鳥獣対策についてお伺いをいたします。有害鳥獣対策については、9月の定例会の一般質問で前東議員から質問があり、詳しく御答弁もあったわけですが、ことしの市民と議会のつどいで、菊川会場、豊浦会場においても、市民の皆様からこの有害鳥獣対策について質問があったわけです。 議長がその席で、議員もしっかりそれに取り組んでいますよと、毎回一般質問でその話題は出ますからということですが、今回ほかにないようですので、私のほうからさせていただきたいと思います。 まず初めに、おさらいになりますけども、昨年の被害額と捕獲頭数、イノシシ、鹿をお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 有害鳥獣による農林作物の被害額の推移でございます。平成25年度が1億7,500万円、平成26年度は1億5,900万円、平成27年度が1億4,200万円と、2年連続で減少はいたしておるところでございます。平成27年度は平成26年度に対しまして89.2%で、約1割の減少ということでございます。 また、平成27年度の捕獲頭数でございますが、イノシシにつきましては捕獲頭数が1,182頭、前年比で112.9%。鹿につきましては捕獲頭数が1,282頭で、前年比94.3%。猿につきましては捕獲頭数が55頭で、前年比114.6%ということでございます。イノシシ、鹿につきましては被害額は減少しているのでございますが、残念ながら猿については増加をしているという状況でございます。
◆木本暢一君 それでは、現在の取り組みについて多少お伺いしたいと思いますけども、鹿、イノシシの捕獲には現在猟銃での捕獲と箱わながあると思いますけども、またくくりわなというのがありますよね。こちらは猟犬が引っかかってしまうということで、今禁止されているのではないかと思いますけども、最近新しいくくりわなというのが開発されたということなのですけども、その辺の御紹介と、市としての対応はどのようになってるのかお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 下関市と長門市につきましては、本来くくりわなの架設禁止区域ということでございます。これは、昭和30年代に鹿の頭数が減ったときに、くくりわな禁止となったということで聞いておりますが、これは狩猟でのくくりわなが禁止ということでございまして、有害獣捕獲につきましては、くくりわなの使用やむなしということで使わせていただいているところでございます。 しかし近年、鹿の増加に伴いまして、今年度からくくりわなの架設禁止区域、これを見直す協議が行われているところでございます。ただし、議員がおっしゃられましたように、くくりわなを設置した場合、猟犬が誤ってわなにかかるということもありますので、銃を使って猟をされる方につきましては、余り歓迎をされておられないということでございます。 こうした中、新たにバケツ状の容器に餌を入れまして、これを例えば杉の木等に設置いたしまして、それによって誘引しましたニホンジカの首をくくる――その餌を鹿が食べようとしたときに首をくくることができるというようなわなが考案され開発されております。これは角がない、主に雌鹿を捕獲対象とすることから、有効に個体数低減が図られると期待されているところでございます。 予定といたしましては、県が来年度からくくりわな架設禁止区域の見直しを行い、試験的に首くくりわなの実証実験を行うと聞いております。効果が見られるということになりましたら、本市も早速の導入を検討いたしたいと思っているところでございます。
◆木本暢一君 県が来年から取り組むようですけども、その辺の情報も、今後市として皆さんに提供していただきたいと思います。次に、捕獲後の処理についてお伺いしたいと思います。捕獲されたイノシシ、鹿の多くはジビエセンターで処理されているということですけれども、昨年の処理頭数を、いま一度お示しいただきたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) みのりの丘のジビエセンターの処理頭数、平成25年度からの実績を申し上げます。平成25年度595頭、平成26年度が546頭、平成27年度は目標頭数600頭を上回る総数653頭が処理されているところでございます。
◆木本暢一君 ジビエセンターも順調に稼働しているようですけども、最近では移動処理車というものが開発されているということを聞いたのですけども。市としても情報が入っていると思うのですけども、その辺の取り扱いはどうなっているのかお伺いしたいと思います。
◎農林水産振興部長(村上治城君) 移動処理車でございますが、今年度から日本ジビエ振興協議会が、長野県、宮崎県、鳥取県、福岡県、愛知県の5県にて実証実験を今行っているところでございます。車の仕様でございますけれども、4トン車の車体に(第4日目冒頭(○○ページ)に執行部より訂正発言あり)屋外での洗体エリア、それから屋内での解体エリア、前処理室、冷蔵庫で構成されておりまして、国の衛生管理基準を満たす給湯器や消毒装置が設置されているということのようです。 なお、冷蔵庫内には枝肉の状態で鹿が最大5頭まで収納ができ、価格は約1,700万円と聞いております。今後この実証実験、まだ半分程度までしか終わっておりませんので、終わりましたら、その状況というのは把握したいと思っております。以上です。
◆木本暢一君 移動処理車ということで、捕獲した場所に行って処理ができるということで、なかなか運搬が難しい人にはいいかと思いますけども、この辺は保健所の許可もいるのですかね。これはもう質問通告していないからいいですけど。いいですけどありますか。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) この話は部内でも話をしているのですが、例えば4トン車でございますので、どこまで入れるのかというのは、そこまでは結局運ばなくてはいけないねというような話、それから、やはり食肉にするということであれば、当然ジビエセンターと同じような基準を満たしているかということの検証は必要になると思います。
◆木本暢一君 また、その辺は御検討いただきたいと思います。また、猟銃で捕獲したときに弾の当たりどころが悪くてなかなか食肉用として使えないとか、その他の理由で山に放置して帰るという例が結構あるそうなのです。そういったときに多くは穴を掘って埋めているようですけども、穴を掘って埋めるというのもなかなか大変ではないかなと思うのですけども、掘って埋められないときには、やむを得ずその場に放置するというような例も多々あるようです。その辺の対応、これは難しいことだと思うのですけども、市としての対応はいかがですか。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) ジビエセンター設置の目的に、1つは有害獣を食肉活用しての地域の活性化もあるんですが、1つには埋設処理に係る負担軽減ということもございました。そういう意味では、ジビエセンターも有効に活用しているのでございますが、議員が言われましたように傷んだ個体におきましては、やはり従前どおり埋設処理が原則ということでございます。また、この負担軽減をさらに進めていくということは、今後の課題であると認識いたしております。以上です。
◆木本暢一君 また、その辺も御検討いただきたいと思います。だんだん時間がなくなってきましたので急がないといけませんけども、次に猿への対策についてお伺いしたいと思います。猿の被害は年々深刻になっていると思います。捕獲が難しくて、なかなか対策が難しいということですけども、昨年の捕獲頭数をお知らせいただきたいと思います。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) 捕獲頭数、昨年は55頭でございます。以上です。
◆木本暢一君 55頭ということで、なかなか捕獲が難しいということですけども、年間55頭ではどんどんふえるのではないかと思いますし、豊田町においては――ほかの地域も、彦島でも出たというような話も聞きますし、豊田町の総合支所のすぐ裏の山によく猿が出てくるのです。一時期、近所のおばさんが裏山が騒がしいから見たら猿がいたと。何カ月かして、また群れが来ていると思って見てみたら、皆、子を抱いていると。何か55頭くらいでは、これは逆にどんどんふえるのではないかと思うので、しっかり対策をとってもらいたいと思います。 総合支所の近くに西市小学校がありますけども、そこの廊下には「猿が入りますから戸はあけっぱなしにしないでください」と張り紙がしてある。猿もかみつき猿とかテレビで報道されますけども、やはり危険なので、その辺の対策をまたしっかりしていただきたいと思います。 ということで、これまででしたらここで質問を終わるわけですけども、ことしからもう1匹、厄介な仲間がふえてまいりました。そう言えば、もう皆さんおわかりだと思いますけども、そうですね、熊ですね。これからが本題ですけども、以前豊田町の梨園で熊が1頭捕獲されたということで、その後長い間熊情報というか、熊の目撃情報はなかったわけですけども、最近になって目撃情報が多く寄せられるようになりました。 また、昨年ですか、一ノ俣のイノシシの箱わなに熊が入ったということで、これはもう個体が捕獲されていますので、必ずいるなということで、熊は殺処分されたわけです。 全国的にも熊が人を襲うという報道が多く聞かれております。人に対する被害という段では、イノシシ、鹿に比べれば、もう格段の危険性を伴うのではないかと思います。そこでお伺いしますけども、最近の出没情報を教えていただきたいと思います。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) 議員に御案内いただきました、最近では平成26年に吉見で1頭、それから平成27年に一ノ俣でイノシシの捕獲用のおりに錯誤捕獲ということでかかっているところでございます。 今年度の熊の出没状況でございますが、毎年おおむね1回か2回目撃情報があるということでございましたが、ことしは5月25日に目撃情報がよせられて以降、熊らしきものも含めまして、18件寄せられているところでございます。先週地元紙にも大きく取り上げられたところでございますが、議員がお求めでございますので順に申し上げます。5月25日に豊北町神田鳴滝、豊北町神田上人類ミュージアム、26日に豊北町神田上江尻下。5月30日に豊北町田耕。6月27日に菊川町上岡枝。8月4日に豊田町江良。9月4日豊北町粟野。9月11日豊北町神田。9月23日豊田湖畔公園、それから豊北町神田上。10月28日菊川町久野。11月7日豊田町一ノ俣、ここから11月でございますが、13日に勝山小野、14日菊川町久野、19日長府松小田、21日豊田町殿居。12月になりまして、6日に長府珠の浦、7日に豊田町一ノ俣となっておるところでございます。
◆木本暢一君 かなり多いですよね。長府でも目撃情報があったということで、それが全て熊ではないと思いますけども、さっきから、熊、熊と言ったら、何かうちに小さいかわいいクマさんがいらっしゃいますけども(笑声)、あんまり熊、熊と言うと、何か言いにくいのですけども、やはりかなりの数の目撃情報があって、本当に心配しているわけです。やはり今までなじみがなかったということで、生態というか、1年の間でいつころ繁殖して子を産んで、いつごろが一番凶暴だとかわかれば簡単に。大体正月は寝ているというのはわかるのですけど。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) ツキノワグマの生態につきましてでございますが、基本的に夜行性と聞いております。昼間は樹洞――これは大木の幹が割れたようなところでございますが――や洞窟などで休みますが、果実や木の実がある時期は昼間にも活動することがあると言われております。夏には標高の高いところでも生活を、冬になりますと低い場所にも移動するということでございます。また、1日の移動距離でございますが、雄でおおむね四、五キロ、雌で最大二、三キロということでございます。 食性は雑食で、果実や木の実、芽、小型の動物、昆虫、またはそれらの死骸などを食べまして、猛禽類のひなや鹿の幼獣などを捕獲して食べたりすることから、環境により肉食の傾向もあるということでございます。発情期は10月ごろで、一般的に2頭出産いたしまして、生後二、三年は母親と生活をいたしますが、三、四年で成獣となり、動物園で飼われているような場合、寿命は33年というデータもございます。暖かい地域でありましても、期間の長短はありますが冬眠することがわかっております。
◆木本暢一君 夜行性というのは知らなかったですね。そうなのですか。夜行性ですね。夜は気をつけないといけないと思いますけども、そんなことよりも、時間があまりないので、それではそういう目撃情報とかがあったときの対応、また、一般市民の皆さんにそういう情報をどのようにして提供されているのかお伺いしたいと思います。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) まず、目撃情報が私どもに寄せられた場合は、まずもって教育委員会、学校のほうや保育園、こども未来部に連絡、それから警察、農林事務所等関係機関に通報を行います。これをさらに豊田町、豊北町においてはオフトークで住民の方々に注意喚起を行うということをまずは第一義としております。それから、その現場に行きまして、職員が熊の痕跡確認をいたして県に報告するということになっております。 また、本市では、今年の11月17日に市内猟友会の会員を隊員とします「クマレンジャー隊」が結成されております。「クマレンジャー隊」は熊出没警報の発令時等に出動し、周辺住民の安全確保やパトロール、緊急やむを得ない場合の捕獲活動を行うということでございます。 イノシシや鹿と異なりまして、熊は第一種保護鳥獣に指定されているところから、一般には保護すべき鳥獣となっておりますので、鳥獣保護管理法に基づく捕獲の許可権限が市町に移譲されておりません。よってやむを得ず捕獲等の活動を行う場合は、県の許可が必要となります。出没情報等について県との連絡を密にしまして、農林業被害の防止及び人身被害を回避し、住民の安全確保に向けて取り組みを行っているところでございます。以上です。
◆木本暢一君 そういった対応に、またしっかり努めていただきたいと思いますけども、先般12月8日の山口新聞の1面に「ツキノワグマ餌を求め人里へ」とか「生息域、県西部に拡大」というようなことで新聞にも出ておりました。今後とも市としてしっかりと対応して、やはり市民の皆さんが危険にさらされないようにしていただきたいと思います。最後に、熊は目を離してはいけないのですかね。猿は知らない顔をしていたほうがいいとか。それだけちょっと最後に。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) 背中を見せずにそのまま後ずさりするのがよいと聞いております。
◆木本暢一君 終わります、いや、終わりました。(拍手)────────────────────────────────────────
○副議長(戸澤昭夫君) 12番、恵良健一郎議員。(拍手) 〔恵良健一郎君登壇〕
◆恵良健一郎君 公明党市議団の恵良健一郎でございます。 それでは通告に従いまして、質問させていただきます。 初めに、災害発生時における避難所運営についてでございます。私は、先日消防局で開催されました防災士養成講座を受講させていただきました。そこで、防災に関するさまざまなことを教えていただいたのですけれども、これは実は最後に試験がありまして、この試験に合格して初めて防災士として認定されるという養成講座でありまして、11月の末に受講いたしまして、先日無事に合格の通知をいただきました。 何とか防災士として認定していただきまして、また思いを新たにしておるところでございます。私が無事に合格いたしまして、公明党市議団はこれで全員防災士の資格を持ったということで、また、さまざま防災体制の構築に向けて、貢献していきたいと思いますし、取り組んでいきたいと思っております。 それでは、避難所運営についてなのですけれども、お聞きしますと下関ではこれまで長期にわたる避難所の開設というのは、幸いにもなかったということでございます。しかし、この数年は想定外ともいえる自然災害が毎年のように起こっている状況でございます。 例えば、ことしの夏におきましても、台風が東北地方のほうに行きました。これまでは東北地方のほうにああいう台風の被害はなかったということなのですけれども、一たび災害が発生いたしましたら、災害対策基本法などの法に基づきまして、予防・応急復旧・復興と、あらゆる局面に応じて、国や地方公共団体の権限と責任が明確化されております。それに基づいて対応していくということになっております。 また、地域防災計画も策定されておりまして、防災体制の確立や防災事業の促進といったような定めがありまして、多様な災害発生に備えて、地域防災のマニュアルや避難所運営マニュアルが整備されるということになっております。 ことしは熊本地震やこの夏の台風災害がありましたが、一部自治体の避難所運営において、自治体職員がその運営にかかわったことにより、本来行うべき災害対応に支障を来すケースもあったということであります。国や県との連携や支援の受け入れなど、自治体職員というのは、特に初動期においてはさまざま多忙を極めて任務がたくさんあるということでございます。この方々が避難所運営に当たってしまうと、そういった対応に支障が出るということもありまして、この避難所運営について少しお尋ねをさせていただきたいと思っております。 避難所の運営については、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針というのが、内閣府から平成25年8月に出されております。これは、東日本大震災を受けてさまざまな課題があったということで、内閣府が出しております。この中に、マニュアルの作成というものがございます。「避難所の運営が円滑かつ統一的に行えるよう、あらかじめ避難所運営の手引(マニュアル)を作成し、避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準やその取組方法を明確にしておくこと」、また、「ページ数の多い手引は活用し難いこと」などから、「市町村の避難所関係職員以外の者でも避難所を立ち上げることができるよう分かりやすい手引の整備が必要であること」という記述があります。 そこでお尋ねをいたしますけれども、下関市においてこの避難所運営マニュアルはつくられておられますでしょうか、お尋ねをいたします。
◎市民部長(大﨑信一君) 本市では、平成19年度に避難所運営マニュアルを作成しております。その後、避難所運営マニュアルにつきましては、平成25年に東日本大震災の課題を踏まえて災害対策基本法が改正されたことにより、先ほど議員の言われましたように内閣府において避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針、これが定められたことによって、翌平成26年に山口県より示された避難所運営マニュアル策定のための基本指針を踏まえまして、本市では平成27年3月に改定しております。 避難所運営マニュアルは、大規模の災害が発生し、多くの住民の方々が被災され、長期間の避難所生活が余儀なくされる際に、開設された指定避難所の運営を開始するために活用するもので、開設を担当する職員がパソコンなどの中に電子ファイルとして閲覧できるように準備しております。以上です。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。下関ではしっかりマニュアルをつくられておられるということがわかりました。では続いて、避難所運営の流れについて、少しお尋ねをさせていただきます。 マニュアルがあるということで、今言われたように最初に職員の方が避難所を開設する場合には、そのマニュアルをもって開設していくということでありますけれども、先ほど申しましたように、運営というのは本来避難されてこられた方々の中で行われるものだと思うのですけれども、職員の方が避難所を立ち上げて、地域の方が避難してこられたという状況の後、避難所運営の流れというのはどのようになっているのでしょうか、お尋ねをいたします。
◎市民部長(大﨑信一君) 避難所運営の流れですが、まず避難所の開設につきましては市長の指示により、建物の安全確認と建物内への無秩序な立ち入りによる混乱を避けるために、避難所担当の市職員が施設管理者の協力を得て行います。その後、避難所運営の中心となる方を選出し、運営組織をつくり、施設の点検、居住組の編成、部屋割り、避難者名簿の作成に取りかかります。 避難所の運営は、避難者自身による自主運用を基本として、避難所担当の市職員、施設管理者やボランティアは避難所運営の協力者として一緒に携わることになっております。以上です。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。マニュアルに基づいて運営の流れがあるということで、今お聞きしました。 それでは続いて、地域住民も参加する避難所運営の訓練についてということで、訓練のことを少しお尋ねさせていただきます。 この取り組みによりますと、平常時における対応ということで少し記述があるのですけれども、「市町村職員は、災害時、自らの被災状況や、夜間・休日であるなどの理由により、早急にかけつけられない可能性も常にあるため、それを前提として、地域住民等関係者・団体と避難所の鍵の管理や避難所の開設方法について事前に取り決めておくこと」、「避難所運営について、あらかじめ運営責任者を決定しておくほか、市町村が中心となり、学校等施設の管理者、自治会・自主防災組織等との間で、日頃からの協力関係を構築しておくことが望ましいこと」、また研修や訓練の実習ということで、「平常時から災害時を想定した職員の参集訓練を実施しておくこと」、「迅速かつ的確に避難所生活の支援を実施することができるよう、担当職員に対し、実践的な研修や訓練を行っておくこと」など記載があるのです。 先ほど職員の方は電子データで見られるということがあったのですけれども、ここにも地域の方との取り決めであったりとか、協力関係を構築しておくことということで、このあたりを進めていくためには、やはり一度訓練をしてみるということが一番いいのかなと思うのですけれども、こういった地域住民の方との避難所運営マニュアルに基づいた訓練の実施状況というのは、いかがな状況でしょうか。お尋ねいたします。
◎市民部長(大﨑信一君) きょうの朝の福田議員の御質問のときにもお答えさせていただきましたけど、自治会や
まちづくり協議会で行われる防災訓練や出前講座におきまして御依頼を受けた場合は、避難所運営や施設運営訓練などを防災安全課で行っているのが状況でございます。 訓練の内容といたしましては、下関市避難所運営マニュアルを活用して、避難所開設からの運営の流れの説明や体育館等で段ボールを使用しまして、実際に避難所内に避難生活時のプライバシーの保護のための世帯別の居住空間を設営する訓練などを実施しているのが、訓練の内容となっておりまして、きょうの朝、出前講座、防災訓練で36件、ことしはありましたと言ったのですけども、その中で11件はそういう訓練も実施しております。 私のほうとしましては、今後もこういう災害発生の際に、地域住民による円滑な避難所運営が行えるように、また、協力いただけるよう自治会、自治連合会で行われる防災訓練や出前講座の機会には、このような訓練もぜひ取り込んでいただいて、地域の防災力を向上していただきたいと思っているところでございます。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。今年度11件ほど、こういった避難所運営訓練がなされているということを今お聞きいたしました。聞き取りの際にもお聞きしますと、自治会のほうから、何々という団体から御相談があって、市としても防災担当のほうで対応しているということをお聞きしました。そのときに思いましたのが、意識が高い方といいますか、例えば現に裏にすぐ崖があるとか、やはり危険性の高いところの方は、意識が高いのかなと感じます。市に申し出て、訓練を一緒にというか、どういった訓練ができるだろうかということで相談をやったりということをされる自治会があるんだろうと思います。 30件あって11件がそういったことをされているということなのですが、仮に自治会の単位で考えますと、自治会数というのはかなりになると思うのですが、訓練している自治会の数というのは、まだまだ少ないのかなと感じます。実際に訓練はどうやったらいいのか、訓練をやろうといっても、どういうふうにやったらいいのかわからない方、自治会というのはまだまだ多いのかなとも思いますので、例えば、こういった訓練もされているということで、報告といいますか、こんな様子だったとかいうことがホームページとか市報などで実際の様子が写真で見られるとか。 あるいは、訓練したいときはこういう流れですよ、最初に防災安全課に相談するとか、あるいは学校の体育館を使うとなると学校のほうに許可といいますか、お願いをしないといけないというところもあると思いますので、こういう訓練をしたいときにはこういう課題がありますとかという、例えばチェックシートのようなものとか、1つ1つチェックしてこれをやればできるといった、各自治体が動きやすくなるような取り組みをもう一歩進めていただければありがたいなと、いいのかなと思います。 意識のある方はどんどんされると思うのですけれども、今回防災士を受けて、40名近い方が受講されておられました。やはりいろいろお話を聞いていますと、意識が高くて募集を見て来たという方もおられて、そういう方ももちろんいるのですが、やはり市民の皆さんの平均的なレベルを上げていくということになると、そういった啓発活動が大事になるのかなと思いますので、実際に訓練されているところがあるので、そういった写真であったりとか、流れであったりとかいうことをもう少しわかりやすく発信もしていただけるといいかなと思いますので、そのあたりも少し取り組んでいただければなと思います。 続いて、自治体職員やボランティアなどの受け入れ態勢についてお尋ねいたします。今や災害が起これば、ボランティア活動というのが普通になってきているかなと思いますが、やはり受け入れ態勢がどこも大変だということをテレビなどのニュースでも見ます。 熊本地震においても、最大1日1,400名を超えるボランティアの方を受け入れたということを聞いております。下関においても、仮に――ないほうがいいのですけれども――こういった長期にわたるような災害が起こった場合に、当然ボランティアであったり、他の自治体職員の方の受け入れということになってこようと思いますけれども、下関におけるこういった自治体の方やボランティアの受け入れ態勢についてどのようになっているか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
◎市民部長(大﨑信一君) ボランティアの受け入れ態勢につきましては、地域防災計画で一般ボランティアの支援体制について記載しております。本市では、災害対策本部内の市民班と福祉班が県、県社会福祉協議会及び市社会福祉協議会――こちらが市のボランティアセンターになりますが――等と連携を図りながら、市災害ボランティアセンターを設置し、ボランティアの活動支援を行うこととしております。 各避難所では、避難所運営本部が被災者ニーズの把握を行いまして、不足人数等を災害対策本部へ連絡し、災害対策本部が市災害ボランティアセンターへボランティアへの支援を要請することになります。 市災害ボランティアセンターの運営に関しましては、市社会福祉協議会が関係機関と連携を図りながら対応し、ボランティアの募集及び受け付け等の受け入れ態勢を整え、被災者の多様なニーズに対して、迅速で的確な対応、支援を行うこととなっているのが本市の状況でございます。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。避難者のニーズをしっかり吸い上げてボランティアセンターへいくと、今連絡体制もマニュアルといいますか、防災計画の中にあるということで、わかりました。その辺もしっかりと、私も熊本のほうにも1度だけ、少しお手伝いに行きましたけれども、やはりなかなか人の動かし方というのは難しいのだなと感じたところもあります。少なくともマニュアルではしっかりと態勢を組んでおられるということで、やはり訓練等を通じて、その辺の効果的かどうか、問題がないかという検証などもしていただけるといいなと思います。 最後に、このマニュアルの周知についてなのですが、先ほどもありましたように、職員の方は見られるということなのですが、市民の方には今見られる態勢にはなっていないということをお聞きしました。先ほど申しましたように、やはり地域の方との協力関係であったりとか、そういった共通認識を持っておくとかいうことが、内閣府から出ております取り組みの中には記載があるんですけれども、なかなか今見られないということで、地域住民の方が集まって、自分たちで運営をしていかないといけないんですけど、その場でいきなりマニュアルを見せられて、では中心者はだれですかということになっても現実には難しいのかなというふうに思うんです。 先ほども、訓練を体験された方は、こんなふうになっているのだなということがわかると思うのですが、なかなか訓練までいけている自治会も少ないようですので、せめてマニュアルが見られる状態にあることによって、避難所はどうなっているのかなといったときに自治会の方が見たりとか、少し市民の方にこれが広がっていればいいのかなと思うのですが。例えばホームページに、防災計画がある中に、避難所運営マニュアルということで1つつけ加えるとか、そのような形で市民の方に広く周知をしていってもいいのかなと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
◎市民部長(大﨑信一君) 今後も避難所運営マニュアルを用いた訓練や出前講座を実施しまして、まずは市民の皆様へ避難所運営に係る組織づくりや役割分担等について、説明をまずは行っていきたいと思っておりますが、これまで市職員に対して避難所開設担当としてのマニュアル周知を図ってまいりましたけども、今御指摘のように近年発生いたしました熊本地震とか鳥取の中部地震といった災害を踏まえますと、避難所運営に携わっていただく市民の方々と情報を共有していくことも大切と思われます。現在のマニュアルの内容をさらに精査した上で、市ホームページへの掲載についても、周知を検討してまいりたいと考えております。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。概要版とかでもいいのかなと思うのですが、何かしら流れだけでも、何かわかるようなものがあればと思います。下関ではまだ幸いこのような長期にわたる避難所開設がないということで、幸いなことなのですけれども、本当にいつ起こるかわからないというところもありますので、こういったマニュアルの周知であったり、訓練を多くの自治体がするというような雰囲気づくりといいますか、そういったところをひとつ防災安全課の――人員もなかなか大変だということもお聞きしたのですけれども、そういった啓発活動も含めて、大変かと思いますけれども、やはり何かあったときには市民の命にかかわることですので、平常時からの訓練とか意識というのが大事かなと思いますので、市民の命を守るという観点で、そういった取り組み、地道かもしれませんけどお願いできればと思います。 それでは続きまして、次の質問に行かせていただきます。下関の雇用の現状についてということでお尋ねをいたします。これは、若い方の下関の就職の状況がどうなっているのかなということがお尋ねといいますか、そのもとなのですけれども、下関の人口が減少しているということで、市民の方とお話ししますと、やはり働き先がないからではないかということで、若い方がどんどん市外に出ていってしまうというお話によくなります。 確かに私の世代でも、同級生とか高校・大学進学後は下関に戻ってきていない方のほうが多いのかなという感じがいたします。今年度は重点テーマとして、地域産業の育成強化による就業機会の拡大ということも大きな柱にされていまして、企業誘致などに積極的に取り組んでいただいているところですけれども、下関の雇用の現状ということで、若い方を念頭に置いているのですけれども、少しそのあたりのことをお尋ねしたいなと思います。 初めに、第1次産業(農業・漁業・林業)と書かせていただいたのですけれども、この状況についてです。第1次産業について、「人手不足の状況」と質問項目として挙げたのですけれども、人手不足というよりは就業者数の減少だということでありましたが、後継者や担い手がなかなかいないということで、減少しているということなのですが、下関市における農業、漁業、林業での就業者数の現状と、また、新規就労者数、それから新規就労者のための今年度行っております支援策の状況についてお尋ねしたいと思います。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) それでは農業、漁業、林業を順に申し上げますので、若干長目になります。まず、農業の状況でございますが、高齢化や後継者不足等により従事者は減少傾向ということでございます。私どもが担当します1次産業には、どの程度まで人数がいればそれを了とするのかという基準がございませんので、現状だけお伝えするということになります。2015年の農林業センサスによりますと、農業の就業人口は5,188人であり、5年前に比べて14%の減少ということです。 それから、先ほど議員が言われました新規就業者、これは農業も漁業も林業もですが、行政のある程度の研修プログラムを経て就業された方につきましては把握しているのですが、御自身で動かれたり、都会から帰郷されて御実家を手伝うというような方々の数値については把握は困難でございます。 新規農業の就業者数につきましては、過去3年の状況でございますが、みずから農業を行う独立自営就農者が17名、法人等への就業者が11名、合計で28名の方が市内において新規に就農されているということでございます。なお、例えば定年退職後に専業として農業につかれる。市役所を御退職されて、それから御自身の田んぼを守られるという方も多いのでございますけれども、私どももその数値というのは本当に把握したいんですが、これはなかなか困難ということで、先ほどの御説明と一緒でございます。 具体的な就農支援でございますが、独立自営の就農希望者に対しましては、就農前準備研修事業や経営が不安定な就農直後の所得を確保する青年就農給付金制度がございます。また、集落営農法人等を受け皿としました就業者の確保・定着のために、新規就業者を受け入れた法人を支援いたします定着支援給付金制度や新規就業者受入体制整備事業なども実施しているところでございます。 平成28年度におきましては、就農前準備研修事業で1名、青年就農給付金が23名、定着支援給付金8名、合計で32名の方が給付金を受けられております。また、新規就業者受入体制整備事業につきましては1件の事業を実施しており、事業完了後には新規の就業者2名の雇用が予定されております。 それから、沿岸の漁業でございます。過去3年の漁業就業者数でございますが、平成24年が1,331人、平成25年が1,300人、平成26年が1,264人という推移、これは全体の漁業就業者ということでございます。 本市では、県と協調いたしまして、ニューフィッシャー確保育成推進事業に取り組んでいるところでございますが、平成25年度から平成27年度までの3年間で18名の方が地元に定着し、漁業活動を実施いたしております。 また、支援の進捗状況でございます。農業と同様なプログラムでございますが、平成27年度から、新規就業者の募集から定着までの一貫した支援を構築いたしまして、県内外からの参入と定着を進めておりまして、県と市が協調して最長で2年、漁業技術、知識等を習得するための研修に対する支援や、国県市の研修を終えました新規就業者の技術力向上を図るため実践的研修を最長で3年間支援を行う事業を持っております。これら支援の平成28年度対象者は12名となっております。 また、今年度からは漁船乗組員を新たに雇用する漁業会社に対しまして、研修経費の一部を最長で1年間支援する制度を開始いたしたところでございます。今後も関係機関と連携しまして、さらなる漁業就業者の定着に向け取り組んでまいるということでございます。 最後に林業でございますが、市内の森林施業の担い手でございます山口県西部森林組合におけますところの過去3年間の作業員の新規就業者数を見ますと、平成25年度は作業員の総数80名のうち5名が新規、平成26年度は80名のうちの11名、平成27年度におきましては総数69名のうち5名となっておりまして、この間3年間で21名の方が新規に就業されておるということです。 また、林業にかかわる新規就業者の支援対策につきましては、平成21年度から国の支援事業が開始されまして、現在におきましては、国の「緑の雇用」現場技能育成対策事業並びに山口県の森林づくり担い手支援総合対策事業によりまして、新規林業就業者の定着支援を図るための事業が実施されております。 これまでの実績でございますが、平成23年度から平成28年度までに、県下で延べ82名が研修を受けられまして、そのうち下関管内が10名でございます。この10名のうち、平成28年度は3名という数字でございます。以上です。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。なかなか人数の把握というのが難しいのだなと、確かにそうだなと思います。今農業・漁業・林業ごとで、新規就業者、市の支援を受けてということで教えていただいたのですけれども、この新規就業者の方というのは、どのような方がそういった支援を受けられているのか。例えば、市外からサラリーマンの方が転入といいますか、新たに農業をしたい、漁業をしたいということで支援を受けられるのか、あるいは独身の方なのか、家族連れの方なのか、幾つぐらいの方なのか、どういう方がこの支援を受けられて新たに1次産業につかれているのか。わかる範囲で結構なのですが、どういう方が主に支援を受けられているのか、ちょっと教えていただければと思います。
◎
農林水産振興部長(村上治城君) 農業のほうは、支援を受けるに当たりまして年齢45歳未満というようなルールがある部分もございます。いわゆる新規就業でございまして、市外の方もおられますし、親御さんが農業をされているのだけども、ほかに勤めていたけども帰って継ぎたいというような、比較的若手の方が多くございます。それから森林組合のほうは、人数でもおわかりいただけますように、若干転職をされてこちらに帰ってきてというような方が多いと聞いております。以上です。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。今こういうUターンといいますか、新たに農業につく方、ときどきテレビで農業や漁業につく方の特集といいますか、その方を追ったようなニュースなどで見るのですけれども、私のイメージとしては、まだ若い御夫婦とか比較的若い方が子育て環境などは田舎のほうがいいということで、自然のいいところでということで、農業を始められるとか、漁業にしても、サラリーマンの方で釣りが好きな方がいつか漁師になりたいとかいうことで受けられるというような、テレビでそういうのを見ますと、そういう方たちなのかなと感じます。 それで、下関市のホームページで、例えばこういう農業・漁業・林業を下関でしたいという場合にどういう支援があるか、何かあるのかなと市のホームページを見るのですが、そういう支援の情報とか、あるいは体験談とかいったようなものがちょっとなかなか見当たらないなと感じました。 ほかの自治体のホームページでは、いろいろそういうのが、ただ支援の額だけであったりとか、余り詳しくというわけではないのですが、こういう支援があって最長2年間、月15万円の研修中は支援を受けられますよとか、そういう簡単なものでも書いてあるところが結構あったように思うのです。 しかし、下関市の場合、検索してもなかなかそういう具体的な支援の内容というか、どういうメニューがあってどういう支援なのかというのがわかりづらいように感じましたので、ぜひそういう――今はもう若い方というのはインターネットで見ていると思うのですが、この後の質問もそうなのですけど、やはり発信かなと思うので、そこに工夫をしていただければ、支援を希望する方がふえてきて、今農業・漁業・林業とも就業者数が減っているということで、どこが充足になるのかというのはあるのですけれども、やはり下関市に若い方に住んでいただくという観点からは、1次産業というのも大きな雇用先といいますか就業先になろうと思いますので、その辺がもう少しヒットするような表示といいますか、そういうのをちょっとしていただけるといいなと感じております。 それでは次に、大学卒業者、高校卒業者の下関市での就職状況についてお尋ねしたいと思います。これもなかなか数字的には難しいということを聞き取りの際にお聞きしたのですけれども、大学卒業者、高校卒業者の下関市における就職状況または今年度行われています就労支援策の進捗状況について、お尋ねしたいと思います。
◎産業振興部長(肥塚敬文君) 平成28年3月の市内4大学卒業者の就職状況につきましては、就職者数は742人で、そのうち75人、10.1%が市内企業へ就職しております。大学生等に向けた就労支援策といたしましては、市内では企業が学生等と直接面談して企業情報を提供することを目的として、本年6月15日、これは山口労働局等の主催によるものでございますけれども、「2016ふるさと山口企業合同就職フェア」が開催されました。 また、地元就職を促進し産業を担う労働力人口を確保することを目的としていたしまして、9月2日に本市の主催によります「大学生等就職面接会inしものせき」を今年度初めて開催しております。実績といたしましては、企業48社、求職者67人の参加に対しまして、採用に至った企業は12社、内定者は14人で、一定の成果が上がったと考えております。 また、平成27年3月のデータでございますけれども、市内高校卒業者の就職状況につきましては、就職者数は545人で、そのうち281人、51.6%が市内企業へ就職しております。高校生に向けた就労支援策といたしましては、職業意識や職業観を早い時期から高めるために、キャリア教育推進事業といたしまして、学校側の希望に応じて、セミナーや工場見学、それから職業模擬体験事業等を実施しているところでございます。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。大学卒業者の市内への就職状況ということで、これは市内の大学の卒業生の状況を今お答えいただいたのですが、市内に何人の大学卒業生が就職したのかというのは数字がこれもわからないということで、確かに把握しにくい数字だなとは思うのですけれども、この辺がわからないと対策というのも難しいのかなと思います。 今面接会とか就職フェアということで、取り組みをしていただいていることもよくわかりました。今の数字なのですが、大体総合戦略や人口ビジョン、いただいておりますものと同じ感じだなと思いますが、このビジョンを改めてじっと見たのですけれども、今少し数字もありましたけれども、まず市内の高校卒業生ですが、進路として7割が進学だということで、卒業生が1,800人いて、この7割が進学ということで、1,260人なのですね。それで、このうちの2割が市内に進学ということで、約250人が市内に進学。そうしますとあと8割の1,000人は市外に進学という状況でありまして、この1,000人の方が大学・短大・専門学校――市外に進学するのですが、その後どこに就職しているかがわからないというのが現状です。毎年1,000人近い方が高校卒業後、市外に行ってしまっていて、何人戻ってきているのかがわからないということが、まず1つあるのだなということがわかりました。 そして、先ほどもありました市内の大学の卒業者約780人のうち、市内に就職する方が人口ビジョンでは13.6%。今年は10.1%ということでしたが、およそ100人ぐらいの方が市内に就職するのかなと。あとの600人近い方は市外に、市内の大学にいながら市外に就職してしまうという状況で、なかなかこれは何とかできないのかなということを改めて思います。 これは去年掲載されたある新聞記事なんですけれども、このようにありました。地元企業の都市部の学生の地方就職への興味は決して低いものではありません。東京や大阪の大学に通う地方出身の大学生のうち、46.6%が就職による地方への移住というのを考えていると回答しているとありました。およそ半分の学生は、地方に戻るということも選択肢にあるという回答だったようです。 しかし、現状は求人や住居の情報が点在しており、地方就職に必要な情報の獲得がしづらいこと、実際に地方就職をした人の声など就職方法に関する具体的なノウハウ不足により地方就職への不安や疑問が払拭できないなど、効果的な情報提供が不足しているとのことで、学生が地方就職を諦めているという課題があります。こうした地方就職の潜在層の地方への就職促進が地方創生における大きなかなめとなります、という記事がありました。 ここでは続いて、東京都八王子市の取り組みが紹介されていました。八王子市は大学も多くて――私も大学時代は八王子市だったのですが――八王子市では、市内、市周辺に23の大学・短大・高専があるそうです。この23大学で卒業生が約2万4,000人おられるそうなのですけれども、このうち八王子市に就職したのはわずか1%、240名だったそうであります。 下関市が10%ということで、まだいいのだなと感じたのですけれども、それで八王子市では、平成27年4月から卒業後に地元企業に就職すれば10万円を交付するという奨励金制度を始めたそうです。八王子市では「はちおうじ就職ナビ」というサイトをつくって、地元の中小企業の紹介をしております。ここに載っているのは地元企業、中小企業が約100社載っているということなのですが、ここの企業に就職すれば、先ほどの10万円、奨励金がいただけるというような取り組みをしているそうでございます。 八王子市は約1万8,000の企業があるらしいのですけれども、9割は中小企業だということで、そういったところの就職促進として、こういった奨励金を支給するという取り組みもしているそうです。はちおうじ就職ナビというのがあるのですが、これを見ますと非常にわかりやすいといいますか、学生が見ると、企業の紹介があって動画もありました。実際に就職した人たちの声、1日の生活スタイルとか、そういったものが1つになっているサイトで、非常に見やすかったのですね。こういったことを八王子市は行っております。 また、違う取り組みなのですけれども、大分県の宇佐市では、奨学金の返還の支援というのを今年度から始めております。大分市では、市内に転入して企業で働き始めた人を対象に奨学金返還額の一部を補助する制度を始めたということで、Uターン・Iターンの促進が狙いで、大分県内の市町村では初めての試みだということで、今年度始めているそうです。 さまざまな要件はあるのですけれども、奨学金を返還した年の翌年に申請すれば、対象となる返還額の2分の1が補助されるということで、上限とか決まっているのですけれども、そういった形での奨学金の返還の支援をするということで、若者を取り込もうというような取り組みを行っておるそうです。 現在山口県においても、今の奨学金は理系大学院や薬学部の卒業生を対象とした返還補助制度があったりだとか、県が本県出身学生の多い県外の大学と就職支援に関する協定を締結したり、今17大学ほど締結しているということなのですが、県もそういう取り組みを進めているという状況です。 下関でも、毎年1,000人の方が市外に出るということで、こういった方々をつなぎとめる取り組みというのが1つ必要でないかなと感じます。そして高校生の卒業状況ですけれども、先ほども御回答いただきましたけれども、これも人口ビジョンを見ますと、高校卒業生1,800人のうち3割が就職ということで、およそ540人。そのうちの約半数の方が下関市に就職されるということのようです。市内は高校生の場合は逆に求人が多いようなのですけれども、市内の高校卒業生だけでは、その求人を充足できてないという現状があるようです。 高校生の就職支援というのは、お聞きしますと学校の進路指導室が行うということで、なかなか市の関与はできないというか、していないという状況だということをお聞きしました。市内の高校は市内の企業の情報をしっかりと流すと思うのですけれども、現に下関市内の高校生でも半分しか市内に就職しないということで、あとは市外から来ていただかないと市内の求人を充足できないという状況のようですので、いかに市外の高校生にも市内の企業を知っていただくかというのがポイントになるのかなと思います。 そうしますと、やはり先ほどもありましたが、こういった市内の企業のPRであったりだとか、下関がいかに住みよいところだと若い人たちに訴える、やはり発信というのが、必要になってくるかなと思います。先ほどの新聞記事でも、やはり情報が点在していたりということで、私も市のホームページを見たり、プロモーションのホームページとかも見るのですが、情報が点在しているなというのを非常に感じます。 今若い方はインターネットですので、見やすいサイトがあれば、必ずそこにつながってくるのではないかなと思いますし、もともと下関で生まれ育った方というのは、やはり下関というのが就職時には、1つ選択肢に必ずなるのでないかと思います。都会がいいという方ももちろんいるでしょうけれども、先ほどの新聞記事でも、約半数の方は選択肢として地元があるということでしたので、ニーズとしてはあると思うので、あとは発信する側がいかにわかりやすく、魅力ある発信ができるかっていうところが、大きなポイントになってくるかと思います。 そういったところを、なかなか難しいのですけれども、発信をやはり工夫していただきたいなということを今回思いましたので、その辺の取り組みをしっかり進めていただきたいと思います。 それから次に、創業支援の状況と支援策の進捗状況ということで、昨年唐戸の商店街に創業支援カフェがオープンして1年ちょっとになろうと思いますけれども、創業支援の状況がどのようになっているかお尋ねいたします。
◎産業振興部長(肥塚敬文君) 創業支援の状況でございますけれども、本市では国の認定を受けた下関市創業支援事業計画に基づきまして、市内の各支援機関と連携して創業者の支援を行っております。連携機関全体で支援した実績は、平成27年度には創業相談件数が423件、創業者数は114件となっております。 市独自の創業支援施策につきましては、補助金ではあきんど活性化支援事業、それから創業者販路開拓等補助金、施設面におきましては今御紹介のありました創業支援カフェ「ink」と商店街インキュベーション施設「ハグクモ」、それから商工会館の1階にあります創業支援施設、また、制度融資の面では起業資金融資、さらには創業セミナーや創業塾の開催など、さまざまな面から創業に関する支援を行っております。 これらの進捗状況の一部を御説明いたしますと、まずあきんど活性化支援事業において、補助金を活用して開店した店舗は、平成14年度の制度開設以来111件あり、本年度も5件の対象者を認定しております。 次に、昨年10月唐戸商店街にオープンいたしました創業支援カフェ「ink」においては、オープン以来500人を超える来場者がございます。そのうち専門家への相談者数が21人となっており、その中で2人が独立して事業展開しております。また、創業に関する基礎知識の習得から事業計画作成まで複数回にわたって指導する創業塾では、昨年度修了した9名のうち2名が創業しており、今年度も10名が修了しているという状況でございます。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。なかなか創業というのは簡単にいかないのだろうなと思うのですけれども、創業支援カフェも500名を超える方が来られ、お2人の方が今独立されたということで、なかなかペース的にはこれが多いのか少ないのか、何とも判断しかねるところですけれども、継続して1人でも多くの方に創業を始めていただいて、雇用がふえるということは大事なことだと思いますので、創業支援、なかなかきめの細かい支援が必要なのかなと思います。 お金のことがなかなか大変だということも聞き取りの際には聞いたのですけれども、いろんな不安とか、創業というのはいろんなことがあろうと思いますので、ぜひ寄り添い型といいますか、細かい相談にのっていただけるよう、これからもこのカフェの運営をお願いしたいと思います。 就職というのは、自分もそうでしたが、やはり人生にとって大きな選択肢であります。一度職についてそこに住み始めると、なかなか簡単に動くというのは難しいのかなとも思います。そのときにいかに下関市を選んでいただけるかというのは、やはりこれからの下関を担う若者に住んでいただくということで、働いてもらうという非常に大事なことと思います。 やはり少し発信の仕方とかを工夫するだけで違いが出るのであれば、そこら辺をしっかりひねるといいますか、若者向けのものを、若者の意見をちょっと聞いてみるとかそういった形で発信を工夫して取り組んでいただければ、変わってくるのかなと思います。 毎年1,000人が出て、どうなっているかわからないというのは、ちょっとやはりもったいないなと思いますし、せっかく高校まで子育てということで教育にも力を入れて育ててきた下関で育った若者たちがほかのところで能力を発揮するというのは、ちょっともったいないなと思いますので、その辺をもうひとつ、また戻ってきてもらうような工夫した発信をぜひお願いしたいと思います。 それでは最後の尋ねですが、B型肝炎ウイルス予防接種についてお尋ねをさせていただきます。本年10月からB型肝炎ウイルスの定期予防接種化となって、これは1歳までの子供が対象ということになっております。6月の際にもお尋ねしたのですけれども、これをぜひ3歳まで公費助成による経過措置の実施ができないかというお尋ねです。 6月にもこのB型肝炎のことをお尋ねしましたけれども、もう1回確認なのですが、B型肝炎、これは母子感染が主なんですけれども、今は保育園で感染したりとかということで感染ルートの拡大があったり、あるいはB型肝炎にかかってしまうと今のところ治療薬がないということで、かかってしまった方に高額な医療費がかかっている現状があったりということで、3歳児までを対象とすることで、そういった医療費の増大というのも防げますし、メリットが多くあるのではないかなと改めて思っております。 この10月1日からになりましたので、6月の際にも申しましたが、4月生まれの子というのは定期予防接種の期間が半年しかなくて、その間に3回予防接種をしなければいけないということでなかなか期間的にも厳しいんですが、仮に経過措置をつくれば、4月以降でも接種することができるということで、そういった接種漏れというのも減ってくるのではないかと思います。 2歳児、3歳児、この1年、来年度1年度だけでもしていただければ、これまで予防接種をしていない方が予防接種をすることで、B型肝炎が防げるということで、非常にメリットが大きいのではないかなと思うのですけれども、改めて3歳児までを対象にした公費助成の経過措置の実施についてお願いしたいと思うのですがいかがでしょうか。
◎こども未来部長(佐伯和也君) 今議員が言われましたように、第2回定例会のときにも御質問いただいたところでございます。その時点では、まだワクチン分科会の方向性ということでお答えしたところでございますけども、その後国の正式な方針といたしまして、今議員さんが言われましたように、1歳未満のお子様に対して、この10月から定期予防接種化をするということで決定されたところでございます。 1歳未満ということでございますけども、今年度につきましては平成28年4月1日以降に生まれた方が対象になっているところで、委員さんが言われますように、3歳まで経過措置規定としてできないかという御意見、第2回のときもそういう御意見でございましたけれども、市といたしましては、予防接種は国が科学的見地から接種年齢や接種方法等の検討を行い、それらを踏まえて制度の設計や財源措置、あるいは健康被害に対する救済措置等を行うものと考えており、現時点では国の制度を円滑に実施するというのが、最大の我々の課題と思っておりますので、国の内容で進めさせていただきたいと思っております。 それと先ほど4月生まれ以降の方で接種漏れということでございましたけども、この10月に予防接種を始めまして、10月だけで大体600人くらいのお子さんが、もう予防接種を実施されているということで、我々が想定していたよりも相当多くのお子様の接種が進んでおりますので、大体予定どおりにいけるのではないかと考えているところでございます。
◆恵良健一郎君 ありがとうございました。聞き取りの際も、なかなか難しいということはお聞きしておりました。今10月だけで600人の方が受けられたということで、やはり定期予防接種化という影響は大きいのだなと今感じたのですが、財政的な面を申しますと――ちなみに今下関市で1歳児が約900人、2歳児は約960人ということで、合わせて1,860名の1歳児、2歳児の方がおられます――接種料金が1回6,000円で、3回で1万8,000円ということで、仮に今接種率が90%で、1万8,000円全額助成しようとすると約3億円がかかるということで、これはちょっと難しいなと思うのですけれども、例えばこの1,860人のうち、接種率が70%で、3分の1の助成だとしますとかかるお金は約780万円です。これを2分の1とすると1,170万円ということで、財政的には決してむちゃな――3億とかそういう金額ではない、決して無理な不可能な金額ではないと思いますし、今のように少し助成があることで接種率が上がる、それによってB型肝炎になる方が将来的に減るということになれば、下関市の将来の医療費においても、大変な抑制作用というのがあるのではないかと思います。 B型肝炎の方というのは、現在日本で約120万人おられるそうです。100人に1人ということで、単純に下関市に当てはめますと、下関市で2,700名の方がおられるという計算になります。そして、治療が非常に困難ということで、ずっと薬を服用しているのですけれども、その費用は年間約80万円近くかかるというようなデータもあるそうで、1人の方が年間80万円の医療費がかかる、100人に1人ということで、今1,860人の1歳児、2歳児がいて、仮に接種率が50%だとして、半分の方は予防接種すればB型肝炎は大丈夫だと、残りの摂取しなかった50%、900人ぐらいの方のうち100人に1人ということですから単純なのですけれども、9人の方が仮に下関市でB型肝炎になってしまったと、現在の技術では1人80万円ぐらいの医療費がかかるということで、年間720万円ぐらいのB型肝炎の医療費がかかってしまうのかなと。それが何年も続くのですが、それを防げることができるのかなと。ここで2分の1助成でも1,170万円ということです。 確かに、健康被害とか費用対効果というところ、国が1歳までしか今回認めなかったということは、その辺の科学的な裏づけが確かにまだないというところがあるようですけれども、全国で見ても約130ぐらいの自治体が何らかの公費助成で行っております。最終的には自治体の判断だろうと思うのですけれども、健康被害についても保険の制度は、市長会でしょうか、あるにはある。掛金などの関係もあるのでしょうが、定期予防接種と同じくらいの補償の制度もあるということも聞いております。 何とかこのあたりを少し、1年でも公費助成することによって予防接種率が上がって、その方がB型肝炎にならないということも非常に大事ですし、少子化の中で将来的な医療費の負担ということも考えると、医療費がかかる方になるのか、それともしっかり働いていただける方になるのかということで、長い目で見れば決して悪い話ではないと思いますので、さまざまな科学的な根拠とかがありますけれども、現にやっておる自治体もありますし、最終的には自治体の判断ということで、来年1年だけ3分の1でも2分の1でも公費助成することによって接種率が上がるということ、ぜひそういうふうな取り組みをいま一度検討していただけたらと思います。 来年1年がこれはもう勝負ですので、もう余り時間もないのですけれども、ぜひそういう形でB型肝炎の予防接種を検討していただければということを強く訴えたいと思います。よろしくお願いします。 では、私の質問を以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(戸澤昭夫君) 以上で、本日予定された一般質問は終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。────────────────────────────────────────
△散会 -16時56分 散会-──────────────────────────────────────── 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。 平成28年12月12日 下関市議会議長 関 谷 博 ─────────────────────────────── 下関市議会副議長 戸 澤 昭 夫 ─────────────────────────────── 下関市議会議員 本 池 妙 子 ─────────────────────────────── 下関市議会議員 藤 村 博 美 ───────────────────────────────...